「フィッティング受けてみたいけど下手だから‥‥」
「もっとスイングが安定しないと意味がないよね‥‥」
こんな理由からフィッティングを躊躇しているゴルファーは多いかもしれない。万年初心者ゴルファーの筆者もその口だが、ブリヂストンスポーツが全国のゴルフショップで開催している「ゴルファーズドック」は一味違うという。
「上手い下手は関係ありません。体験すれば必ず変わります」という同社の強い誘いもあり、恥を承知で「ゴルファーズドック」を体験したのでレポートする。
BSの「ゴルファーズドック」とは?

実は「ゴルファーズドック」のスタートは1999年10月と歴史がある。当時は独自開発の弾道測定器「サイエンスアイフィールド」を使い、ゴルファーに最適なクラブを診断するというものだった。
その後、開始から5年で診断人数が10万人を突破するなど精力的だったが、弾道測定器も日々進化を遂げ、市場全体でフィッティングが主流になってきたこともあり、「ゴルファーズドック」も一時期休眠していたという経緯がある。
そこで昨年1月、同社の秩父センターにて新「ゴルファーズドック」の開発部隊が発足。従来のシステムを一新し、ゴルファーが最も「飛ばす」ことのできるクラブとボールを診断するという形に生まれ変わったという。
主な特徴は、結果ではなく原因からクラブとボールを提案するという点。実際に試打し弾道を解析する点に変わりはないが、弾道データはその日の体調などにより変わる傾向があるため、結果のみでフィッティングしてしまうと、その時は打てたのに後日打てなくなる事態が起きてしまう。
そこで同社が注目したのは「スイング」そのもの。スイングの根本的な傾向は簡単に変化しないため、それを診断要素に組み込むことで、よりゴルファーに最適なクラブとボールを導き出せるという。
新「ゴルファーズドック」は、スイングと弾道データの両面から診断するシステムだといえる。
「ゴルファーズドック」を体験
ボール診断

まずは、使い慣れたマイクラブ(ドライバー)にてスイングを診断する。写真からも分かるようにマイクラブのシャフトに「Mトレーサー」を応用した独自のスイング測定器を装着する。
そしてフェース面にはショットマーカーを貼り準備完了だ。この間に、検診マスターより今のゴルフの悩みなどのヒアリングがある。
基本的には3球打つが、極端なミスショットの場合は追加で打ち、その中から許容範囲の3球を選択する。

ショットマーカーを見たところ、寸分違わず3球ともヒール側にヒットするという悲しい再現性だったが、その間にも新システムがスイング傾向と弾道データを解析している。

そうこうしているうちに、システムが最適なボールを弾き出していた。筆者のバックスピン、打ち出し角を解析した結果、最も飛距離が伸びるボールは『PHYZ』か『JGR』だという。
その後、実際に該当のボールを試打することも可能だ。
クラブ診断

続いてクラブの診断に移るが、それに際して正面と、飛球線後方からのスイング軌道が表示される。

さらにフェースアングル、フェースローテーション、軌道差、しなり戻りも分析される。
その結果、最適なクラブとシャフトが診断された。筆者は9月に発売した『ツアーB X』と、藤倉コンポジットの『VENTUS』5Sか6Sが最適という結果に。広いアマチュアゴルファー向けモデル『JGR』が表示されると予想していただけに意外だった。
しかしながら同社の膨大なゴルファーの試打データと独自の解析システムを元に算出したクラブとシャフトなだけに、信ぴょう性はありそうだ。
マイクラブと比較

上の写真がマイクラブで打った3球のうち、最も飛んだデータ。弾道は右に飛んでおり、スライス傾向が見て取れる。
次にいよいよ診断されたクラブとシャフトで試打することに。実際に打ってみると‥‥

マイクラブに比べて約5ヤード飛距離が伸びており、弾道もフェードに変わっていた。にわかに信じ難かったが、結果が全てを物語っている。本当に変化が出ていた。
診断カードの受け取り

最後は診断して出た推奨ボール・クラブ・シャフトが書かれたカードを受け取り終了となる。時間にして30分程度。場合によっては基本のグリップやアドレスのアドバイスも行うという。
「ゴルファーズドック」その他の特徴

推奨シャフトは高額になることもあるため、ゴルファーの要望に合わせて純正シャフトも選択可能だという。その場合、推奨シャフトに近づけるためにチップカットなどの対応もできる。
東京、名古屋、大阪では3台のクラフトカーが来ることもあり、その場合は最短1時間でチップカットや組み立ても可能だとか。
これだけ盛り沢山で診断料は無料。4~5000円程度かかってもおかしくない内容だ。
「一人一人のゴルファーに時間をかけて診断するため、予約制としていますが、是非一度受けていただきたいです。ご自身のスイング傾向も分かりますので、より正確なクラブ選びをお手伝いできると思います」(同社)
恥をさらす覚悟で受けた「ゴルファーズドック」取材体験記だが、根本的なスイング傾向と弾道データから最適なボールとクラブが分かり実際に飛んでいた。
己を知る意味でも一度受けてみる価値はありそうだ。