4月22日(水)グラファイトデザイン テストセンター(埼玉県秩父市)
2020年度のツアーサポートも、JGTO、LPGAのツアーがコロナウイルス(COVID–19)の影響により開催されないため、活動ができない状況が続いております。あくまでも人命第一であり、このウイルスが早く収束して今まで通リの状況に早く戻れるよう願ってやみません。
さて、ツアーが開催されない状況ですが、試合がないことで従来以上にクラブのテストやチューニングを要望されるプロやトップアマも多く、作業的には従来と変わらない作業がかなりあります。
今回はそんな状況でグラファイトデザインのテストセンターにお邪魔させていただきましたので、その状況をレポートしようと思います。
こちらのテストセンターではグラファイトデザインのシャフトをプロの使用クラブにフィッテイングさせる目的で、施設的にはプロを満足させられる設備です。
施設・最大キャリーで330ヤードの天然芝のテストセンター・芝生でのヒッティングが可能・ボールデータの計測はトラックマン導入・テストボールはプロの契約メーカーに対応するためダンロップ、BS、タイトリスト、キャロウェイ、テーラーメイド各2種類、ヘッドも各社の協力でツアーでみられる大半のヘッドが用意され、完璧な体制を築いています。

訪問時には金原梨里加プロ(中国LPGAQT10位)と師匠の佐藤えいちプロがテスト中で、金原プロはテストの結果、『IZ–5S』を選択。
また、加藤将明プロは『XC–7X』の先端1.5インチトリミングと『XC–7TX』を使用するとのこと。

「7TX」のほうが曲がりづらいものの、「7X」のトリミングでも適正なスピン量が保てるので、この2本を選択したそうです。
最後に共立第二高校3年生の早川夏未さんですが、やはりプロと違ってクラブやシャフトをテストすることは難しい状況でしたが、昨年度三菱電機レディースでチューズデイトーナメントを突破しツアーコーチの森守洋氏の推薦もあり、グラファイトデザイン・ツアー担当の高橋雅也氏、小林寿久氏のご協力でテストしていただきました。
従来使用していた『PT–5S』から他の3種類のシャフトでテストしましたが、ミート率のアップ、スピン量の安定等を考慮して『TP–5S』に決定。

個人的にはグラファイトデザインの意欲作でツアー AD以外のブランドとして取り組んだ『aG33–5』に期待をしましたが、『TP–5S』のほうがいいデータが出ました。
最近のシャフト開発とその方向性について、日本のトップアマでもある高橋雅也氏が面白い表現をされたのでご紹介します。
「近年クラブヘッドが簡単になり(慣性モーメントが大きくなり曲がりづらいことや飛距離についてこのような表現をされた)、ヘッドに装着されるシャフトに対する要望も同じ方向を向いています。
簡単になったヘッドに装着されるシャフトバリエーションも従来とは違ったとらえ方で考える必要があります」 ツアー ADの名前を外したシャフトの提案といい、今後のヘッド開発やシャフト開発がどんどん面白くなりそうです。
この記事は弊誌月刊ゴルフ用品界(GEW)2020年6月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
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