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「社会人になったらしたいスポーツ」はゴルフがダントツの1位

ニュース 小林勝法

オンライン授業に疲れ、外で鬱憤を晴らすことがままならぬ大学生80人余りに、「何でもできるとしたら、したいスポーツは何か」と尋ねたところ、野球10人、スケート7人・・で、ゴルフは3人しかいなかった。

予想外の結果に愕然としたが、気を取り直し、次に「大学卒業後、社会人になったらしたいスポーツは何か」と尋ねたら、ゴルフが27人でダントツの1位であった。2位がテニス12人、3位が野球7人と続く。

この落差の大きさに心底驚いた。学生は「ゴルフは社会人になったらするスポーツ」と考えており、その潜在需要が大きいことがわかった。なぜそうなのか、学生の意識構造を詳しく調査してみないと正確なことはわからないが、コロナ期は大学生にゴルフをプロモーションする好機であると考えて、筆を執らせていただいた。
                   (文教大学教授 小林勝法)

コロナ禍の今がプロモーションの好機

新型コロナウィルス感染症の拡大により3月から課外活動は中止され、新入部員の勧誘も対面ではできないまま、春学期を終えてしまった大学もある。夏休み中に活動再開ができた大学でも許可されたクラブ・サークルは限定的で、活動内容と時間も大きく制限された。

学生は、課外活動としても個人としてもスポーツをする機会がほとんどなくなっているが、三密になることが少ないゴルフは現下でもできる格好のスポーツである。行き場を失った学生達をゴルフ練習場やゴルフ場に受け入れてもらえないだろうか。大学関係者の一人として、そのことを強く望んでいる。

学生は友人と一緒に遊ぶことを渇望しており、特に1年生は新しい友人を作ることを必要としている。キャンパスライフに代わるものとして、ゴルフ練習場やゴルフ場で学生が集えるとありがたい。

ゴルフ授業の履修者は1割だが卒業後の実施は3割

大学・短大を1970年から2014年に卒業した男女900人ずつ、合計1800人から得た回答を分析したところ、大学の正課体育でゴルフを履修した男性は、近年は増えているものの、1970年卒以降では8・7%で、女性は5・4%に過ぎなかった。〈小林勝法・北徹朗「学生時代及び卒業後のゴルフ経験とゴルフへの意識に関する研究」〉

しかし、卒業後にゴルフを実施した人は、男性が29・7%で、女性が11・1%であった。ゴルフは「社会人になったらするスポーツ」という現実を表わしている。そこで、在学中からゴルフに親しんでもらうためにはどうしたらよいかを考えてみたい。

上の調査では、ゴルフの授業がきっかけとなって、在学中に授業外でも実施した比率は、男性が61・5%、女性が49・0%であった。男性の方が多いが、統計的には有意差は認められなかった。つまり、女性も男性と同様にゴルフを実施しているのである。このことから、女子学生、特にゴルフ授業を開講していない女子大学へのプロモーションが重要であろう。

そして、ゴルフを履修していない学生はほとんど在学中にはゴルフをしていない(男性4・6%、女性1・6%)。自由記述回答には以下に示すものなどがあり、授業履修がきっかけとなり授業外でも実施したケースが確認された。ゴルフの授業が在学中のゴルフ実施に大きく関係している。

・大学時代にゴルフの練習場に友人と連れだって行った経験が、現在もゴルフが続いている要因ではないかと思っている。(男性、71歳、東京都)

・体育でゴルフの授業ではなかなか上手に打てなくて、友達と初めてゴルフの打ちっ放しで練習をして授業の試験に合格できた。(女性、43歳、石川県)

・体育でゴルフを選択し、打ちっ放しに行ったりしてやり方を学んだ。大人のスポーツなので、今後にも活かせるから役に立っている。(女性、28歳、神奈川県)

男女ともにゴルフ履修者の方が卒業後の実施率も高い

正課体育でゴルフを履修した学生が、卒業後も実施した比率は、男性が53・8%で、女性が26・5%であった。授業でゴルフを履修していないが卒業後に実施した人は、男性で30・7%、女性は11・2%であった。ゴルフを履修した学生の方が、履修していない学生よりも卒業後も実施した比率が大きく、約2倍であった。自由記述回答の一部を以下に示す。

・大学時代の体育の時間にゴルフを習ったので社会人になってからゴルフを始めるときに取り組みやすかった。(男性、60歳、愛知県)

・ゴルフの基本を教わったので、卒業後ゴルフスクールに通った時に、初心者よりも飲み込みが早かった。気分転換に打ちっ放しに行ったり、家族でコースを回ったりすることもできた。(女性、53歳、埼玉県)

・体育の授業で初めてゴルフの打ちっ放しの授業があり、ゴルフの楽しさを覚え、卒業してからゴルフクラブを購入しコースを回るようになった。(男性、53歳、大阪府)

高校生の意識改革

このように、ゴルフの授業がゴルフ人口拡大に大きく寄与していることが分かるが、そもそも履修率は10%以下と小さい。これをもっと大きくするためには、高校生の意識改革が必要である。

大学進学を志望する高校3年生1000人の調査(2018年9月)では、大学体育で履修したいスポーツ種目(複数回答可)としてゴルフを選択した学生は3・7%(男子4・4%、女子3・0%)であった。これは29位で、乗馬(11・2%)やサーフィン(7・3%)より低い。なお、1位はバドミントン(33・3%)であった。

そして、全国大学体育連合が2016年に行った調査(男性1558人、女性910人回答)では、体育科目で履修したい種目(複数回答可)としてゴルフを選んだ男性は11・3%で、女性は4・6%に過ぎなかった。回答が最も多かったのは、男性は「サッカー、フットサル」(36・1%)、女性は「バドミントン」(42・1%)であり、ゴルフとは大きな差がある。〈『体育・スポーツ・健康科目の履修に関する意識調査』2017年〉

ゴルフの授業を開講している大学は数百大学あり、JGGA(日本ゴルフ用品協会)はこれらの大学にゴルフクラブを無償提供している。そして、NGK(日本ゴルフ場経営者協会)は大学生のコースデビューの機会を作っているし、ゴルマジや楽ゴルのように安価でプレイできるサービスもある。

高校3年生の意識改革からはじめ、在学中のプレイ機会の増大、卒業前のプロモーションなどの連携が取れたプロモーションが功を奏するであろう。GMAC(ゴルフ市場活性化委員会)と全国大学体育連合、PGA(日本プロゴルフ協会)は三者連携を交わし、大学生のゴルフ体験を支援しているが、これにも期待したい。


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小林勝法

文教大学教授
全国大学体育連合顧問、大学スポーツ協会理事、大学ゴルフ授業研究会世話人、筑波大学大学院修了

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