アドウェルがガラスコーティング剤『ハドラス』をゴルフ業界に展開してから5月で5年目となった。
今や取扱店舗数は全国1000店舗以上。年間施工件数は50万件以上を数える。さらに昨年9月、製造元の株式会社ハドラスがゴルフクラブにガラスコーティングを施す特許を取得した。
そこで同社の富山暁社長に『ハドラス』の「今」と「これから」を聞いた。
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年間10億円の市場を新たに作った『ハドラス』
まずは会社設立5期目ということでおめでとうございます。
「ありがとうございます。『ハドラス』をゴルフ業界に提案して5年目ということにもなりますが、最初の2年間はとにかく全国を走り回っていました。最初はなかなか販売店にも理解してもらえなかったし、私自身も店頭に立って接客しましたが、お客さんから『そんなの信用できないよ』って言われたり(笑)」
大変でしたね。軌道に乗り出したのは3年目からですか?
「はい。逸早く二木ゴルフさんが取り組んでくれた。その後徐々に取扱店が増えて今では1000店舗以上になります」
年間の施工件数は?
「販売店さんから共有してもらっている施工件数から見積もって、年間50万件以上です」
50万件! それはすごいですね。
「施工平均単価が2000円だとしますと、50万件×2000円で、年間10億円以上の売り上げになります。私もメーカーの営業を30年やってきましたが、ゴルフ用品市場は値引きの世界なんです。ところが『ハドラス』によって、逆にお客様からお金をいただく付加ビジネスが成立し、何もなかったところに年間10億円の市場ができた。昨今、SDGsが叫ばれていますが、新しい市場を作り、継続しているという意味で『ハドラス』はそれに通じる部分があると思うんです」
確かにそうですね。
「とは言え、累計施工件数が15万件に迫る二木ゴルフさんでさえ、新品クラブへの施工率が50%未満。それに、まだまだ取り組みができていなかったり、スタッフに『ハドラス』の付加価値が浸透していない取扱店もあります。逆に言えば20億、30億と、まだまだ伸びしろのある市場だということです」
まだ成長しそうですね。
「それと『ハドラス』施工はリペアだと思われがちですが、本質は少し違っていて、例えばグリップ交換はお客さんからお願いされるものですが、『ハドラス』は販売店側から声かけをしないと成立しない。つまり声かけの中身、質が重要で、販売の基本はそこだと思うんです。能動的に動くことで店の空気も自然と変わるから、チームワークも生まれるし、店全体に活気も出る」
お客さんとしてはそういう店で買いたくなりますね。
「はい。長年ゴルフメーカーの営業部門一筋でやって参りましたので店に入った瞬間にその店の空気は何となく分かります。そういう意味でも『ハドラス』はお客さんにも店にも良い循環をもたらすと思います」
ゴルフ用品を研究しつくしたガラスコーティング剤
そんな『ハドラス』ですが、競合も出てきたのでは?
「それは競争社会では当然のことなので否定しません。ただ私が心配しているのは、有機物を含むような車用のガラスコーティング剤をそのままゴルフ用品に使っている事例も存在しているということです」
それは問題なのでしょうか?
「一口に『ハドラス』と言っても、実は20種類以上あるんです。その中からウッド系ヘッド用、シャフト用、アイアン・パターヘッドの錆止め用、ゴルフシューズなどの革製品用、抗菌・抗ウイルスの『ドクターハドラス』と、それぞれに最適な4種類を選定して、施工方法も研究に研究を重ねて今の形にしているわけです。そこまでしても、年間50万件の施工件数があると、数件はムラや変色の事例が出てくる。大半は施工順序の間違いなどが原因ですが、それをまた取扱店、製造元、当社で共有して正しい施工方法の再周知や、場合によっては勉強会もしています。『ハドラス』でさえそこまでやっているわけですから、ゴルフ用品を研究しているとは思えない車用のガラスコーティング剤をそのまま塗ったら何が起きるか分からないわけです」
確かに問題ですね。特許侵害で訴えるなどの対策は?
「そういうことよりも、ゴルファーに迷惑をかけたくないということの方が大きいです。それに万が一、そういうガラスコーティング剤が原因で何か起きてしまい、『ガラスコーティングそのものがダメ』と思われたら、販売店と一緒に築き上げてきた市場が崩れてしまう。ここまでやってきた以上、私もこの市場に責任を持たなくてはいけない。安いからいいやということではなく、ゴルファーのために本当に安心できるガラスコーティング剤を勧めていく必要があると思っています」
最近は他社のガラスコーティング剤が直接ユーザーに販売されている場合もありますね。
「実は『ハドラス』も『自分で塗るから直接売ってほしい』という問い合わせがゴルファーから入ります」
『ハドラス』もそうすれば利益が出るのではないですか?
「それは絶対にやってはいけません。『ハドラス』の市場は販売店と一緒に作り上げてきたものだし、施工は技術を要するもの。私も来年還暦ですが、これからは儲けようではなく、業界に貢献できないかということの方が重要です」
新たな取り組みへ
これからの『ハドラス』の展開方法を聞かせてください。
「実は今、マンガを使って『ハドラス』を周知しようと考えています」
え? マンガですか?
「私も昭和の人間なのでマンガを下に見ていました。でも、『進撃の巨人』や『鬼滅の刃』など、マンガが世界発信のツールということは明らか。しかしこれが読み物だとそこまではいっていないと思います」
確かにマンガだと自然に頭に入りますね! 面白い!
「そうなんです。『ハドラス』に限らず、ゴルフ関連の色々なものにマンガを効果的に使えば、分かりやすく伝わるはず。例えば工房の敷居の高さや入りにくさの軽減にも応用できるかもしれません。 メーカー勤務時代から感じていたことですが、カタログ一つにしても機能をカッコよく並べますが、本当にゴルファーがそれを見て分かっているのだろうかと。つまりゴルフ業界はカッコよくモノを作ろう、売ろうとしすぎだと思うんです。今、若いゴルファーが増えてきて、さらに日本人がマスターズを制覇して業界に追い風が吹いている。今だからこそ分かりやすくゴルフを伝えるべきです」
具体的な活用方法は?
「これを店頭のリーフレットなどに使うわけです。もっと簡単に『ハドラス』を理解してもらえる。文字だけの説明書が多い中、パッとリーフレットを開いたらマンガが出てきたら面白いじゃないですか!」
何だか楽しそうですね!
「『ハドラス』はお客さんの大切なモノを長く綺麗に守るもの。若いゴルファーが増えている今だからこそ、社会性を持った訴え方をすべきだと思うんです。『ハドラス』の市場をさらに成長させて業界がもっと潤えばと考えています」
ありがとうございました。
■お問い合わせ
アドウェル
03-6403-9881
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