地元中学生の「職場体験」でゴルフ場はいつも大人気

地元中学生の「職場体験」でゴルフ場はいつも大人気
有馬カンツリー倶楽部では毎年、兵庫県教育委員会が進めている中学2年生の職場体験学習「トライやる・ウィーク」に参画している。 「トライやる・ウィーク」は、1995年の阪神淡路大震災、1997年の神戸連続児童殺傷事件を機に、中学生に働く場を見せて学習させようという趣旨で、1998年度からスタートした。職場体験、福祉体験などを1週間行う活動だ。 県内の公立中学校に通う2年生を対象としているが、有馬CCでは2000年度より、隣接する三田市立ゆりのき台中学校の2年生を受け入れている。さらにここ数年は、各事業所に送る最大人数の10名を受け入れている。 三田市内では73ヵ所の事業所で受け入れているが、弊社はその中でも抽選になることが多く、人気の事業所となっている。2024年度は、5月27日(月)から31日(金)にかけて実施した。今年はサッカー部、野球部、バレーボール部に所属する運動部系の元気な男子生徒10名がやってきた。 学校からは、事前に各自の行動目標を記した書面をいただいている。そこには人間関係や礼儀、接客、裏方の重要性を学びたいなど、それぞれしっかりした目標が書かれていた。そして、いざ活動開始。 行動目標に書かれているように、全員が真剣に職業体験に取り組んでいる印象を強く受けた。弊社では例年、半日だけではあるが、ゴルフ体験の時間を設けている。 体験活動後のお礼状には、仕事で得られた経験もさることながら、ゴルフ体験が楽しかったという感想が多く書かれていた。 スポーツ大好き少年たちにとって未知のスポーツ体験はとくに楽しい。それが先輩から後輩へ受け継がれ、毎年定員いっぱいの人気の要因となっている。

将来の従業員確保も

「トライやる・ウィーク」は弊社にとっても、とても大きな価値ある取り組みだ。地元に住む少年たちにゴルフ場での職業体験やゴルフ体験を実施することで、将来ゴルフを始める最初のきっかけづくりや、アルバイトを含めた将来の就業場所として考える選択肢のひとつになるのではないかと考えている。実際に〝トライやる・ウィーク〟がきっかけとなり、アルバイトキャディーになった大学生もいる。 現在、地元での就業を考える上で、ゴルフ場が選択肢となる人の数がとても少なくなっているように感じる。日常生活とゴルフ場がかけ離れているため、行ったことも見たことも入ったこともない場所を、いきなり就業場所に選ぶことは、まずないと思えるからだ。 弊社は、大阪・神戸のベッドタウンとして人口が増えたニュータウンに隣接している。だからこそ、近隣住民との日常生活における距離感はとても遠いと感じている。 そもそも、従業員の多くが近隣地域の住民だ。近隣地域を大切に考えている姿勢を内外に分かりやすく伝え続けていくことは、事業継続において最も重要な事項といえる。 地域行政や自治会等の取り組みに対して積極的に参画して地域交流を深めることで、近隣住民との距離感を縮めていく。 そうすることで、ますます困難となっている雇用問題の解消にもつながるのではないかと考えている。 [caption id="attachment_83969" align="aligncenter" width="788"] トライやる2024-(予定表)[/caption]
この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2024年10月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら