芝草管理機の主要メーカーを一堂に集めた「2025東北ターフフェス」が7月1日、宮城県仙台市「泉国際ゴルフ倶楽部練習場」で初開催された。実際に機械を動かせる展示会は東北エリアでは約20年ぶりとあって、今回はその模様をレポートする。
当日は、300ヤードの広大な練習場とアプローチ練習場を会場に、メーカー12社が、フェアウェイ、ラフ、グリーンなど、用途ごとに最新機種を展示。ゴルフ場管理者や関係行政など約130人が来場し、最新機械の試乗や各社の機械を芝生の上で比較することができる貴重な機会となった。
今回の開催にあたり、主催者であるジェイジック東北の千田健二専務に開催理由を聞くことができた。
「新商品の情報や実際に機械に触れられるような機会がほとんどないので、一度やってみたかったのが理由の一つです。本音を言うと、普段お付き合いしている販売店の方々と商売抜きで子どもの運動会のようにワイワイやりたかったのが大きいかもしれません」
千田専務によると、東北エリアの販売網は棲み分けがうまくできており、競合や相見積もりも少なく、普段から各社で協力しているという。一方、参加企業によると、過去には室内展示でメーカーがデモンストレーションを行うイベントはあるが、ゴルフ場で実際に試乗できるような機会はほとんどないのだとか。
それゆえ、イベントでの販売を目的とした参加企業は見られず、ゴルフ場関係者に実際に試乗、体感してもらうこと自体に大きな価値があると多くの参加企業が口を揃えた。
共栄社 営業部推進課 営業推進チーム 安藤雅人氏コメント
ゴルフ場関係者に実際に試乗してもらうことでコースに合わせた提案ができることや、クルマのディーラーのように、芝刈り機で「乗ったことがないので乗ってみたい」を体験してもらえたのは大きいです。
ミクニグリーンサービス 営業本部 機械事業統括 次長 益田穂岳氏コメント
ハイブリッド車を体験してもらったり、エンジン音や振動、小回り性能など、試乗することでゴルフ場関係者に商品を理解してもらえたことは意義がありました。
トロカンパニージャパン 日本/韓国シニア エリアマネージャー ブライアン・エムチ氏コメント
東北の販売会社やゴルフ場関係者に対して、衛星を使ったRTK技術を取り入れたプログラムで刈り込み誤差の少ない自動運転が可能になるなど、最新テクノロジーを感じてもらう良い機会になりました。
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「芝刈道」が入ったスタッフTシャツを着る主催者ジェイジック東北の千田健二専務[/caption]
千田専務が言うワイワイ感や一体感を出すために参加企業のスタッフに用意したTシャツは、桜が舞い散るデザインや「芝刈道」のネーミングなど、千田専務が自らこだわって制作したもの。お揃いのTシャツを着ることで、企業の垣根を超えた一体感を感じ取ることができ、皆が笑顔だったのも印象的だった。
各社イベントの総評は好評価ではあったが、イベントの反省点や課題などを各社と話し合いながら次回開催については検討していくという。
東北で久々に開催された本フェスはメーカー、販売店、ゴルフ場関係者にとって意義あるものになったのではないだろうか。