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ゴルフを中核に置いてアート&ウエルネスを追求 小淵沢アートヴィレッジ リゾート&スパ

ニュース 小川朗

コロナが教えてくれたのは、ステイホームの危うさだった。都市部での「巣ごもり」生活は、人の生命力を弱めることも分かってきている。そこで注目されるのが、大自然の中で豊かな時間を過ごすニューライフスタイル。ゴルフを中核にして美術館・乗馬・テニス・釣りなどができるアートヴィレッジが山梨・小淵沢に完成しつつある。新たな「ゴルフプラスアルファ」を構築し続ける中村和男氏に、話をきいた。

大自然の中で心身共に健康に

八ヶ岳、南アルプス、富士山と、素晴らしい景観を見ながら、こういうテラスで仕事ができたら最高ですね。

中村 気持ちいいでしょ? コロナのせいでステイホームと言われて家にいて、それが安全のように思われていましたが、実はそうじゃなかった。精神的なものと、人の動きはリンクしていて、巣ごもり生活では生命力がなくなってしまうことも分かってきました。それでうつになってしまう方もいる。

一日中家にこもってリモートワークでは気も滅入ります。テレビは暗い情報ばかりですし。
中村 そういう状況が体にも精神的にも良くないことが分かってきました。一方で今、ゴルフ場が予約が取れないほどの人気になっているのは、どういうことか。コロナによってゴルフの素晴らしさが、再認識されてきたからですよね。

確かに、こうした大自然の中で、のんびりできることが大切だな、と感じます。

中村 ゴルフ場に来れば自然と触れ合えて、ソーシャルディスタンスを取りながら友達と、コミュニケーションできる。それはある意味刺激的で、人間にとって生命力を高めるのにいい事も分かってきました。

それはうれしいですね。

中村 小淵沢はゴルフを中心にウエルネスとアートというテーマを掲げています。大自然の中で、一人一人が持つ生命力を復活させる場所にしたい。

ゴルフを真ん中に置いて、プラスアルファを探していくのがこの連載のテーマです。連載1回目にふさわしい内容になってきました。ウエルネスは単に健康と訳してはいけない言葉ですよね?

中村 健康とか不健康とか、そういう概念ではなく、精神的、身体的にも活力を持つイメージと捉えて下さい。ウエルネスと言うのはハピネスと結びつく。それを追求していくうえで、ゴルフを中核に置くと、実にピッタリくるんです。大自然の中で、
会話を楽しみながらお酒も飲めて、おいしいものを食べて、お風呂に入ってリラックス。それなら泊まれた方がいいですよね。

次の日の朝はハーフだけ回ってリモートワーク。仕事が済んだら夕食前にハーフでも、6ホールでも、3ホールでもいいから回るというのも選択肢のひとつ。足の悪い人でも、カートに乗ればゴルフを楽しめます。小淵沢は、雨の日でもフェアウエーに乗り入れ可能です。疲れていたらバンカーやアプローチ、パットの練習だけでもいいですし。

そういう生活が送れたら、心身ともに健康になれそうです。

中村 ウエルネスとともに、もうひとつの軸としてあるのが、アートです。アートが人間を救うという面がありますよね。国難の中で、人はアートから勇気をもらった。精神と肉体はリンクしていますから、単に体を休めていればいい、動かなければいいというものではない。アートとウエルネスも、人間にとって最も大事なところで、また密接な関係にあるわけです。

都市部とリゾート地の2拠点居住


キース・へリング美術館はその象徴となる施設ですね。キースの持つ色彩感覚とデザインは、人を元気にしてくれます。

中村 アートとウエルネスは、デジタルやAIでもできない分野として、改めて人間にとって最も大事なところだと認識されているわけです。動物はアートを持ってませんし、ゴルフをしませんし(笑)。究極は精神的な満足度。そこで大事なのは、ゴルフにも楽しめる要素を入れられるか、だと思います。

この大自然の中に、美術館を建てるという発想は、どういう形で生まれたのですか?

中村 今、世界の国々では都市部の便利なところに美術館を建てるのではなく、不便ではあるけれども、自然環境の素晴らしい郊外に建てている例は少なくありません。むしろそうしたところに建てて、地域の核になるような存在にしているんです。

雑踏や騒音があふれる都会よりも、ゆったりと時間が流れる大自然の中で芸術作品に触れるというのは、それだけで心が豊かになる気がします。小淵沢は、まさにそういうところですね。

中村 私は最初、ここに乗馬をしに来ていたんです。母校(山梨県立甲府一高)の強行遠足(甲府~小諸間105キロを、徹夜で歩く伝統行事)もこの近くを通りますし。そのうちにニューヨークに行く機会が増えまして、キース・へリングの作品に巡り合い、集め出すようになったんです。

へリングと言えば、ニューヨークのポップアートを代表するアーチストですね。

中村 (アンディー)ウォーホールや(ジャン=ミシェル)バスキアとともに一時代を築いた作家です。私がキースの作品を面白い作品だと感じた頃、ニューヨークのポップカルチャーは、軽く見られている部分があったように思います。でも感性でものを見ると、10年かかって描きあげられた作品よりも、3秒で描いた作品の方が心に残ることもありますよね。私は達磨絵に心惹かれるんです。平安室町あたりの作品や鳥獣戯画などもいいですよね。今、日本のマンガが世界に注目を浴びているのもとてもいい。

