オーダーメイドで成長戦略を打ち出すAzas GOLF

オーダーメイドで成長戦略を打ち出すAzas GOLF
少子高齢化が進む近年、ゴルフ用品の市場規模は縮小傾向にある。ところが、その中で伸びているジャンルもある。オーダーメイド市場だ。最近ではオーダーで注文できるシューズも少なくなく、ゴルフシューズをいわゆる”吊るし”ではなく、自分流にカスタムしてあつらえるのが身近になりつつある。 こうした中、注目すべきオーダーメイドシューズのブランドがある。09年にサービスを始めた「アザス オーダーシューズ」だ。ドライバットをはじめANEWキャディバッグ、ラズルダズル等のブランドを擁するアザスゴルフが手掛けるブランドで、オーダーメイドゴルフシューズを1足4万円弱~という手頃な価格で、注文から40日程度でつくることができる。 現在では、年間3000足強を受注するまでに成長し、百貨店やゴルフ専門店をはじめ本間ゴルフとのコラボレーションもスタート。約80店舗展開で日夜スタッフがフィッティングへ東奔西走している。同社村田雅久社長に話を聞いてみよう。 「購入者の6割が男性ですが、特に外反母趾に悩む女性は複数購入するなどリピート率が高いのが特徴ですね。シーズンごとに限定革を30色用意して、飽きさせない工夫も凝らしています。ただ、このビジネスは工場のキャパが生命線。月産300足が限界で、これを超えると縫製が雑になり歩留まりが極端に悪くなります。なので、コツコツと着実に進めます」 また、カラーや素材は、多彩なサンプルの中から選ぶことができため、頭を悩ませるユーザーも少なくないとか。そこで、同社ではインスタグラムへ1000点以上のサンプル画像を掲載し、スマホでカラバリをイメージしてもらっているという。 デザインの基本はサドル型やウイングチップ型、スニーカータイプ、チャッカブーツなど、7種類から選択ができる。ダイヤル式もプラス3000円でオーダー可能で、スパイクレスも選べるようになった。なかでも昨年ラインアップに加わったスニーカータイプのスパイクレス(2万9800円)のオーダーが好調だという。 また、同社のシューズは機能が満載だ。①防水素材を使用したブーツ工法仕上げのインナーにより水の浸入を防ぐ、②顧客の足型に合わせたオーダー熟成型インソールで確実にホールドし、グリップ力を高める、③熱成型インソールは、消臭抗菌効果に優れるなどの機能がある。 一連の受注システムで陰になりがちだが、「アザス オーダーメイド シューズ」の大きなアドバンテージは、やはりその履き着心地にあるようだ。1日のラウンドで10万歩以上歩くことを踏まえると、ここが最大のポイントに違いない。それを担うのが、先述の熱成型インソール『adjust Fit』(価格:8000円)。単体での販売も行っており、 「当社が販売するインソールは専用の器具を使用し、自分の足型合わせて成型します。個々の足型と同じ足型と同じ形にすることで、確実に足をホールドし、グリップ力を高め、足裏の疲れを軽減します」 カラーリングだけでなく、既製品では味わえない絶妙なフィット感が得られるのが同社の強みといえそうだ。