グローブライドは9月4日、『ONOFF KURO』シリーズのドライバー、フェアウェイウッド、ユーティリティ、アイアンを発売した。今作のテーマは「重ヘッド」。軽量化に伴いスピードで初速を出す昨今のドライバーに対して、重量で初速を出していく開発思想が特徴だ。
デザインもマスタードカラーを取り入れ一新している。そこで、新宿御苑ゴルフスタジオ主催の坂本龍楠プロが同シリーズのドライバーを試打。その性能を解説する。
[surfing_voice icon="https://gew-web.com/wp-content/uploads/2019/10/photo_sakamoto-ryunan.jpg" name="坂本龍楠プロ" type="l big" bg_color="eee" font_color="000" border_color="eee"]1981年生まれ。神奈川県出身。オーストラリアへ留学してゴルフを学び、2011年「日本プロゴルフ協会」ティーチングプロ合格。自身が運営する新宿御苑ゴルフスタジオでは身体に負荷のかからないスイング理論が好評を博し、公式YouTubeのチャンネル登録数は9万5000人を超える。著書には「逆説のゴルフ」などがある。[/surfing_voice]
動画で解説
早速、『ONOFF DRIVER KURO』を試打してみたいと思います。まず構えてみると460㏄の大型ヘッドで安心感がある一方、パワートレンチの溝があることで視覚的にバックフェースが短く見えるので小ぶりなヘッドに感じます。
またパワートレンチのトゥ側の溝がフェース面に平行ではなく右に逃げたデザインになっているので、左に行かず叩いていけそうなイメージが湧きますので、中上級者には好まれるのではないでしょうか。
マットカラーもヘッドをコンパクトに見せる効果があり好印象です。
打ってみましたが、打音は低く、打感も軟らかくフェースにくっつくような感じですね。インパクト時間を長く持てるような感じが手に伝わってきます。弾道は見た目とは裏腹につかまった良い球でトータルは247・8ヤード、初速は69・6出ました。アゲインストの打ち上げですがしっかりと球が前に飛んでくれます。
「重量」でエネルギーを出す
昨今のドライバーヘッドは軽量化が進み、シャフトも硬く軽いものが増えてきています。これは飛ばしの方法が「スピード重視」になっているのが理由です。
ただ、飛ばしの要素は「重さ×速さ」なので、今作の『ONOFF DRIVER KURO』のように「重量」でエネルギーを出すことは飛ばしの一つの方法だと言えます。
具体的には3か所のウエイトスクリューを自由に交換することでヘッドを重くすることができます。重量配分も含め私なりにカスタマイズした結果、ヒール側を12g、バックフェースを1g、トゥ側を2gに変更しました。
重さを感じ過ぎないようにグリップエンドのウエイトも変更できるので、こちらは5gに変えてみました。
ウエイト変更で飛距離13ヤードアップ
早速ウエイトスクリューを変更して打ってみましたが、球が前に進む力が強くなっているのが分かりました。初速も70・9と速くなりましたし、飛距離もトータル261・1ヤードと13ヤード伸びました。
ドロー&フェードに挑戦して操作性を検証
続いて操作性を検証すべく意図的に球を曲げて打ってみました。マットなカラーとパワートレンチのデザインで実際の体積よりも小ぶりに見えるので、打ち手のフィードバックとしては操作しやすいような印象になります。
ただ、実際にドローとフェードを出そうと思って打ってみてもほぼ真っすぐな弾道になりましたので、むしろヘッドの直進性能が証明された形です。
球筋に関してはウエイトスクリューを変えることで理想の弾道にすることができるので、その機能を使った調整法の方が分かりやすいと思います。
ONOFF DRIVER KUROを総括
ドライバーヘッドが軽量化する中、ゴルファーは速さで飛距離を出す必要があります。
もちろんヘッドスピードの速い方は恩恵を受けられますが、それが難しい方にとっては、『ONOFF DRIVER KURO』のように重さを利用して効率良く打つクラブを使うのも飛距離を伸ばす一つの方法だと言えます。
それと鉛を貼っているアマチュアゴルファーもいるので、1~12gまでのウエイトを自在に組み合わせられるのは非常に便利だと思います。形状もオーソドックスで癖がないので中上級者はもちろん、比較的広い層にマッチすると私は考えます。
■試打クラブスペック
ヘッド:『ONOFF DRIVER KURO』ロフト10.5度
シャフト:『ONOFF CBT:622D』フレックスS