~野暮だよあんた~その17 オーガスタの女神は見逃さない

~野暮だよあんた~その17 オーガスタの女神は見逃さない
ゴルフの技術やスコアの良し悪しは評価に直結するものではありません。当たり前の話ですが、まず『人として』どうなのか、なのです。マウント取ったり、ニギりの無理強いをしてはいけません。ゴルフが上手くてもなんにも偉くありません。ゴルファーにとっての最高の賛辞は「また行きましょう」と言われること。そのために避けるべきは『へぼ』じゃなく『やぼ』。ゆめゆめ油断なさらぬよう。 【改革なくしてなにが伝統ぞ】 女性への暴力、脅迫、窃盗などの罪で実刑判決を受け二度服役した犯罪者でも、歴代王者だからアルゼンチンのアンヘル・カブレラに出場権はある。だが、マスターズ委員会も『紳士のスポーツ』と言い張るならここは頑張りどころだったはず。なのに「ビザがおりたから」で逃げた。結果、前途有望な若者に与えられたかもしれない一枠を無駄遣いし、伝統あるメジャー大会の価値を損ねた。 もちろんセカンドチャンス云々というのはわかる。が、それなら本人に言い含めるべきだった。「せめて反省してるフリをしてくれ」と。しかし彼の口から出たのは「権利を行使しただけ。なにが悪い」と、更生感ゼロの自己弁護。被害者やゴルフ界への謝罪ではなかった。そんなんだからゴルフは軽んじられ、スポーツとして扱ってもらえないのだ。 しかし、女神の怒りも手伝ってか、件の男は11オーバーであっさり予選落ち。最後にはたゆまぬ努力と謙虚さがものを言うのである。ああよかった。マキロイおめでとう。ローズありがとう。