本稿は前回のつづきです。
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ゴルフ産業需要調査研究所の山岸勝信代表は、全国の人口統計をベースに地域別のゴルフ市場需要予測を行ってきました。しかも、Excelを使って、長年一人で。そこで当社は同社と提携して「2020年モデル」を作成。山岸さんの知見に、データ分析が得意な当社メンバー吉田広章君の力を加え、より効果的な分析を進めました。Excelでは時間や手間がかかり過ぎてできなかった分析まで、可能になったのです。
WEB画面上で、分析結果を簡単に閲覧できることもその効果のひとつですが、山岸代表が一番喜んだことは、対象エリアを変化させたときの「変化」をすぐに見られるようになったことです。前回同様、福島県いわき市のほぼ中央に位置する練習場・荒川ゴルフクラブのデータを見ながら解説していきます。
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図7[/caption]
来場者の「期待可能範囲」を5kmから30kmまで、5kmおきに指定できるように設定しました。ここから同じような図表が続きますが、範囲の違いでどのように変化するのかを実感しやすくするため、敢えて省略せずに全部紹介します。
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図8[/caption]
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図9[/caption]
まず30kmの様子を見てみましょう。30kmはかなりの距離です。交通量が多い都心部では、30km離れた練習場に行くことはまずないでしょう。その30km圏内での「期待可能来場回数」です。範囲が広くなると人口も増えますが、競合練習場も増えるので、期待可能来場回数が増えるかどうかは地域によります。
続いて25km圏内での様子です。30km圏内と比べると少し期待可能来場回数が増えています。この地域では30kmも25kmも練習場の数はほぼ変わりません。競合練習場数は範囲によって微妙に変わる地域もあるので、順位の入れ替わりが生じます。
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図10[/caption]
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図11[/caption]
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図12[/caption]
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図13[/caption]
次に20km圏内です。都心部で20kmは、車で1時間ほどでしょうか。地方では、道が空いていれば30分くらいの距離だと思いますが、荒川ゴルフクラブの順位はだいぶ下がりました。商圏範囲が変わると、期待可能来場回数は微妙に変わります。
15km圏内です。私は荒川ゴルフクラブを何度も訪問しているので、周辺の地理的感覚は多少あるのですが、常磐道のいわきインターチェンジや常磐道・磐越道の分岐と荒川ゴルフクラブまでの距離は、それなりに遠いと感じます。とはいえ、いわきから中通り側（郡山側）には練習場がなかなかないので、荒川ゴルフクラブあたりまで行かないと練習できない人もいると思え、期待可能来場回数の順位と数字自体もアップしています。
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図14[/caption]
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図15[/caption]
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図16[/caption]
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図17[/caption]
10km圏内です。この距離でも私は遠く感じますが、山岸代表の説では「８割の来場者が10km圏内から来場する」とのこと。もともと山岸代表が長年分析していたのは、この10km圏内の商圏でしたが、この10km圏内はほとんど15km圏内と変わらない期待可能来場回数です。
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図18[/caption]
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図19[/caption]
5km圏内です。これでようやくいわきインターチェンジや常磐道・磐越道分岐が圏外になりました。個人的にはこのくらいの距離の練習場なら定期的に通いたいと感じます。範囲が狭くなった分、期待可能来場回数も減りました。なお、地図は選択可能です。航空写真で見ると地形や平地がよくわかります。
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図20[/caption]
この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド（GEW）2024年10月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
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