日本の距離計市場に本格参入の「R2G」とは?
桑木野 今年の「ジャパンゴルフフェア」では、距離計メーカーの積極的な出展が目立っていました。特に気になったのが、私の好きなオレンジ色をブランドカラーとしてブース全体を纏った「R2G」でした。
ブランドアンバサダーが人気の女子プロ、イ・ボミで、本人が来場して行われたトークショーや撮影会の盛り上がりは盛況で、日本市場への本格参入のメッセージが強く伝わってきました。
その中でも新製品のハイブリッド距離計『R2G MATE HYBRID』は、レーザー距離計のボディに1.78インチの大型AMOLED(有機EL)のディスプレイを内蔵。ファインダー内は赤と緑の2色OLEDで見やすいです。私が長らく推奨している「距離計の二刀流使用」を過去のものにしそうな1台2役の優れたハイブリッド距離計という印象でした。
またデザインへのこだわりも強く感じました。一般的にレーザー距離計はプラスチック感を感じる製品が多いのですが、この『R2G MATE HYBRID』は、メタリックの質感があってカッコ良く、所有感があります。白とグレーの2色展開ですが、パールホワイトのような白が気に入りました。
【動画】『R2G MATE HYBRID』をゴルフ場でテスト
測距地点からピンまでの残り距離を自動表示
桑木野 早速、コースでテスしましたが、「君の二刀流推奨は古いぞ!」と言われているようでした。
これまではウォッチ型のGPS距離計をベースに、ピンを直接狙う距離や気になる箇所があるときにレーザー距離計で実測を測るという使い方をしていました。それぞれの弱点を相互に補完するイメージです。それに対し『R2G MATE HYBRID』は、まさにレーザーとGPSそれぞれの得意な機能を取り入れて絶妙に掛け合わせているのです。
特に「これ使える!」と感じたのが、1か所を計測すると、そこからグリーンセンターまでの「残り距離」を自動で教えてくれる機能です。
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測距地点からピンまでの残り距離も自動表示[/caption]
1番ホールは550ヤードと長いロングホールでした。ティーショットの目印になる吹き流しを普通のレーザー距離計と同じように測ると、ファインダーの中に傾斜を加味した推奨距離と角度、直線距離が瞬時に表示されます。それと同時にGPS距離計のディスプレイには、測った距離に加え、測った地点からグリーンセンターまでの残り距離も表示されます。レーザーで測距したデータをGPSに反映して残り距離を導き出すハイブリッド距離計ならではの機能です。これは優れものです。
例えば、ドッグレッグホールでグリーンが見えなくて不安になることがありますが、そんな時に吹き流しなどの目標物までをレーザーで1回測距すれば、GPS画面でコースの全容がわかるのです。確実に事前インプットの情報量と精度が変わってきます。
レーザーの情報をGPSに反映「MATE PIN VIWER」
桑木野 さらに、リアルなピン位置に移動する「MATE PIN VIWER」という機能も便利です。ピンまでの距離をレーザーで測距すると、GPSのディスプレイのピン位置がその日の実際の位置に移動します。
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左上:「MATE PIN VIWER」使用前/右下:「MATE PIN VIWER」使用後[/caption]
それまでグリーンセンターまで162ヤード表示だったのですが、測距すると139ヤードに変わり、グリーンのイラスト上のピンがぐーんと前に移動してきました。21ヤードの差。もしかすると2番手違うクラブを選んでいたかもしれません。
独自の「Aimingガイドライン」も面白い機能でした。2打目地点に到着すると目の前の小山と大きな木が邪魔をしてピンフラッグが見えませんでした。その時、ボールの上に立って、体の前でGPSディスプレイを見ながら動かすとグリーン方向を知らせる点線が現れます。先まで走って、打つべき方角を目視して戻って来る必要がなく、その場ですぐに方向を定めてアドレスが取れました。
またセカンド以降はコースのイラストが自動で拡大され、グリーンまでの必要な情報を見やすくしてくれるのも気が利いています。
最大4人まで連続測定! 3点間距離測定「MATE MODE」
桑木野 さらに便利だなと感じたのは最近の距離計でトレンドである3点間距離測定の機能です。とは言えこれまで私が体感したものとは異なり、この機種の「MATE MODE」はハイブリッドならではの利点を生かした独自の機能でした。
まず、本体上部の3つのボタンの真ん中にある「MATEボタン」を押します。ファインダー内の右上に三角形が表示され、Aまでの一辺が点滅したら、まずはピンフラッグを測距します。すると今度はBまでの一辺が点滅するのですが、ここからがこの機種のすごい点で、そのまま4個のボールを連続で測距することができるのです。
すると側面のディスプレイには、4人それぞれの位置からピンまでの距離がA~Dで表示されます。例えばカート横の1か所から上手な人がバラバラな位置の全員分のピンまでの残り距離を教えてくれれば、それまで3本のクラブを持って行っていたケースが2本か1本で済み、スムーズにプレーできるでしょう。まさに「MATE」(仲間)でプレイするのに最適な機能です。
グリーンアンジュレーションにも対応予定
桑木野 『R2G MATE HYBRID』はアプリと連携すれば、推奨番手のディスプレイ表示やスコア管理・分析などの機能も使えます。また今後は日本のコースもグリーンアンジュレーションの色分け表示に対応していくようです。今年1年で「R2G」がどれくらいの日本のゴルファーに認知され、実際に手にしてくれるか楽しみです。一番の注目メーカーと言って間違いなさそうです。
■お問い合わせ
株式会社R2GPEOPLE JAPAN
TEL:03-6820-3874 メール:info_jp@r2gpeople.com
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