本稿は、前回の「中編」につづく「後編」です。対象練習場に関する全ての「期待可能来場回数」を表にしたものも表示されます。
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実データを提供頂いた福島県いわき市の荒川ゴルフクラブでは、20km圏内でやや数字が悪くなりますが、15km圏内から範囲を広げても大して期待可能来場回数は増えません。そのため15km圏内からの集客に集中するのがマクロ分析的には良いという感じで、図21の表でも15kmの行に色がついて表示されています。
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図21[/caption]
同練習場の2020年1年間の実来場データを、分析システムで確認してみましょう。白地図にすると、いわき市の面積の広さがよくわかりますね。市町村別では図23の感じですが、これでは大雑把すぎるので、郵便番号別にしてみると図24の見え方になります。
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図23[/caption]
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図24[/caption]
10人以上で表示しています。15km圏内が赤い円なので、マクロ分析の最適商圏とほぼ一致していると思います。効率よく集客できていると言えるでしょう。
図25も荒川ゴルフクラブの実際の年間来場回数です。マクロ分析での2020年における期待可能来場回数で、最も良い数字は2万1920回ですが、実際のデータは8万3593回と3.8倍。圧倒的な集客力と言えます。このケースでは、マクロ分析が的外れでは? と感じてしまうかもしれませんが、多くの練習場では大体当たっています。
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図25[/caption]
当社システムの導入練習場は、比較的やる気あふれる練習場が多いので、マクロ分析データより良い数字が多いのですが、中でも荒川ゴルフクラブの集客力は秀逸です。その秘訣は、これまで何度も当連載で紹介しましたので、ぜひバックナンバーをご覧ください。
その荒川ゴルフクラブも、開場当初はなかなか集客できず、苦戦していたそうです。佐藤社長が来場の様子をしっかりデータで分析しながら策を考え、実践して、またデータで振り返って考えることを繰り返し、現在の集客力となったわけです。
同氏いわく、
「この投資がどのくらいの期間で回収できるかは、最初から計算してわかってやっている。人口の多い都市部で練習場が盛況なのは当たり前。人口が少ないところでは頭を使わなければ集客できない」
と話しています。
今後、他の導入施設からもデータ掲載の許可が頂けたら、随時紹介したいと思います。荒川ゴルフクラブは比較的地方部ながらも、圧倒的な集客力を発揮している例ですが、都心部は人口が多い半面、競合施設が密集しているため、商圏範囲による市況は変わってきます。そのあたりの状況をきちんと把握して、集客プランを考えることがとても大事になってきます。