私たちが受けた美術教育も、そうした視点に欠けている気がします。

中村 大正時代にフランスから帰って来た人たちが推奨した画家たちばかりになってしまった感は否めませんよね。伊藤若冲など、日本には自信を持っていい作品が山ほどあるのですから、自分が心から感じるものを大切にしてほしいですね。

日本のゴルフ文化も高級志向に偏っていた気がします。接待ゴルフの文化は18ホールをきっちり回らなければいけなかったり、失礼のないように気を使ったりと、とかく堅苦しいものになりがちでした。

中村 コロナの後には、ニューエコノミー、ニューライフスタイルの時代が来るわけです。私の仲間もハーフマリガン(ハーフに1回打ち直し可)というローカルルールで、わいわい楽しくやってます。初心者にはダブルパーまででそのホールはOKとか、優しい特別ルールを入れてもいい。エチケットとマナーさえ守っていただければ、自由にやっていいと思います。スロープレーはいけませんが、それも街中を歩く感覚で、流れを止めないことに気をつければいいだけの話ですから。

人の動きが、都市部の一極集中から地方分散型へとシフトしています。それもリモートワークの普及がもたらした一面のように思います。

中村 そうですね。都市部とリゾート地の2拠点居住という選択肢も出てきます。小淵沢という場所は、そうしたライフスタイルに応えられる場所だと確信しています。

■取材後記

今回登場願った中村和男氏は、医薬品開発支援を行う東証一部上場企業を率いる事業家でありながら、小淵沢アートヴィレッジ リゾート&スパを経営する株式会社アルテミスのオーナーでもある。

ホテルや美術館の経営は、本業とは全くかかわりのない、個人的な事業だという。

中村氏は約20年前、子会社のあるアイルランドで行われた国際会議に出席した時、それまで見たことのない光景を目にして、衝撃を受けたという。

「ホテル(カートンハウス)にはゴルフ場も乗馬クラブもあり、午前中にゴルフをして、午後から会議。世界中から集まって来た参加者の皆さんは家族も連れてきていて、それぞれ自由に楽しんでいました」。

中村氏の凄いところは、その考えをスピーディーに実現してしまったこと。「元々小淵沢には、乗馬をしに来ていたんです。2005年にご縁があり、ここに美術館を建てることになりました。それだけではなかなか収支が合わないということでレストランを作り、ホテルを建てテニスコート、乗馬クラブと広がって行きました。ゴルフ場を7年前に購入してからはアート&ウエルネスのヴィレッジ構想の実現を目指してきました。今では、この周辺の宿泊施設に100名近くが泊まれます。お父さんがゴルフをしている間、家族は釣り堀や乗馬クラブなど、色々な場所で遊べます」。

海外で実現している「カントリークラブライフ」がここにある。「ゴルフだけが人生じゃない。私の親友もアメリカのセントアンドリュースという古いクラブのメンバーですが、そこでは結婚式もできますし、ふだんは家族や友人と食事をしたりと、クラブライフをエンジョイしています。人生の中にゴルフがあるけど、ゴルフだけが人生じゃない。そこに集まる人脈と、冬はスキー、夏はゴルフと、自然の中で楽しむ。多様性と自然との共生。ここが大事ですよね」。

中村氏はこうも言った。「大都会のマンションの中に一人でこもっていることの不自然さ。それがコロナ禍によって分かったんです」。

それとは真逆の、大自然の中でのニューライフが小淵沢には、ある。ゴルフプラスアート&ウエルネス。ゴルフは、心も体も豊かにする。

■データボックス

小淵沢アートヴィレッジ リゾート&スパ
▶山梨県北杜市小淵沢町10060
▶アクセス/中央道小淵沢ICより5km  中央本線小淵沢駅・中央高速小淵沢BS(徒歩圏)
▶総敷地面積37万坪(うちゴルフ場30万坪)
▶標高1150m(母胎内の気圧に近い)
▶日照時間日本一(年間2500時間超)
▶点在型ホテル(合計100室以上) 【ホテルキーフォレスト北杜】6室のみの高級ブティック型アート&リゾートホテル。
【ロッジキースプリング八ヶ岳】 Jazz LPレコードミュージアム、24時間利用可貸切源泉掛け流し温泉、テニスコート・フットサルパーク併設。
▶レストラン【カントリーレストラン キースプリング】乗馬文化に合わせカウボーイの集まるステーキレストランをイメージ。2Fは予約ゲスト用フロア。
▶小淵沢カントリークラブ 18ホール、全天候カートフェアウエー乗り入れ可。天然芝のアプローチ練習場、バンカー練習場完備。
▶中村キース・へリング美術館 「光」と「闇」をテーマに、世界で唯一キース・ヘリングのコレクションのみを展示する美術館。
など


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ライター紹介 ライター一覧

小川朗

小川朗

山梨県甲府市生まれ。甲府一高→日大芸術卒。82年東スポ入社。「世界一速いゴルフ速報」の海外特派員として男女のメジャー大会など通算300試合以上を取材。同社で運動部長、文化部長、広告局長を歴任後独立。フリージャーナリストとして本誌を始め、日刊ゲンダイで「ホントにゴルフは面白い!」(毎週金曜日)を連載中。

終活ジャーナリストとして「みんなの介護」でも連載中。日本自殺予防学会会員。週刊誌、ニュースサイトなど各方面に執筆中。㈱清流舎代表取締役COO。東京運動記者クラブ会友。日本ゴルフジャーナリスト協会会長。

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