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工房探訪 アフターゴルフ 県内1位の身近な成績で集客力UP

ニュース 吉村真

ゴルフ場への入口に出店 行き帰りのゴルファーを狙う

ゴルフ場からの帰り道。ギアにこだわるゴルファーが集まるのが、栃木県佐野市のアフターゴルフだ。北関東自動車道・佐野田沼ICから車で2分。多くのゴルフ場の案内板が設置される交差点に工房を構えている。26歳まで研修生でプロを目指し、その後2年間にわたり佐野市の工房で修業。10年前に独立したのが、奥さんと二人で店を切り盛りする佐藤順代表だ。

同店は開店当初、タイトリストの販売が中心で、工房は修理・リシャフトが中心だった。その後、4~5年前から地クラブ中心の店へ様変わり。いまでは売上の8割が地クラブで構成されるという。

「この場所は高速道路から降りてゴルフ場へ向かう際に必ず通るので、ゴルフ場への行き帰りのゴルファーを狙って店を構えました。当初はタイトリストが中心で、その後ダンロップやリョーマゴルフ、オノフを扱ったものの、利益が取れない時代になって地クラブを中心にしたのです。幸運にも商圏にゴルフショップはほとんどなく、ライバルがないからやっていられます」

そんなアフターゴルフの常連客は50人程度。県外からのゴルファーが7割で、競技者もいるが半数はクラブ競技一歩手前の腕前が多いという。

「私が38歳とあってか、40歳代の顧客が多いですね。会員権を持たないゴルファーが多いことも、競技層に特化しない店づくりにつながっていると思います」

とはいえ、佐藤代表は県内屈指のトップアマ。主な戦績は後述するが、そのため周囲には競技ゴルファーも多く、

「トップアマの連中は仲間なので顧客にはなりません。だからエンジョイゴルファーを中心にクラブをフィッティングしています」

そのトップアマが提供するフィッティングとは?

試打クラブ100本は無駄!? 打たせすぎは迷いのもと

「クラブを作るお客さんの意識はヘッドが第一で、それを選んで合うシャフトを購入するというケースが多いですね」

フィッティングでは、インパクト時の打ち出し角や入射角、スピン量を弾道計測器スカイトラックで計測して、シャフトを選ぶ。

「スイング全体を診てインサイド・アウトか、アウトサイド・インかにもよりますが、スピン量が3000~3500回転のゴルファーは、トップスイングでタメがなく、突っ込み気味でアウトサイド・インのスイングになる傾向が強い。そういったタイプには、タメを作ってくれる手元調子の柔らかいシャフトを勧めます」

具体的にはトライファス「レジーロ」が挙げられるが、

「1フレックス系のデザインチューニング『メビウス』やリョーマの『ビヨンドパワー』などもいいですね。女性用シャフトの男性版というイメージです」

そのようなフィッティングを行うが、店内にはドライバーだけで一時100本の試打クラブがあったという。

「打ってみないと分からないという私の主義で、月10本ペースで作りましたが、多すぎると客が迷って販売につながらない。反省しましたね(苦笑)」

多い時は10本のクラブを試打するゴルファーもいて、迷いに迷ったあげく購入しない。

「試打は3~4本で十分かも」

そんなボヤキもふと漏らす。

関東大会での上位入賞は集客にはつながりません!

先述のとおり、佐藤代表は県内屈指のトップアマで、2016年には県内アマ4競技(県アマ、知事杯、社会人アマ、県ダブルス)を制覇し、2017年は関東ミッドアマで3位に入賞した。しかし、

「関東ミッドアマ3位は、地元の下野新聞に載りません。それよりも身近な県内4競技の結果が下野新聞に載ったことで注目され、地元のお客さんが少し増えました。関東大会での上位よりも県トップの方が効果的なんですよ(笑)」

また、栃木県の知事杯争奪ゴルフ競技は、決勝大会まで4段階で予選大会も数多く開催される。そのため、ガチガチの競技ゴルファー以外も予選には参加でき、同伴競技者同士が使用クラブを気にすることも多いのだとか。

「関東大会は出場者のみんながピリピリしていて、他人の道具なんて気にしていません。一方で県内競技はレベルも予選はユルいので、他人の使用クラブを気にする。優勝すれば使用クラブも注目されます」

それが集客につながり、だからクラブ競技一歩手前のゴルファーが集まる場所となっている。

「もちろん、競技にあまり参加しないゴルファーを集客した方が、フィッティングの結果が出やすいという面もあります。競技ゴルファーとエンジョイ派の境目がなくなってきたこともあり、そのあたりを重視した経営も工房では大事だと思います」

トップアマはクラブを自身で診断できることもあり、同店の場合顧客になりづらい。狙うは、競技一歩手前のゴルファーだ。

■企業情報
アフターゴルフ
〒327-0317
栃木県佐野市田沼町368-3
TEL:0283-62-52371
FAX:0283-62-5271
HP: http://aftergolf-71.com/

この記事は弊誌月刊ゴルフ用品界(GEW)2018年8月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。


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ライター紹介 ライター一覧

吉村真

吉村真

1974年1月22日生まれ、長崎県出身。
パーツブランド、ゴルフ場経営、中古ゴルフチェーン、ゴルフ雑誌を渡り歩き、現在は「月刊ゴルフ用品界」で地クラブを中心に取材、執筆。
国内を始め、中国、台湾、米国のゴルフ用品工場の取材経験もあり、地クラブ・工房ビジネスへの有益な情報発信、国内外の製造拠点などの取材を通してゴルフ用品市場の発展に貢献したいと、東奔西走。ほかには日本ゴルフ用品協会広報委員会アドバイザリースタッフ、販売技術者資格(日本ゴルフ用品協会認定)取得。
プライベートでは1歳男児の日々の成長と格闘中。

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