2021S/S注目色は3つ サスティナブル・グリーン、太陽のイエローと空のブルー
毎年7月は次年の春夏展示会スタートの時期ですが、今年はコロナ―。
アナログだと言われるアパレル業界もオンライン展示会に切替えるブランドが多く、各社どのようなプレゼンをされるのか楽しみです。今回は、展示会前に2021年春夏の注目色について一足早くご紹介しましょう。
来年春夏のインターカラーは2019年5月、この年の世相だった『環境汚染・異常気象・旧体制からの脱却・英国EU離脱・Z世代の新しい価値観』などを背景にして『BALANCES(均衡)とCLASHES(対立)』というテーマを掲げました。
2021年の特徴として、時代の変化がある時は感情を高揚させるカラーや過激で破壊的な配色、その反対で調和があり心が落ち着く穏やかなカラーも選出されます。今季の特徴は両極をつなぐ『ニュー・ニュートラル』という考え方で、季節・世代・年齢問わず使いやすく、他の色との組み合わせに適したホワイト系、グレー系、ブラウン系の3グループのベーシックカラー設定がありました。
その中でも未染色のオフホワイトや技術開発によって再生素材でもピュアホワイトが可能になり、サスティナブルな観点からもホワイト系の注目が継続していますが、ベーシック以外の色はどうでしょう。
ここでは注目の3色を紹介します。
すべて『サスティナブル』をキーワードにした色で、1番目は、サスティナブルの象徴色であるグリーンのバリエーションです。2020春夏のミントや青磁などの青みのグリーンは継続しつつ、深みのあるビリジアンやエメラルド、マラカイトグリーンやイエローグリーンはオリーブを含め新たなエコロジーカラーとして台頭しそう。
2020年春夏にマルニやヴァレンチノ、バレンシアガが先駆けた提案色です。ゴルフウエア開発者としては、芝生のグリーンバックにこの色で目立つことができるスタイル提案はとても難しいですね。次のグリーンは黄味寄りに変化しますが、芝生と同化しないように青みがけたり、明度を調整したり、他の色と組み合わせた柄物を考案するなど売れるグリーンのポロシャツ開発に挑戦です。ちなみに反対色の赤系も引き続き重要。
2番目は、太陽の光があたったようなやさしいイエローを中心としたオレンジ~ブラウン。コロナ禍の不安な気持ちを溶かし、心に活力を与えるような印象。光の象徴色である白と組み合わせたプリント柄などもコレクションで見かけます。それから、イエローの一部としてブラウンに近いダークイエローに光沢感を持たせると、光を感じさせるゴールドになり、アソートカラーとして活躍しそうです。
3番目は、地球や世界をつなぐ空のブルー。スカッとした爽やかなというより、少しグレイッシュなニュアンスのある色で、『 01.Sky on earth 』としてプルミエールヴィジョンのメインカラーでした。新しいニュートラルカラーとしてバイオフィリックデザインにはグリーンと共に欠かせない色で、分野問わず活躍する色のようです。
では、2019年に考えられた色がこのご時世に合ってしまう不思議を感じつつ・・・。