ゴルファーの近くにいたいからクラフトマンへ転身
日本でも屈指の高級住宅街の港区麻布(東京都)。ロシア大使館なども近い閑静な住宅街で営業するのが、インターゴルフ工房。2020年2月から工房を切り盛りするのが小泉晃店長だ。大東文化大学のゴルフ部で鍛えられ、ゴルフ場運営会社PGMに就職。一転、もっとゴルファーと直接触れ合い悩みを解決したいと、クラフトマンに転身した。
「もっとゴルフを楽しんでもらいたい。クラブでゴルフが良くなってもらいたいという想いでクラフトマンになりました」--。
それにしても「麻布」といえば全国屈指の高級住宅街。ほとんどの顧客が近隣のゴルファーかといえば、実はそうでもないという。
「もちろん港区のお客様も多いのですが、2018年6月からはじめたブログの影響もあって、全国からの問い合わせも多いんです。遠方のゴルファーには動画を送って頂き、スイングを見てクラブのアドバイスをすることも多くなりました」
その際に注意することは、
「遠方のお客様の場合、当店が推奨する完璧なスペックが少なくなります。これまでもクレームはないですが、微妙なミスマッチを防ぐために試打クラブを貸し出すようにしています。これによりゴルファーにマッチしたクラブを提案することを心掛けています」
もちろん、来店できるゴルファーも遠方のゴルファーも、一度作ったクラブの調整は無料。その積み重ねが信用となってゴルファーの拠りどころとなっている。
インサイドかアウトサイドか 動画で見るフィッティング
先述の通り、遠方のゴルファー、遠方のゴルファーには動画でフィッティングするというが、スイングを見るポイントは何なのか?
「動画は飛球線後方から撮ってもらいます。ひとつのポイントは、テークバックでインサイドにクラブを引いているのか、アウトサイドに引いているのか。スイングプレーンの癖を見ています」
それによって何が分かるのか?
「多くのゴルファーは飛ばしたいという想いが強く、テークバックをインサイドに引きすぎる傾向が強いようです。なので、合わないクラブ、特にシャフトの性能を見極めて、シャフトのしなるポイントを変えてアドバイスしてますが、具体的には秘密です(笑)」
小泉店長自身が大学ゴルフ部出身ということもあり、動画を見てスイングに関してワンポイントアドバイスをすることもあるというから、来店できない全国のゴルファーからの問い合わせも増加中。それに加え、1年ほど前に新設した完全個室の試打室が、新たなゴルファーを集めているという。
完全個室50分2500円 買わずに練習&調整できる
昨年1月、空き室になった隣のテナントを借りて、完全個室の試打室を設けた。スカイトラックなどを完備し、試打室があることで試打クラブも充実。試打クラブを使ったフィッティングで、成約率も高まったという。また、試打室を50分2500円で練習場として貸し出している。
「外からは見えないスペースなので、有名人が来店することもあります(笑)。それはともかく、練習に使って頂き、調整だけを依頼されるゴルファーが増えました。弾道計測器もありますから、自分のスイングやクラブを確認してもらって工房で調整します。『打たせてください』『クラブが合っているか見てください』と、自分のクラブを持って来店されるゴルファーが増えました」
工房は一部のコアゴルファーの憩いの場という位置づけもあるが、ゆえに「入りづらい」「敷居が高い」といわれる。その敷居を下げたのが試打室の開放だ。
「地クラブのドライバーは高額なものが多いですよね。当店でも1本10万円以上がほとんどです。だから、誰でも新たに地クラブのドライバーに手を出せないと思います。それが、試打室を練習場として使ってもらえれば、ちょっとした調整ならすぐにできます。それで工房の敷居が下がっていると思います」
一般的なゴルフ工房は取扱商品も地クラブが中心で、ゆえにギアにうるさいゴルファーの溜まり場になりかねない。売っているものも高額だから、入店しづらい。それを払拭するのが試打室の有効活用だ。
「クラブを買わないで練習する、調子が悪ければ調整する、というところからスタートしたら、ゴルファーに利用してもらえています。僕自身もゴルフの調子が悪いとクラブを調整しています(笑)」
そんな工房が全国各地に増えると、工房のイメージアップにも繋がるだろう。
■企業情報
インターゴルフ工房
〒106-0044
東京都港区東麻布2-14-2 1F
TEL/FAX:03-6277-8557
HP www.inter-golf.com