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コロナで見えたこと

ニュース 北川 薫

大相撲の今場所は、本来は名古屋場所でしたが、コロナを勘案して東京での開催となりました。東京での夏場所(五月場所)が中止となりましたので、今場所の相撲取りはこれまでと違い、場所間には倍以上の時間がありました。

膝や腰を痛めた相撲取りにとって、この4か月は治療に専念できて好成績を上げた者がいます。私は、今のように2か月に1回の本場所は相撲取りにとっては大変なことと改めて実感しました。例年であれば、本場所と本場所の間には巡業、という本場所に勝るとも劣らない重要な業務があります。本場所間の休みは実質2、3週間もあるでしょうか。

怪我でもすれば致命的です。今場所優勝の照ノ富士のように、大関から序二段に落ちた者もいます。奇跡ともいえる復活です。親方の温かい励ましと、本人の心身ともに精進の御蔭のようです。

さて、こうした相撲興行の在り方を見て思うことは、興行とプレイヤーの在り方です。人気種目の興行としてはゲーム回数を増やしたいのは当然ですが、プレイヤーの体が持たないのではないか、という心配です。

江戸時代の川柳で『一年を二十日で暮らすよい男』とうたわれた相撲取りですが、相撲には、いわゆるオフシーズンがありません。相撲取りのボディケアの難しさです。相撲だけの問題ではありません。ゴルフで一番気になっているのは、同じ部位を使うことから来る怪我です。いわゆる「金属疲労」です。

テニスもそうです。全身運動とはいえ、使っているのは局所で、膝と手首です。経験を積んだプレイヤーは少々の怪我でも技術でカバーし、そこそこの成績をあげることができましょう。その弊害は、本来のフォームが崩れることですが・・・。

ボディケアの大切さ

ゴルファーは良い成績を上げるほど、お声がかかります。これは、ゴルフだけではなくすべてのスポーツがそうです。問題は、花形プレイヤーこそ、ボディケアをしっかりとやらなければなりません。私の知り合いの金メダリストは、彼の父親について、練習や試合後のボディケアが不十分であったから、選手生命が短かったのだ、と話をしてくれました。

彼の父親は私と同じ年齢です。我々の時代は準備運動も整理運動も不十分でしたし、トレーニング方法も未発達でした。息子の金メダリストはボディケアをしてくれるスタッフを数名雇っていました。おそらく、トッププロゴルファーは同じような状況かと思っていますが、選手生命を長引かせたいのであれば、日々のボディケアに努めることが肝要かと思います。特にオフシーズンの過ごし方が大きなカギとなりましょう。

そのためには、自分の体調を主観ともに客観的に数値化し記録に残しておくことが良いのではないでしょうか。最近は、すべてのスポーツ種目はプレイヤーに過酷とも思える激しいプレイを強いています。それに打ち勝っての一流選手、との理解が一般的です。

今は、ボディケア・トレーナーの専門家がたくさんいますので、素晴らしいプレイをファンに長く見せるために、日々のケアに努めることでしょう。一方、興行主は、こうしたプレイヤーには、長い目で見守ることは不可欠です。金の卵を潰すことにもなりかねません。


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ライター紹介 ライター一覧

北川 薫

北川 薫

1945年6月8日生
1982年3月教育学博士(東京大学)
1983年4月中京大学体育学部、同大学院体育学研究科教授
2007年4月中京大学学長、梅村学園理事
2011年5月公益社団法人全国大学体育連合副会長(現在に至る) 
2012年12月経済産業省:次世代ヘルスケア産業協議会委員(~2018年3月)
2013年4月東海テレビ放送番組審議会委員長(~2016年3月)
2015年4月梅村学園学事顧問
2016年6月公益財団法人全日本ボウリング協会会長(現在に至る)
2019年3月愛知県体育・スポーツ振興に関する推進協議会議長(現在に至る)

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