簡単セッティングで本体だけでも使用できる『Approach R50』 HDMI接続で大画面表示も可能

今回はガーミンの弾道測定器『Approach R50』(アプローチR50)です。持ち運べるサイズで、10 ㌅のカラーディスプレイを本体に備えていて、PCやタブレットなど外部機器不要のオールインワン設計が特徴です。実際に置いてみるとシンプルでスタイリッシュ。バッテリーで約4時間稼働し、本体だけで弾道測定が可能です。
これは大きな利点で、通常の弾道測定器ではPCやモニターなど、さまざまな機器の電源を入れる必要があり、使用するPCも高性能なゲーミングPCが求められるため、費用も高くなります。その点、シンプルなのが一番の利点だと思います。ガーミンジャパンの酒井直哉氏は、
「本体のみで完結するシンプルな設計と、直感的に扱える操作性が魅力です。さらに、HDMIポートから外部のモニターやプロジェクターに直接接続することで、大画面に映し出すこともできます」
この接続方法も便利な点でPCやタブレットに接続して使用する機器は、不具合が生じた際の原因究明が難しくなりがちだからです。また、設置に関してもボールから約50㎝離して正面に『R50』を置くだけ。ディスプレイの左下の電源ボタンを押して起動します。測定前の設定も簡単で、タッチ操作で練習モードを選び、フィールドや使用クラブを選ぶだけで開始。アライメントを調整したい場合は、2つのボールを使ってターゲット方向を設定することができます。
計測20項目の表示は入れ替え可能 シミュレーション機能も備え計測もラウンドも実にリアル

実際に弾道測定すると、弾道に関する14 項目、クラブステッカーをフェース上部に貼ればクラブに関する6項目、計 20 項目が計測可能で、ボールを打ってから測定結果が表示されるまでが非常に速いことにも驚かされました。
「3つのハイスピードカメラを搭載し ていて、弾道測定の精度にも自信が あります」(酒井氏)
そして、画面に表示する項目を自由に入れ替えることができるので、ユーザーが重要と思う項目を見やすく配置することができます。表示画面は弾道マップやボールインパクトなど4タイプで、画面を2分割して表示することもできるそうです。インパクト動画も表示でき、インパクトの瞬間を視覚的に確認できるのも練習には非常に便利な機能です。
加えて、世界約4万3000コース対応のシミュレーションゴルフ機能も『R50』の特長です。本体の画面だけでもコースを表示できますが、HDMIでプロジェクターやモニターに繋げば、本格的なシミュレーションゴルフ機器同様にプレーが楽しめます。実際にラウンドしてみましたが、グラフィックもキレイで、反応速度も速く、ボールの飛び姿もリアル。タッチパネルで打ちたい方向、コース上の狙いたい場所の目印を動かすこともでき、そこまでの距離も表示されます。また、ラフに入ると飛距離が10%減少したり、風速などの設定も可能なので、高額なシミュレーターに引けを取りません。
加えて、パッティングまで対応しているので、シミュレーションゴルフの用途でも十分な機能を備えていると言えます。このシミュレーションゴルフ機能は有料サブスクリプションとなりますが、月額1180円、年間1万1800円で約4万3000コースが楽しめるというのが頼もしい。また、ガーミンのGPSウォッチの「グリーン傾斜情報」機能などと共通のサブスクなので、複数のガーミンデバイスを所有する場合はより費用対効果が高いと感じるでしょう。
『Approach R50』は機能十分で低コスト導入が可能だからインドアでの新たな定番になる

簡単な設置・操作の弾道測定器であり、サブスクでゴルフシミュレーターとして使える『R50』のターゲットは初期費用を抑えて新規開業を目指すインドアゴルフ施設や、低コストで弾道測定器やゴルフシミュレーターの入れ替えを検討している既存のインドアゴルフ施設だと思います。
理由は『R50』が弾道測定器であり、サブスクで全世界約4万3000コースをプレー可能なゴルフシミュレーターの機能を併せ持ちならが価格が85万8000円と手頃だからです。そして何より、『R50』は弾道測定器として20項目を計測でき、その精度や反応速度も優れており、シミュレーターとしても弾道の再現性やグラフィックの美しさなど、インドアゴルフ施設に求められる性能を十分にクリアしています。これらの点も、『R50』がインドアゴルフ施設に最適な理由です。
昨今、高額機器を導入するインドアゴルフ施設も見られますが、過度な投資はゴルファーの利用料金に反映されやすく、結果的に集客が難しくなり、経営を圧迫する可能性があります。経営面でも『R50』のインドアゴルフ施設への導入は大きな意味があると思います。
もちろん、『R50』は工事不要で設置できて簡単な操作で使用できるので個人宅や福利厚生の設備としてもオススメできます。ただ、十分な性能と直感的な扱いやすさ、取り回しの良さを備える『R50』は、個人ユース以上に今後のインドアゴルフの定番機種になるはずです。
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なお、この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2025年6月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。