真夏のゴルフ、少しでも暑さを避けるポイント

真夏のゴルフ、少しでも暑さを避けるポイント

2021年8月は「多雨涼夏」

今夏、特に8月に入って異例の天候が続いている。世間では「多雨涼夏」とか「2度目の梅雨」などと言われている。8月12日には北海道稚内市で2.6℃を記録し、8月前半としては128年ぶりの冷え込みを記録した。また、北海道幌加内町では8月7日に33.7度の真夏日を記録したが、午前5時前の気温が3.4度であり、30度以上もの気温差だったとされている。 北海道では2年前(2019年)の5月26日に39.5度を記録し、観測史上最高気温を観測している。この日、道内ゴルフ場で36歳の男性が熱中症の症状で救急搬送後死亡した。この男性はゴルフ場に頻繁に訪れていたが、経験したことの無い暑熱環境下でのプレー中に死亡したとされている。 この年にはファン付ウエア市場が急成長したとされるが、暑さ寒さ対策において、これまでにない発想や観点、アイデアがますます求められているだろう。

ゴルフ場内の「暑さ」調査

予報では「2度目の梅雨開け」は8月25日頃になるらしい。雨の多い2021年8月だったが、数日間、過ごしやすい天気があった。 8月20日(金)、都下某所では曇り時々晴れ(最高気温33度、最低気温23度)と予報されていた。ゴルフ日和のこの日、筆者はゴルフ場内の「暑さ」について調査した。

「少しでも暑熱回避する」ゴルフ場での行動のポイント

筆者は、3年前(2018年)に真夏のゴルフプレー時の特徴として「グリーン上では帽子内温度が急上昇する」特徴を明らかにしている。 そして、真夏の暑熱環境下でのゴルフプレーの際、特にパッティング前後に留意すべきこととして、 ①グリーンでのプレー前後にはこまめに水分や塩分を補給する  ②パッティング前やグリーン上では少なくとも1回は帽子を被り直して通気する ことを提言したが、ここ1-2年の猛暑を経験すると、グリーン上だけでなく、プレー中の全て時間において、少しでも暑さから逃れることを意識しながらのプレーの必要性を感じている。 https://jgja.jp/201810235157/

ゴルフ場で極めて暑い(熱い)場所

①バンカー

気温30℃程度の日でもバンカー内は50℃近くにまで温度が上昇する。真夏のゴルフでのバンカーショットは、集中して1回で出したいところ。 自分の打つ順番が来るまでは、木陰で待機するか、できるだけフェアウェイに近い場所で待つ方が、バンカーの熱の影響を受けにくい。

②カート道路

カート道路はバンカー以上に高温になる。特にアスファルトタイプのカート道路は気温30度程度の日でも60度近くにまで上昇する。 轍のみコンクリートタイプの道路でも50℃近く上昇し、近くの芝の温度も高い。真夏のゴルフにおいては、カート道路近くを歩くのは避けた方が無難だろう。

③階段などゴムマットが敷いてあるところ

ゴルフ場内には、滑り止めや人工物の衝撃吸収材としてゴムマットが敷いてある部分がある。特に利用することの多い「階段」の温度も想像以上に高くなる(39.8℃)。 暑さから少しでも逃れ体力を温存するためにも、階段は素早く昇降することをおすすめする。その意識がスロープレー防止にも繋がるのかもしれない。

真夏のゴルフ場に涼しい場所はあるか?

<2021年8月20日の八王子市内の某ゴルフ場での一例> ・時刻:14:32分 ・気温:31.2℃ ・WBGT:28.1 ・風速:0.61m/s ・放射温度:

ゴルフの「プレー特性」と「熱くなる場所」を理解して安全なプレーを

筆者らの研究で、滞在時間(止まっている時間)の長い、グリーン上で帽子内温度が急上昇することを明らかにしている。ティーインググラウンドも似た状況になる可能性がある。 ゴルフ場内で、特に、バンカー、カート道路は暑い(熱い)。また、歩いて移動する場合は、ラフよりもフェアウェイを進むことをおすすめしたい。 ゴルフ場は平らではなく起伏があるため、日光が当たる角度によっても温度上昇が変わってくる。測定した日は、「猛暑」ではなかったが暑かった。心地よい風も比較的多く吹いていたが、18ホールラウンド後は疲れを感じた。マスク着用しながらのラウンドで喉の渇きを感じにくいこともあり、水分補給の回数も少なかったかもしれない。 コロナに猛暑が重なったが、今夏のゴルフ場は賑わっている。「2度目の梅雨開け後」も、暑熱回避しながら安全にゴルフを楽しんで頂きたい。