PLAY SPEEDGOLF!!

PLAY SPEEDGOLF!!
1979年に競技がスタートし、2000年頃から米国を中心に多くの大会が開催されたといわれる「スピードゴルフ」。2012年に「バンドンデューンズ・ゴルフリゾート(オレゴン州)」で初の世界選手権が開催されたのを見て、GDO石坂信也代表は「これだ!」とひらめいた。ゴルフ業界発展の前に立ちはだかる「お金がかかる。時間がかかる。難しい」の三大課題を軽減し、敷居を低くする活動の一環として、2014年に「利根パークゴルフ場(茨城県)」で「第1回日本スピードゴルフ選手権」を開催した。 スピードゴルフは、18ホールのスコアとランニングタイムを足したスピードゴルフスコア(SGS、1分=1打)を競うハイブリッドスポーツで、1970年代に始まり、2000年頃より米国を中心に多くの大会が開催されるようになった。開催コースによって距離や地形などの条件が異なるため、単純な記録の比較は難しいが、世界記録は2015年のオーストラリアでマークされた、スコア76+ランニング32分の合計108:00。日本記録は2014年に松井丈選手が記録した、スコア76+ランニング46分31秒の合計122:31だ。 普及させるためには継続が必要不可欠なので、翌年以降の開催コースを探し始めたが、お願いをする先々で「ゴルフ場で走るの? だめだめ、そんなのメンバーが嫌がるよ」と門前払いをされる日々。これからのゴルフ業界のために新しいゴルフスタイルを提案しているつもりが、当事者側からすれば理事会の意向や、守るべきものの方が大きいのだと感じた。 [caption id="attachment_68398" align="aligncenter" width="788"] 夕日に映える、スピードゴルフ初体験を終えた参加者の晴れ晴れとした表情[/caption] 2017年より、BSフジがニュースポーツとしての可能性を見出し、「スピードゴルフオープン」と「芸能人スピードゴルフ王決定戦」を大々的に放送してくれたことは、競技の認知拡大と普及にとって大きなターニングポイントだった。加えて、2019年にゴルフ規則が34年ぶりに大改訂されて追い風が吹いた。競技人口の減少を食い止めようと、難解で複雑な規則を易しくし、プレー時間を極力短くしようと世界のゴルフルールを決めるr&Aが重い腰を上げたのだ。「ピンはさしたまま」などの新ルールは、伝統あるゴルフルールが、「スピードゴルフのルールに追い付いた」形となった。 セグウェイ導入で話題を集めた「アジア取手カントリー倶楽部」や、日本では珍しいスルー方式を取り入れる「ワンウェイゴルフクラブ」など、一歩先行くコースとの相性は抜群。マラソン同様、ベストシーズンは気温が低い真冬なので、閑散期にイベントができることも好材料だ。最近では、ゴルフ場から「開催してみたい」と問合せが入るようになり、関東中心だった大会を全国に拡大していく予定。 [caption id="attachment_68399" align="aligncenter" width="788"] 「スピードゴルフオープン2020」で、松井丈選手の7連覇を阻み初優勝を果たした北村征大選手(右)[/caption] 「ゴルフに明け暮れろ」。一年で最も長い夏至の日に、一日中ゴルフを目一杯楽しみたいという想いから生まれたアディダスゴルフシューズのローンチイベントが「GDO茅ヶ崎ゴルフリンクス(神奈川県)」で開催された。ランニングシューズをベースに開発された「ソラソン(SOLARTHON)」のサステナブルな取り組みや、機能性と快適性を実感すべく、参加者は早朝のビーチクリーンにはじまり、製品説明を経て、手押しカートで9ホールを3周ラウンドし、上がり3ホールでは「スピードゴルフ」を体験した。 夕日を背に、参加者全員が最後のプレーヤー(ランナー)へ声援を送る。マラソンのゴールさながらに、最後のパットを入れると同時に倒れこむ姿に、惜しみない拍手が送られる。全力で走り切ったプレーヤーの晴れ晴れとした顔を見て、新しいゴルフのカタチが少しずつ定着してきているのを実感した。