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東京ドーム70個分の広大な森に 展開する総合リゾート施設の実力

ニュース 小川朗

コロナ禍において、ゴルフは密にならず、屋外で感染リスクも低いことからその良さが改めて見直された。同じ理由でキャンプ場も盛況となっている。今、その両者に注力しつつ総合リゾート施設へと変貌を遂げているのがリソルの森。ウィズ・コロナの社会で、ゴルフ場はこれからどこに進んでいくべきなのか。同社の佐野直人社長に、現地でじっくりと話を聞いた。

抜けるような夏空に、ぽっかり浮かんだ入道雲。スイスのレマン湖をかたどった大型プールでは、子供たちが歓声を上げながら水しぶきを上げていた。その脇に並んだ、テントの白さが目に染みる。

リソルの森は100万坪の広大な森林の中にゴルフ場45ホール、プール付きのグランピング施設、フォレストアドベンチャー・ターザニア、ホテル、メディカルトレーンニングセンター、研修施設、レストランなどが点在する総合リゾート施設。木々を抜けて来る風がさわやかだ。

ちょうどこの日、10棟のテントキャビンがオープン。すでにあった8張りに加え、18のグランピングテントが稼働を開始したところだった。佐野社長がこう話す。

「テント自体、ウチがオリジナルで開発していますし、コンクリートの基礎を打って快適性はどこにも負けない自信はあります。元々ホテルをやっていますので、よりホテルに近いサービスを提供しています」。

確かにこれはキャンプの域を超えている。室内は冷暖房完備で、ベッドやソファー、照明などの調度品が揃いホテル並みの快適さ。それでいてアウトドアの爽快感が同時に味わえるのだからたまらない。

トップシーズンとあって、BBQの夕食を含む1泊2食付きの値段が1人あたり10万円を超えるプランもあるが、予約は順調に埋まっている。「開発時からランドスケープを考慮した」(前出の佐野社長)景観を含めば、時節がら海外旅行に代わる選択肢として、富裕層がお得感を感じるのも無理はない。

それにしても、鮮やかすぎる変貌ぶりと、うならざるを得ないタイミングの良さだ。しかしこのグランピング施設、コロナ禍を視野に入れて開発されたものではなかった。
「グランピング施設の建設が計画に上がったのは、2018年ごろだったと思います。あの時点でゴルフ場単体としての中長期的な展望は、決して明るいものではなかった。いずれ右肩下がりになるとすれば、それに対応していくには、ホテルリゾート部門の強化策が必要でした。そこで上がって来たのがグランピングだったのです」(佐野社長)。

施設の核となっている真名カントリークラブの歴史は古い。長柄ふるさと村総合開発を土台にホテル、別荘、スポーツ施設一体型のリゾート施設としてオープンしたのは1976(昭和51)年だから、45年前だ。

1978年の日本プロ王者で、11勝を挙げた小林富士夫が契約選手だったことでオールドファンにもおなじみのコースだが、1985年にオープンしたエアロビクスセンター(現・メディカルトレーニングセンター)はカール・ルイスやベン・ジョンソン、セルゲイ・ブブカなど世界のアスリートがトレーニングに訪れたことで世界的な知名度を得た。

さらに1996年の10月にはグランドスラマーの「南アの黒豹」ゲーリー・プレーヤー設計の18ホールが加わり、45ホールの大型ゴルフ場にも成長し、その後1997年にミサワリゾート株式会社(現・リソルホールディングス株式会社)が経営を引き継いだ。

感染拡大でゴルフとキャンプが人気に

もともと、単体のゴルフ場にはない強みがある。充実した宿泊・研修施設を使用する企業研修や総合運動場・プール・テニスコート・体育館を使うスポーツ選手・スポーツ団体のトレーニング合宿も大きな収入の柱になっていた。

2007年7月には、20代を中心とした若者をターゲットにした自然共生型アウトドアパーク「フォレストアドベンチャー・ターザニア」も加わり、多角化に拍車がかかっていく。

一方で悩ましい課題もいくつかあった。企業研修は安定した収入はあるものの、すでに飽和状態。「4月の新入社員研修、9月のフォローアップ研修、それに役員研修は時期が決まっていて、キャパの上限にもあるのでそれ以上取れない。それ以外の時期に独自の『チーム力を高める研修』なども行って、伸ばせては行けていましたが、単価が高いわけじゃなく、そこまでブランド力を高めるほどの収益力はなかった」事情もあった。

年間11万人が訪れるゴルフ場として知名度は高かったものの、ここでさらなる多角経営化に舵を切る必要があったわけだ。

そんなタイミングで、新型コロナウイルスの感染拡大。ご多分にもれず、週末のドル箱だった企業関連のコンペは、真名でも一気になくなった。佐野社長が昨年春の危機的状況を振り返る。

「3、4、6月は、例年コンペが最も入る時期。緊急事態宣言でそれがなくなりました。企業コンペは4割を占めていましたから、その影響は大きかったですね」。

しかしそんな状況でもグランピング施設の準備は粛々と進められた。一方で感染対策をして、スループレーを導入するなどしている頃、テレワーク生活で体を持てあました若者を中心にしたビジネスパーソンがゴルフに注目。ゴルフ練習場やゴルフ場が活況を呈し始める。

7月にグランピング施設がオープンすると、さらに風向きが変わっていく。グランピングのテントキャビンだけでなく、ログタイプのコテージ27室も密にならない宿泊施設として注目度が上がり、稼働率は100%に近づいて行った。

そしてもうひとつ、コロナ禍で注目を浴び始めたのが2拠点居住。通勤の必要性がダウンして、首都圏一極集中から地域分散型の動きが出始めている。

その動きに対応できる施設がリソルの森にそびえる16階建てのシンボルタワー「TRINITY書斎」だ。100室のうち53室が住居、47室が客室として利用されている。

「外房線の誉田駅から無料シャトルバスで約20分ですし、車はインターチェンジから5分ですので、東京へも十分通えます」。

 ワーケーションの場所としても、うってつけだ。「10泊しても飽きない施設です。質を上げて、バリューを上げていくことが、大事だと思っています」(佐野社長)。

リソルの森ほどプラスアルファの選択肢が豊富なゴルフ場は、今のところない。

■取材後記

帰る途中でオープンしたばかりのグランピング施設を撮影するために立ち寄った。そこにスタッフとの打ち合わせのため佐野社長が自ら運転して駆けつけてきた。行動派のリーダーであることが、その仕事ぶりから伝わってくる。猛暑日とあって、その額には玉の汗が浮かんでいた▼「10泊しても飽きない施設」と佐野社長は胸を張ったが、ゴルフ場に加えそれぞれ性格の違う多彩な施設を運営する会社のトップの大変さを垣間見た気がした▼2000年秋から場内に実験的にキャンプサイトを開設し、これまでの熟年層のメンバーシップゴルフに加えて、若年層によるキャンプとゴルフのマッチングという新しいニーズの掘り起こしにもチャレンジしてきた。その甲斐あってかゴルフ場には、20代の若いカップルも目立った▼プールを中心にしたグランピング施設には子供連れも多かった。ホテル併設の分譲マンションにはシニアも多い。その盛況ぶりは、ゴルフ場の総合テーマパーク化が生き残りの道であることを、如実に物語っていた。

■データボックス

Sport & Do Resort リソルの森
▶住所&電話番号
〒297-0201 千葉県長生郡長柄町上野521-4
TEL: 0475-35-3333(9:00~17:00)
▶アクセス
《車》「板倉IC」「茂原長柄スマートIC」約5分。
《電車》
JR外房線「誉田駅」南口から無料シャトルバス約20分。
▶グランヴォー スパ ヴィレッジ
《テントキャビン》 森-MORI- 7棟 
ラク・レマン-LAC LEMAN- 8棟 
《テントキャビンプレミアム》 森-MORI- 1棟 ラク・レマン-LAC LEMAN- 2棟
《グランピングヴィラ》 4室
《テラスハウス》 27室
《グランテラス》 11室
▶スパ
天然温泉 紅葉乃湯 準天然温泉 長柄カルナの湯
ラク・レマンプール リラクゼーション 
ウエルネス・リトリート
▶ゴルフ 真名カントリークラブ
真名コース27ホール
真名ゲーリー・プレーヤーコース 18ホール
ドライビングレンジ2階建て48打席 230ヤード
アプローチ練習場
▶MTC メディカルトレーニングセンター
《屋内》多目的体育館・フィットネスルーム・ダンスルーム・室内200mトラック・室内プール
医療法人財団 健康医学研究会 リソルクリニック
《屋外》テニスコート4面 400㍍全天候トラック
フィンネンバーン(ランニングコース)第1グラウンド140m×100m 第2グラウンド135m×95m アーチェリー場
▶キャンプサイト 53区画
▶フォレストアドベンチャー・ターザニア
▶レストラン
和食処 翠州亭 レストラン ブローニュ
レストラン スポール  THE GRILL(真名店)(GP店)


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ライター紹介 ライター一覧

小川朗

小川朗

山梨県甲府市生まれ。甲府一高→日大芸術卒。82年東スポ入社。「世界一速いゴルフ速報」の海外特派員として男女のメジャー大会など通算300試合以上を取材。同社で運動部長、文化部長、広告局長を歴任後独立。フリージャーナリストとして本誌を始め、日刊ゲンダイで「ホントにゴルフは面白い!」(毎週金曜日)を連載中。

終活ジャーナリストとして「みんなの介護」でも連載中。日本自殺予防学会会員。週刊誌、ニュースサイトなど各方面に執筆中。㈱清流舎代表取締役COO。東京運動記者クラブ会友。日本ゴルフジャーナリスト協会会長。

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