『mevo+』でフルトラッキングレーダーと ローンチモニターの違いを訴求したい

『mevo+』でフルトラッキングレーダーと ローンチモニターの違いを訴求したい
フライトスコープが11月に発売した『mevo +』(26万5000円)が多機能で好調な販売実績を上げている。 販売量は非公開だが、同社の最上位機種でフルトラッキングレーダーの『X3』(190万円)は弾道(ボール)データ、ヘッド挙動など30項目が計測可能なのに対して、一方で初期弾道測定器(ローンチモニター)『mevo +』は弾道とヘッド挙動で計16項目と本格的な弾道計測器となっている。 ところでフルトラッキングレーダーとローンチモニターは大きく違い、その点をフライトスコープジャパンの二田水豪氏が説明する。 「まず、弾道測定器と一言で言っても、ローンチモニターとフルトラッキングレーダーの違いを熟知している業界人が少ないことが問題だと思います。当社では『X3』がフルトラッキングレーダー(弾道を着弾まで追尾するシステム)で、『mevo+』『mevo』がローンチモニター(弾道の初期条件で様々なボールのデータを計算値で算出しているシステム)です。 なので、フルトラッキングレーダーと言っても、室内で使用すれば、レーダーはボールを着弾まで追尾できないので、厳密にはローンチモニターとして計算値でデータが表示されます」 また、ローンチモニターの中には、レーダー方式と高速・高解像度カメラによるデータ取得の方式がある。この部分が大きな違いで、それらは使用するインストラクターや工房マンに十分に理解されていない点があるという。 また、レーダーなら商品によって周波数が異なる。『X3』などのフルトラッキングレーダーは10・5GHz(ギガヘルツ)、『mevo +』『mevo』などローンチモニターは24GHzの周波数を使用。簡単にいえば、10 ・5GHzは長い距離にレーダーが届くが情報量は24GHzと比較して少ない。一方で24GHzは短い距離しか対象物にレーダーが届きづらいが情報量は10・5GHzと比較して多いというイメージ。   24GHzなど20GHz帯の周波数で分かりやすのが、エアコンの人感センサーや自動ドアの人感センサーで、様々な分野に活用されている周波数で、照射、受信に関わるICチップやパーツが低コストで、周辺機器も充実しているため、ローンチモニターが低価格で販売されるというところにも繋がっているという。 その10・5GHzなり24GHzの周波数で取得するのは、生データではない。生データとは、フルトラッキングレーダーなら打ち出しから着弾までのすべての点でのデータだが、生データは膨大なデータ量で、弾道計測器で生データを解析して弾道の計測結果をアプリなどで表示するには時間がかかりすぎる。結果、一部を抜粋して計測結果として表示しているということなのだ。 レーダー式の弾道計測器は年々進化を遂げている。進化の方向は軽量、小型化、計測の精度向上などだが、ローンチモニターではキャディバッグに入る大きさもある。これはバッテリーの小型軽量化によるもので、一方で計測の精度も過去のビッグデータからの分析をもとに補正した計測結果を表示するなど、計測結果の品質も向上しているという。 また、同社の製品でいえば、『X3』と『mevo+』にはシミュレーションゴルフ機能が搭載されており、様々な楽しみ方ができ、1台で弾道計測器とシミュレーションゴルフが楽しめる。これについては、高額な、そして工事が必要なシミレーションゴルフの商品にとって代わる可能性もあるがあるという。 さらに、『X3』と『mevo+』はカメラも搭載。スイングを撮影する機能だが、線を引いてスイングをインストラクターが分析することが可能。 これについては、将来的にモーションキャプチャーなどを体に装着せずとも動作解析ができるようになる可能性もあり、アプリを通してビッグデータからAIがレッスンすることができることも想像できるとか。そうなると、将来的にはインストラクターが必要でなくなる時代が来るかもしれない。