三菱ケミカルは2月、『Diamana RB』シリーズ(4万4000円)を発売した。2004年に立ち上げた同社のフラッグシップブランド『Diamana』は、20周年を迎え、そのシリーズも第6世代に突入した。今作は、『Diamana WB』、『Diamana BB』に続く第3弾となる。そこでティーチングプロの常住充隆氏が同シャフトを試打。特徴を徹底解説する。
【動画】『Diamana RB』を常住充隆が徹底試打
球をつかまえながら上げやすいシャフト
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『Diamana RB』シリーズ[/caption]
常住 『Diamana』シリーズというと私の中では、元調子でしっかりタメを作れるシャフトというイメージです。ただ今作を打った第一印象は、良い意味でトルク感を感じます。おそらく球をつかまえながら、上げられる特性があるのではと思います。
まずは多くのゴルファーのど真ん中のスペックである53Sから試してみました。データからも分かるように、若干カットに当たったため、スピンが多めに入ってフケると思ったのですが、その割にはスピン量が3199回転と、思ったよりも少なく、フェードでフェアウェイのセンター付近に着弾しています。おそらく一般のアマチュアゴルファーのヘッドスピードであれば、よりスピンと打ち出しが適正になると考えられます。
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53S 1球目[/caption]
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53S 2球目[/caption]
シャフトの挙動としては第一印象通り、ダウンスイングからインパクトにかけて中間から先端がマイルドに動く感覚があり、非常に球を上げやすいです。ただ、インパクト直後からは球を押しながらシャープにシャフトが走ってくれる感じです。走ると言っても、左に行ってしまうような嫌なつかまり感ではないということは弾道結果からも分かると思います。
「押し走る」動きでドローもフェードも打てる
常住 続いて重量を落とし、43Sを試打してみました。ヘッドスピードは少し抑えて打っていますが、やはりシャフトが走ってくれるので、自然と振れてヘッドスピードが上がります。インパクトからフィニッシュまで「押し走る」ような感覚です。
実は私の場合、走り感のあるシャフトを打つと、通常はスピン量が多めに出て、球がフケてしまうことが多いんです。そのため今回も数値上は若干スピン量が多いのですが、弾道を見ると、意外にも中低弾道に収まっており驚いています。その意味でも今作は通常の先が撓るシャフトとは違い。適正弾道に補正してくれる効果もありそうです。
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43S[/caption]
右を恐れず簡単に球をつかまえられる安心感があるので、逆にプロや上級者は右に逃がすことも容易にできます。もちろんスライス傾向の方にはドンピシャです。
フェアウェイウッドに装着して3番ウッドの苦手意識を払拭
常住 前述したように、『Diamana RB』は心地良いトルク感を感じられるシャフトです。ダウンからインパクトにかけてマイルドに動いて、インパクトから先は球を押しながら走ってくれるので、球をつかまえやすく、上げやすいシャフトだと思います。

頭を残して左に壁を作りながらスイングするゴルファーは、左手の甲が上を向いたままインパクトしてしまうので、球がドロップしたり、プルフックになる傾向が強い。そういう方にとっては自然と球を上げてくれる今作は最適だと思います。
またスペック間で振り感を揃えており、実際に53Sと43Sでもそこまで動きに差がありません。そのことからもフェアウェイウッドに装着するのも面白いと思います。特に3番ウッドは、球が上がらず苦手な方が多いので、ドライバーと合わせて今作を入れてみてほしいですね。
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