命を守る?バカじゃない! 心無い電話にも今は耐えよう
「マスク500枚たまったわよー、毎朝早くから整理券もらって並んだのよ!」と、年配のご婦人。
路線バス車内で自慢気(聞こえる)に大きな声で話していた口元にはマスクがつけられていなかった。そして、周囲の目、そのほとんどがスマホ画面からご婦人へと向けられていた。
当面の間臨時休業を決めた当練習場ですれ違った飲料メーカー補充スタッフ20歳代の男性。飲料と現金を抜き出しながら元気よく挨拶してくれた。マスクの内側からブルーのハンカチが大きく出ている口元。
『おはようございます! 練習場臨時休業なんですね。そうですよね、非常事態宣言出ましたからね。』
「GW後になるかな、再開したらまたよろしくね」
『はい!』
「ん?ハンカチ?どうしたの?」
『マスクが全然無いんです。仕事帰りには1つも店頭になくて全く買えなくて...』
苦々しい笑顔で答えた。小さいけど良ければ、と私のマスクを2枚渡したら、とてもとても喜んでくれた。
「本当にいいんですか? 助かります! でも僕たちは何故働いているんでしょう、非常事態だっていうのに...わからない。」
マスクの価値が今までとは違う。臨時休業中の第百ゴルフでは、県外近県からたくさんのお問合せの電話を受けている。「横浜の練習場もどこも休業ですか!?」 東京03局からの発信だ。
来場されるお客様からの発言
「ゴルフ練習場は休業要請から除外されただろう! なんで休業なんだ!?」「え...、何故?って。(何故そんなに怒られなくちゃならないの?)感染拡大防止、命を守るためです。」と伝えたら、『は! 笑うね、命ね』とせせら笑われた。『何故オープンさせないんだ! え? 命を守るため? はあ!? ゲ! 馬鹿じゃないの!?』と言われたスタッフが唇を噛みしめて事務所に戻ってきた。
スタッフもよく耐えた。
横浜市に位置する第百ゴルフクラブは、4月7日政府より緊急事態宣言が発令されたために4月8日より、人との接触機会を減らすことによる新型コロナウイルス感染予防・拡大防止を目的とした政府の要請に応じ、近隣への配慮も意識し、スタッフへの感染リスクが大きな不安でもあっただけに当分臨時休業を決定した。
決して本意ではない。それでも今は、テイクアウトとデリバリー業務を社員で対応し、練習場のFacebookやTwitterで専属プロによる「外出自粛応援・ワンポイントレッスン動画」をお客様へ配信中。
新型ウイルスとの長期戦を予想し、先の未来構想と希望を持って、今までとは違う環境下でも「他の練習場にはない」「活気のある」第百ゴルフクラブの再開に向けて準備検討している。
今、第百ゴルフはガランと静かだ。とても穏やかな春 らしいゴルフ練習日和なのに、ウグイスの谷渡りが一段と響いている。
打席には誰もいない。なんとももどかしい...。今! 今! 今! 私が今、日本のために、多くの命を守るために何ができるのだろう。ジョン・F・ケネ ディの大統領就任演説での国民に向けた発信を思い出した。
これから何が起きるかわからない。だからできるだけ笑顔でいよう、優しくいたい。そして、人との接触を減らす我慢をしよう。変化に対応できる強さを意識しておこう。