チャットGPTの反応
ゴルフ場とSDGsについてチャットGPTで探ってみたところ、SDGsに熱心なゴルフ場の事例としてアメリカのペブルビーチ・ゴルフリンクスの名が挙がっていました。
その時、私は「もしかして」と思い、10年ほど前に友人からもらったキャディバッグを引っ張り出したところ、やっぱり、やや小ぶりのキャディバッグのアイアンやドライバーに「Pebble beach」の文字がありました。
クラブの長さがやや短いので女性用かなとも感じました。登山ではピッケルを使いますが、ヨーロッパの男性用のピッケルは重くて大きいため、日本人の多くは女性用を使っていたので、このクラブも女性用かなと思ったのです。子ども用かもしれません。
頂いたバッグとギアは写真のようにやや古めかしいものでした。形状は同じようですが、ドライバーとフェアウェーウッドは今のものとは全く違っていて、パーシモンとも違っています。
バッグは品の良いグリーンで、飾っておくのに良い形です。こちらはSam Sayerの銘が入っていました。スコットランドの有名プレーヤーが設立したゴルフメーカーです。
いつごろのものか検討もつきません。なんとなく気に入って、捨てずにおいたのですが、チャットGPTの報告を受けて、今まで放っておいたのがバチ当たりに思えました。
ペブルビーチでの取り組み
すぐにペブルビーチのホームページをのぞいてみると「グリーン・イニシアチブ」という項目があり、読んでみるとかなり凄い。
まず初めに、会社からのメッセージとして「当社はデルモンテ・フォレストと海岸線の環境保護に強い誇りを持っています。約2300ヘクタールの敷地とオープンスペースを持続可能な方法で管理し、ペブルビーチを未来の世代にも楽しんでいただけるようにすることが私たちの目標です」と宣言しています。
具体的には、自然保全、海に落ちたゴルフボールの回収、エネルギー、水部門について様々なプログラムを展開しています。
自然の保全については「生態系を保護し、維持する責任を真剣に受け止めている」として、林業・生態学や在来植物の苗圃を担当する常勤スタッフが10人。年間7万本の在来植物を栽培することが可能で、植生再生・森林再生プロジェクトに利用しています。
また、レストランでは地元のオーガニック農産物や持続可能なシーフードに重点を置いています。そのほか、コースと客室の両方で節水及び水質保全。高度なコンピュータシステムと携帯型無線制御を使用して必要に応じて散水する。ハイブリッド車、電気自動車の活用などによりエネルギー使用量を16%削減。リサイクルでは毎年650万ポンドを超えるプラスチック、ガラス、金属、段ボール、紙、緑の廃棄物などを削減するなど、ゴルフ場挙げてSDGsに取り組んでいます。
ゴルフ場が自然保護区

特筆すべきは、ゴルフコースと関連施設などを含む自然環境が全米を代表する環境保護団体・オーデュボン・インターナショナルによって「認定オーデュボン協同保護区」に指定されていることです。
認証を得るには、環境計画、野生生物と生息地の管理、アウトリーチと教育、化学物質の使用削減や水資源の保全・水質管理など様々な分野でレベルの高い環境品質を維持していることを示す必要があります。
これはペブルビーチがかなりの負担を覚悟でSDGsに取り組んでいる証拠です。でも、結果的には経費削減につながり、ゴルフ場としての品格が高まり、集客にも寄与しているのではないかと思います。
世界の動向

ペブルビーチのほかにもSDGsに熱心に取り組んでいるゴルフ場はないか調べてみました。
ヨーロッパではTerras da Comporta (ポルトガル) が2024年の「ヨーロッパで最もエコフレンドリーなゴルフ施設」に選ばれています。Berkhamsted Golf Club (イギリス) は、環境保全活動の一環として、デボン・レッド種の牛をコース内で放牧し、生態系の維持と景観の保全に寄与しています。
アジアではHoiana Shores Golf Club (ベトナム) が持続可能なコース設計と建設が評価され、スプリングシティゴルフ&レイクリゾート (中国) は、24万5000本の樹木、8万本のつる植物、160万本の花を育て、高品質な生態系を維持しています。
日本では、湯田カントリー倶楽部 (山口県) の、フードロス対策として100円まかない制度の導入が評価されているほか、10か所ほどのゴルフ場が評価されていました。
こうした事例はあくまでチャットGPTが紹介したもので、このほかにもたくさんの優良事例があると思いますが、いずれにしても、世界各国ではかなり専門的なところまで踏み込んでSDGsに取り組んでいるようです。
日本のゴルフ場もさらにエンジンをかけて世界に冠たるゴルフ文化を育てたいものです。
17. パートナーシップで目標を達成しよう
16項目・マルチ・ステークホルダー・パートナーシップを進める。全ての国々、特に開発途上国での持続可能な開発目標の達成を支援するため、知識、専門的知見、技術及び資金源を動員、共有しつつ、持続可能な開発のためのグローバル・パートナーシップを強化する。
【註】世界のゴルフ場がSDGsに取り組み、お互いが刺激しあって、協力の度合いを高めることにより、ゴルフというスポーツの認知度を高め、人々から愛される存在になれると思われます。中でも日本の活躍が待たれています。
この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2025年5月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
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