コロナ危機でゴルフ界もツアー中止やコンペキャンセル、インドアゴルフの自粛、通常業務に加えた除菌対応など大きな影響が出ています。
こんな厳しい時だからこそ...平時の振興のためのアイディアを検討する時かもしれません。
例えばゴルフ場の平時で、顕在化している機会損失は「荒天時のコンペキャンセル」でしょう。売上の痛手も大きく、キャンセル料のやり取りをする心理的負荷もかかります。
これを例に、問題解決の手順をご紹介したいと思います。
まず「ゴルフ場」の利用を前提にし、立場を「利用者」側とおきます。前提を定義するのは、アイディアが多方面に膨みすぎて、本来の趣旨と意図せずズレてしまうのを防ぐためです。
コンペ開催の目的は、ゴルフによる利用者同士の親睦を深めること。荒天の際は、中止または次回その目的を果たそうと延期になる場合が多いでしょう。
ここで注目すべきは、当初の開催日は利用者全員の予定が空白な事です。利用者にとっての問題は、ゴルフコンペが中止なことよりも、予定を空けているにも関わらず、親睦の機会がなくなることかもしれません。
ゴルフコンペの「ゴルフ・食事・風呂・競争」の要素の中、荒天時の課題はゴルフと競争。シミュレーションゴルフ、又は似て非なるものですが「みんゴル」コンペで要素代用してみては。
ゴルフ場へのシミュレーションゴルフの導入により、コースを想定した練習や、ゲーム感覚での利用による非ゴルファー来場促進にも有効活用できそうです。
金額のリスクは、「みんゴル」の導入であれば随分と抑えられるかも...。
ここまで妄想したところで、実際にゴルフ場でシミュレーションゴルフを導入している「千代田CC(GR AND PGM)」の三井支配人に話を伺ってみました。
「シミュレーションゴルフは練習場として導入しました。コース前の練習利用で、土日は満席になることもあります。ご希望の利用者の方には、レッスンプロによる無料ワンポイントアドバイスを実施しています。
...確かに、整備できればネット経由でのコンペ開催も出来なくはないかもしれません。
またお父さんのプレー中に、他のご家族にレジャー感覚でシミュレーションゴルフを利用いただきゴルフ場という空間を楽しんで頂けると嬉しいです」とのこと。
誘われるままに色んなコースに行く私のような者も、プレー後すぐにシミュレーションで手軽に振返りが出来れば、再現性が高くなり万年初心者から脱する ことが期待できそう...!
稚拙な例での検討手法の紹介でしたが、辛抱の今こそアイディアを沢山絞り出し、検討することで、平時の躍進につなげたいものです。
この記事は弊誌月刊ゴルフ用品界(GEW)2020年4月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
月刊ゴルフ用品界についてはこちら