適合モデルで復活! 新生・KATANA GOLFの“ガチ飛び”ドライバーを山田直知が徹底検証

適合モデルで復活! 新生・KATANA GOLFの“ガチ飛び”ドライバーを山田直知が徹底検証
KATANA GOLF(カタナゴルフ)と言えば、「飛びの刀」として一世を風靡したブランドだ。そのカタナが2024年3月、リブランディングして再始動。そして今年3月、同社はこれまで評価されてきた高反発ドライバーではなく、適合モデルで勝負に出た。「カタナの適合元年」と位置づけた新製品の名は『VOLTIO NINJA PREMIUM CARBON II』シリーズ。 そこで弾道測定器による科学的なギア検証に精通する、5UNDERS GOLFの山田直知氏が同シリーズのドライバー『VOLTIO NINJA PREMIUM CARBON II Ti DRIVER』を徹底試打し、性能を解説する。

【動画】『VOLTIO NINJA PREMIUM CARBON II Ti DRIVER』を試打&検証

まずは、山田プロによる弾道測定器を使った科学的試打検証を動画で観てもらいたい。

軽く振っていきなり飛ぶ!

山田 実はカタナゴルフのクラブは約25年前に試打した時に、その飛びに衝撃を受けたのを覚えています。今回久しぶりに新製品を試打できるとのことでとても楽しみにしていました。 ■試打スペック『VOLTIO NINJA PREMIUM CARBON II Ti DRIVER』(9.5度/S) KATANA GOLF カタナゴルフ VOLTIO NINJA PREMIUM CARBON II 山田 まずは何も考えずに打ってみましたが、軽く振っただけなのにいきなり288ヤード飛びました。カタナゴルフを打つのは久しぶりですが、正直ここまでレベルアップしているとは思わなかったですね。データも一発目からパーフェクトな数値です。 KATANA GOLF カタナゴルフ VOLTIO NINJA PREMIUM CARBON II 注目すべきはアタック角(入射角)が4.1度と最適なアッパーブローになっている点です。最近のドライバーはアッパーが勝手に強くなってしまう傾向があり、6度くらいになるとスピンが減り過ぎて、自分でスピードを上げていかないとボールがドロップしてしまうことがあります。一方、今作は最適な入射角でスピン量も2143回転と私のヘッドスピード(47m/s)に対してベストなデータになっています。 KATANA GOLF カタナゴルフ VOLTIO NINJA PREMIUM CARBON II 見た目についてですが、T字型のチタンとカーボンを組み合わせた「Tフレーム」というクラウン構造になっています。フルカーボンボディのドライバーは打感がぼやけやすいですが、このT字型チタンを入れることでフェースの芯を感じやすく、打っていて心地良い。それにTフレームの縦の線がターゲットにビシッと向いていて方向性をはっきりさせてくれる効果もあり、非常に構えやすいです。ヘッド体積は460ccですが、そこまで大きく感じないので、フェース面をコントロールしにくいということもありません。 KATANA GOLF カタナゴルフ VOLTIO NINJA PREMIUM CARBON II もう1球打ってみましたが、弾道もデータもほぼ同じ結果になり、再現性が高い印象です。特にスピン量は今回も2482回転と適正値になっています。最近のドライバーは全体的に低スピンの方向に振っているため、同じヘッドスピードで振ると2000回転を切ってしまうことも多く、キャリーが出ませんが、今作は理想的なスピン量を確保しており、その点も飛びに繋がっている要因だと思います。 また、昨今のドライバーは打感が柔らかく、静かな打音のものが多いので、打った感触が手に伝わらず、つい力を入れたくなってしまうんですね。ただ今作は打感が若干硬めで、しっかり感があり、「カキーン」という心地良い金属音がするので軽く触っても飛んでくれそうな予感がします。力まずにスイングできるので、そういった要素も弾道の再現性の高さに繋がっていると言えそうです。打音は過度に大きいということもないので、一般的なヘッドスピードの方や、私のように50近く出る方でも気にならずに打てると思います。

打点ズレの強さを徹底検証

山田 次に、あえてヒール側に15.4mmずらしてフェースの性能を検証してみました。 KATANA GOLF カタナゴルフ VOLTIO NINJA PREMIUM CARBON II 15mmのずれはかなり弾道に影響を与えるくらいの大きなずれですし、フェース角が5.8度と少し開いて当たってしまったので、結果はどうなるのかと思いましたが、10数ヤード程度の飛距離ダウンに収まり、思ったほどロスしませんでした。 KATANA GOLF カタナゴルフ VOLTIO NINJA PREMIUM CARBON II これならストレスを感じません。 次にトゥ側にずらして打ちましたが、少しやり過ぎてしまい27.4mmもずれてしまいました。 KATANA GOLF カタナゴルフ VOLTIO NINJA PREMIUM CARBON II これだけ芯から外れてしまうと30ヤードくらい飛距離が落ちてもおかしくないのですが、結果は276ヤードとそこまで変わりませんでした。 KATANA GOLF カタナゴルフ VOLTIO NINJA PREMIUM CARBON II 普段、私は生徒に左右の打点ずれは10mm以内に抑えましょうと指導しているのですが、このクラブなら15mm以内でも許容できそうです。 ただ、昨今のドライバーと違い、ミスヒットした感触がしっかりフェースから神経に伝わってきます。これは中上級者がラウンド中にスイングを修正する意味でもとても重要な要素なんです。熟練の職人がフェースの薄さと強度を求めて1本1本、研磨しているとのことなので、その辺りの作り込みの緻密さのなせる業だと思います。 KATANA GOLF カタナゴルフ VOLTIO NINJA PREMIUM CARBON II 最後に一般的なアマチュアのヘッドスピード42m/sで、ヒール側に14.5mmずらして打ちました。フェースが5.1度オープンにもかかわらず、結果は全く曲がらず、飛距離も235ヤード飛んでいます。 KATANA GOLF カタナゴルフ VOLTIO NINJA PREMIUM CARBON II 真ん中に当たっていたら245ヤードくらいは飛んだのではないでしょうか。この結果からも、一般的なアマチュアゴルファーにとって、かなりポテンシャルのあるクラブだということが分かりました。

力まず飛ばせるドライバー

KATANA GOLF カタナゴルフ VOLTIO NINJA PREMIUM CARBON II 山田 色々検証しながら試打しましたが、今作は力んで飛ばすのではなく、普通に振って、再現性高く安定的に飛距離を出せるドライバーに仕上がっています。これは誰もが求めていることではないでしょうか。それと可変スリーブは、調整してもシャフトのロゴの向きが変わらない特殊構造になっています。グリップのロゴや中心線はアマチュアにとって正しいグリップをするための生命線です。これが変わらないのは大きい。細部までこだわって作られたドライバーだと言えそうです。