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豪雪地帯の活性化にスノーゴルフ

ニュース 向井康子

今年2月、「冬にしかできないゴルフもある」をキャッチフレーズに北海道美唄市で行われた「スノーゴルフ」は6年目を迎えた。国の特別豪雪地帯に指定されるこの地区では、かつての「いかに雪を克服するか?」から「親しみながら雪を観光資源として活用する」発想への転換で、さまざまな取り組みが実施されている。

「冬の間、雪解けまでクローズせざるを得なかった北海道ゴルフ場での豊富な雪を利用した日本初の取り組みに期待」、「ゴルフ以外にも地域企業、地域住民の協力のもと、地元食材を使うなどの地域活性化が見込める」などの理由から、GOLF5カントリー美唄コースとGDO共同開催のイベントとして、「スポーツ文化ツーリズムアワード2017チャレンジ部門」の入賞を果たした。

西條慎一支配人(当時)は、
「通常のゴルフでは、スコア向上を目指して一打一打と真剣に向き合い、失敗すると落胆する表情が多いのですが、このイベントでは皆さんフランクで、ミスショットすら楽しみに変わっているように見えます。普通では考えられない環境でゴルフをしている、という体験そのものが魅力。美唄の自然を感じながらゴルフを楽しめる環境を、今後もつくりたいですね」

と語っていた。「あたらしいゴルフの形」を織り込みながら地域活性化にも貢献したい、それがGDOのいまの想いだ。

「SNS映えしそう!」と北海道のみならず関東圏からもインスタゴルフ女子が集結

ゴルフは天候、気温、風など、常に自然との戦いだが、雪ともなればそれは想像を絶するほど

。事前に何日かをかけて圧雪して地盤を固めるが、イベント前日の夜に雪が降り続けて、朝起きたらフェアウェイがなくなってしまったことも。このときは早朝からコース管理スタッフが出勤して、数時間をかけ圧縮作業を行ったので事なきを得たが、運営スタッフは冷や汗ものだった。

イベント中に吹雪が激しく降り続いたときは、人工芝を設置したグリーンが一瞬にして埋まるため、マイナス10度の中、スタッフがほうきを片手にかかりきりで雪を払う作業に追われた。

一方、雪が少なすぎる場合もやっかいだ。これは「札幌北広島ゴルフ倶楽部」での出来事だが、芝がうっすら見える程度の量しか降らず、圧雪をすると雪解けの後に芝生に影響を与えてしまう懸念があり、デリケートなコース管理を必要とされた。

とはいえ、白銀の上でゴルフができる非日常感は格別なもの。開放的な白い世界で、声を上げて盛り上がる友との交流。雪ならではのハプニング。芝生の上で18ホールをこなす通常のゴルフとはひと味違う楽しみが、「スノーゴルフ」には存在する。

「雪でゴルフができない人たちにも、ゴルフができる喜びを提供する」目的でスタートしたこのイベントは、いつの間にか地域に根付いて独自の発展を遂げつつある。

昨年6月、観光庁はコロナ禍で急速に進む生活様式の変化に伴い、国内外の観光客が安心して楽しめるよう、地域が一体となり整備を行うことが重要と考えて「誘客多角化等のための魅力的な滞在コンテンツ造成」における実証事業を支援すると発表した。

スノーボードウェアとスノーブーツでスイング! 雪で足場が安定しないが慣れれば楽しめる

公募が採択され、「ステイびばい推進協議会」が主体となり、美唄市にロングステイを目的とした滞在型体験交流プログラムの造成と定着の事業として「スノーゴルフ」を含む宿泊パックプログラムの実施にこぎつけた。これにより、ゴルフメディアやインフルエンサーを誘致し、さらなる情報発信と認知拡大を目指す目的だ。参加した矢野経済研究所の三石茂樹さん(50代)は、「東京からの訪問であれば可能な限り滞在日数を長くしたいので、他の自治体との連携が理想的。長期滞在型のワーケーションプログラムがあればベスト」と感想をのべた。

■ニューゴルフ 参加者のコメント

参加理由とゴルフ界への苦言を聞いた。()内は年齢とゴルフ歴。

越澤慎太郎さん(30代・14年)
スノーゴルフは今年で5年目。札幌在住なので冬はゴルフができない、純粋にコースに来たいから参加しています。ゴルフはドレスコードのハードルが高い。まずはゴルフを好きになってもらうのが先決だし、カジュアルなコースと名門コースのすみわけが必要。

武岡加奈子さん(30代・5年)
スノーゴルフは楽しいけど、いつものゴルフは初心者とわかるとオジサンがマウントをとってくるので怖くて気軽に行けない。後ろから突然「走れよ」と怒鳴られたこともあり、それ以来上手な友達と一緒に行くようにしています。いまゴルフをしている人は、本音では若い人には来てほしくないんじゃないかと思いますね。

あおい夏海さん(30代・8年)
スノーゴルフはSNSで「映えそう!」と思って参加しました。ゴルフもスノーボードみたいに「ヘタでもできる」環境が必要。クラブやシューズはもちろん、ゴルフウェアも高いから、コースでレンタルできて手ぶらで行けるといいな。最初は18ホールだと疲れるから9ホールだけとか。

板橋瑠美さん(30代・1年10か月)
最初は雪の上でどうやるの!?って思ったけど、意外にできた。コロナ禍で密にならないスポーツだし、家でごはんを食べた後にやることがないので練習場にいくと、以前よりも混んでいる。スポーツクラブもニーズに応じて色々な形態がある。閉鎖したコースを若い子向けにリニューアルして、パンケーキやアサイーボウルとか食べられるようにしてほしい。


この記事は弊誌ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2021年5月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。


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向井康子

ゴルフダイジェストオンライン(GDO)でゴルフ用品のバイヤー、編集を経て、現在は新規事業推進のための海外事業の立ち上げに携わる。日本ゴルフジャーナリスト協会副会長。

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