地球環境保護に向けてゴルフ界が踏み出した一歩

地球環境保護に向けてゴルフ界が踏み出した一歩
ゴルフ場の浴場に置いてあるビニール袋を廃止、エコバッグを使用する取り組みがある。今年7月からレジ袋の有料化も始まり、ゴルフ業界にも広まりつつある。今回は環境について考えてみたい。 環境省は昨年、「レジ袋有料化義務化(無料配布禁止等)」を発表した。 これは同省が呼びかける3R(スリーアール)のひとつ、リデュース「ごみを減らす」にあたる。あとの2つはリユース「くり返して使う」とリサイクル「再生利用する」だ。 プラスチックごみを減らす必要性は、「海洋プラスチックごみ問題」という世界規模で海洋環境の悪化による生態系への影響が懸念されるからだ。 毎年約800万トンのプラスチック類が海洋に流出し、「マイクロプラスチック」といわれる5mm以下の小さなごみになり、これが海洋生物の体内に入ると、炎症反応、摂食障害などにつながることがわかっている。過去にウミガメやクジラの胃の中からプラスチックごみが発見された事例もある。 また、レジ袋等のプラスチック製品は製造・廃棄時に二酸化炭素を排出し、地球温暖化の一因とされる。これが加速すると人間の手で温暖化を止められず、沿岸部の水没や大火災が頻発し、地球自身が灼熱化する。その分水嶺が2030年といわれてもいる。 同省の令和元年版 環境・循環型社会・生物多様性白書には「2050年には海洋中のプラスチックごみの重量が魚の重量を超えるという試算もあり」とある。 ゴルフ場の浴場にしろ、スーパーのレジ袋にしろ、環境のためを思えば廃止で正解は間違いないようだ。 兵庫県の千刈CCは2008年からメンバーがお風呂場でエコバッグを使用しており、そのエコバッグの裏面には次の文章が印刷されている。
ゴルフを愛するゴルファー。ゴルフに自分を発見しようとしているゴルファー。(中略)自然に感謝しているゴルファー。できることから始めるゴルファー。 そんな中からゴルファーズエコバッグ。浴室のビニール袋をこのエコバッグに替えるだけ。小さなことからエコロジー。 先日、千刈の脱衣場で着替えを風呂敷に入れられる会員S氏がおられました。ご本人は何気なくお使いですが、これは小さいけれどできることからエコロジー運動なんです。 ゴルフのたびにビニール袋を3枚も使っている私たちとの差は大きいです。目から鱗!ビニール袋を使わない意識を持ちたいゴルファーズエコバッグです。 大好きなゴルフをしながら、ゴルファーができる小さなエコ活動の始まりです。
このエコバッグは当時の総支配人・池戸秀行氏が創意工夫で作ったもの。 私も2016年に初めて千刈を訪れたときに1つ(2枚入り)購入した。それ以来、ゴルフ場へ行くときはエコバッグに着替えを入れて持って行く。 昨年、西武系のゴルフ場がビニール袋を廃止した。友人が知らずに行ってビニール袋がなくて困った、しかも有料で売ってるんですよ、と話してくれたが、一方では温暖化による大規模火災が頻発するなど待ったなしの状況だ。 この際、人より先にエコバッグを使うことをお勧めする。
この記事は弊誌月刊ゴルフ用品界(GEW)2020年2月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 月刊ゴルフ用品界についてはこちら