今シーズンはコロナウイルスの影響もありトーナメントでの取材ができないため、最近のアイアンのクラブセッティングの傾向についてお話しをさせていただくことといたします。
アイアンクラブのセッティングでは、多くのプレーヤーが7~PWまでとかアイアンが得意なプレーヤーでも5~PWの組み合わせが主流となってきました。LPGAツアーでは7~PWが本当に多いです。UTの登場がクラブセッティングに大きな変化をもたらしたのです。
一方、男子プロやトップアマでも6~PWの組み合わせと、その上の番手は別のヘッドモデルのアイアンを組み合わせたり、アイアン型のUTといったセッティングが目立ってきています。
従来のように3~PWを使用して同一シャフトを入れたらどうなるのか?
![大型MOIヘッドを操作するシャフト選びはバラバラでも良い!?](https://gew-web.com/wp-content/uploads/2020/08/nagase2.jpg)
もちろんロングアイアン(特に#3、#4)が打ちにくいのは承知の上で検証します。テストはヨネックス『CB501アイアン』の3~PWで行いました。
『モーダス125 S』で組みましたが、6~PWは本当に素晴らしい感覚なのに、同一シャフトでは#5アイアンあたりからシャフトが少し柔らかくヘッドコントロールがままならない感覚が出てきます。
あくまでも同一ヘッドですが、念のためアイアン型UTと組み合わせたキャロウェイ『APEX PRO(モーダス125SとダイナミックゴールドAMT X100)』を参考に、#3、4、5を同一ヘッドにもかかわらず『AMT X100』に入れ替えました。
すると、同一シャフトの時とは別物のように振りやすくなります。これはバランス、振動数、また総重量を合わせた場合でもわからない感覚なのです。ただし、ヨネックスのマッスルバックタイプでは、このようなことにはならずに同一シャフトでもOKなのです。
クラブヘッドの慣性モーメントの大きさが予想以上にシャフトの負担になると思われます。
最近の慣性モーメントの大型化を目指したヘッドをコントロールするシャフト選びは難しいです。同一モデルのヘッドでもシャフトが長くなる番手では、別物のUTを組むんだ、といった判断が必要なのではと思っています。
長い番手のアイアンは、UTだと考えて通常より軽く硬いシャフトでフィッティングすることも重要です。この際、クラブの振りやすさを数字で表せるMOI計の使用もプレーヤーの立場に立てば重要な指標数字だと考えています。