ニコンイメージングジャパンはゴルフ用レーザー距離計『COOLSHOT』(クールショット)シリーズから、『COOLSHOT PROⅢ STABILIZED』と『COOLSHOT 50i GII』の新製品2モデルを発売した。これにより、現行の機種も含め各ゴルファーのニーズに合わせて4モデルから選べるようになった。
そこで、距離計マイスター「くわっきー」こと桑木野洋二氏がゴルフ場で4機種を使用。その性能を徹底解説する。
【動画】『COOLSHOT』シリーズ4機種をゴルフ場で徹底解説
くわっきーがゴルフ場で新製品2機種を含む、『COOLSHOT』シリーズ4機種を徹底比較した。動画で観てもらいたい!
手ブレ補正が代名詞 『COOLSHOT PROⅢ STABILIZED』
桑木野 「手ブレ補正=STABILIZED」を商品名に入れた『COOLSHOT PROⅢ STABILIZED』を4機種の頂点に据えたラインナップ。4年ぶりの改良で3代目となった最上位機種を手に取ると直感的に強さを感じた。
カラーチェンジに加えて、ボディーがやや直線的になった気がした。相変わらずのコンパクトなボディー(102×74×42㎜)の手元は黒くラバーコートされた部分が広がり、ホールド感が強まった。

驚くべきは測距速度。「COOLSHOT」史上最速の0.1秒で瞬時に測距が完了する。2色OLEDの明るく鮮明なファインダーを覗きながらピンフラッグに向けて構える。「STABILIZED」でブレずに目標物を捉え、赤い十字の周りに緑の丸い輪が点灯。と同時に本体が振動して測距完了を知らせてくれる(ロックオン機能)。視覚と感覚でサインを感じ取れるからピンフラッグ奥の木を測る等の測定ミスが避けられるだろう。

また、基本性能として1200ヤードまで測定できるポテンシャルを持っているのでコースでは余裕の計測。目標物の距離に関わらず一定の速いレスポンスを実現する。これらの機能が瞬時に稼働し、ラウンド中に的確な情報を提供してくれるのだ。
「ブレない、さらに速い。」
「まばたきより速く、打つべき距離を正確にとらえる。測れたことを振動で知らせる。」
と、広告コピーも性能向上に応じて進化し、その絶対的な存在感は3代目になっても健在だった。
より際立つ個性に 『COOLSHOT 50i GII』
桑木野 4シリーズの中で最も個性的なのが『COOLSHOT 50i GII』。前作から登場した『50i』は、ボディーカラーもグレーでワイルド感が漂っている。ホームページでは「スポーティーなフォルム」とあるが、私は「ワイルド、アウトドア」という印象を受けた。

ボディーサイズもひと回り大きく(115×80×41㎜)なり、がっちり掴んで構える姿が相応しい。その象徴的な機能がボディー側面に内蔵されたマグネットだろう。腰から専用ポーチを下げることが苦手なゴルファーには嬉しい機能だ。

使用しない時はカートの金属部分に貼り付ける。強さがあるから移動しても落ちることはなさそうだ。ショット後、地面に置いた『50i GII』をアイアンヘッドにくっ付けて拾い上げれば、置き忘れることもないだろう。※

測距完了は、赤い輪が点灯し、本体が振動して教えてくれる(ロックオン機能)。直線モード時のLEDサインが真ん中寄りに配置され、より分かりやすくなった。日本の光学機器メーカーの高い性能と繊細な心配りは認めつつも、人と同じものは持ちたくないこだわりのゴルファーに最適な、個性の強い「Nikon」製品である。
※心臓ペースメーカーなど医療機器の使用者はこの製品を使わないでください。医療機器の故障や事故の原因となることがあります。
※本体の内蔵マグネットにて磁性金属に取り付ける場合は、しっかりと固定されていることを確認してください。振動や衝撃により落下する可能性があります。
手ブレ補正をお得価格で 『COOLSHOT LITE STABILIZED』
桑木野 3つ目は、その名前の通りの機種だ。最高峰モデルから一部機能を省き、価格を押さえたコスパ重視モデル。今回はモデルチェンジしていないが、それだけ「Nikon」の誇る手ブレ補正機能に価値があるということの表れだと思う。

内部表示は黒。意外と日差しの強い夏場は黒の方が見やすい。ブレずに狙えてすぐにとらえる「STABILIZED」機能を一度体感したゴルファーは、レーザー距離計には絶対に欲しい機能だと考えるに違いない。
良さはわかっているけど予算オーバー。そんなゴルファーにとって、コスパ重視モデルの存在は偉大だ。この『LITE STABILIZED』と、2つ目の個性派『50i GII』がほぼ同じくらいの価格で販売されている価格戦略も興味深いところだ。
コンパクトでも侮れない 『COOLSHOT 20i GⅢ』
桑木野 4つ目は、エントリーモデルと呼ぶにはもったいない高性能なシリーズ最小軽量モデル。ポケットに入れてもプレイに支障のないコンパクト(91×73×37㎜)サイズで、重さも軽量な約130g。

距離計の二刀流推奨派の筆者には嬉しいサイズ感だ。それでいて、測距完了をロックオン機能が本体の振動で教えてくれるし、高低差の計測モードもワンプッシュで切り替えができる。
他のシリーズと同様に、ボタンを押し続けると最大約8秒間の連続測距ができる機能もついている。
まだレーザー距離計を手にしたことのないゴルファーや、日本のメーカーに絶大なる信頼感を持っているゴルファーには、満足度の高い商品だ。
リーディングカンパニーの信頼
桑木野 2019年のゴルフ規則改訂以来、距離計はアベレージゴルファーにも浸透し、欠かせないゴルフギアとなった。その間、国内外の多くの企業が参入し競争が激化。新たな付加価値やハイブリッド型の登場など、進化は止まることなく、まさしく群雄割拠の状態と言える。
それでも「Nikon」が多くのゴルファーに支持されているのは、レーザー距離計の先駆者であり、日本を代表する光学機器メーカー「Nikon」ブランドが長い時間をかけて築き上げてきた信頼だと思う。
今回のテストで改めて、その技術力、「手ブレ補正=STABILIZED」の凄さと強みを体感することができた。
「COOLSHOTの進化は、止まらない。だから私はニコンを選ぶ」という上田桃子プロの新しい広告コピーを信じてもいいな、と感じさせる4機種のラインナップだった。
■ゴルフ用レーザー距離計『COOLSHOT』スペシャルコンテンツ
https://nij.nikon.com/sp/coolshot/