前回まで商圏分析(マクロ分析)の機能を紹介しましたが、今回はある練習場から、
「料金体系に工夫をしたので、その前後の様子を調べて効果の有無を確認したい」
との要望を受けて作成した「比較分析」画面を紹介します。
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料金体系は練習場の客層を決める重要なポイントで、変更によって来場者数の増減や客単価の増減が起こるばかりではなく、客層の変化も誘発します。そのため、日々のデータを確認し、お客さんの動向を観察して、熟慮を重ねて変更するわけですが、その変更が成功したのか、課題はないのかをしっかりと確認することがとても大切です。今回は実践的な内容です。
この練習場は大手企業系の施設ですが、確認したい内容は、
「7月1日からモーニングサービスを始めたが、その時間帯の人数が先月に比べて増えているのか?」
でした。
具体的には、
平日8:00~10:00にチェックインで100球の球単価半額
土日祝7:00~9:00にチェックイン100球の球単価半額
「半額」は思いきったサービス内容ですが、どのような影響があったのかを見ていきましょう。
まず、集計期間を指定します。
図1のように7月1日の前後の様子がわかるように指定します。
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図1[/caption]
図2が総来場回数の様子です。青が7月1日以降、赤がそれ以前ですが、朝の来場が増えている様子がわかります。
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図2[/caption]
図3では、ボール利用額も朝に増えているのがわかります。
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図3[/caption]
より詳しく見てみましょう。
図4のように平日の8時から10時に絞り込んで表示してみます。
[caption id="attachment_90408" align="aligncenter" width="788"]

図4[/caption]
図5のように来場回数はしっかり増えています。
[caption id="attachment_90409" align="aligncenter" width="788"]

図5[/caption]
図6のようにボール利用額は9時に関しては増えています。
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図6[/caption]
土日の様子も確認しましょう。
図7のように土日祝日の7時から9時に絞り込んで表示してみます。
[caption id="attachment_90411" align="aligncenter" width="788"]

図7[/caption]
図8のように来場回数はかなり増えています。
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図8[/caption]
図9のようにボール利用額も増えています。
[caption id="attachment_90413" align="aligncenter" width="788"]

図9[/caption]
7月1日直後だけでなく、最近の様子も確認しましょう。
図10のように10月と比較してみます。
[caption id="attachment_90414" align="aligncenter" width="788"]

図10[/caption]
図11のように朝だけでなく全体的に来場回数が増えています。このケースは真夏ではなく6月と10月の比較なので、気温の影響などは少ないと思います。新しい料金プランでそれ以外の時間帯にも良い影響が出ているかもしれません。
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図11[/caption]
これ以外にも様々なデータが確認できますが、続きは次号で紹介しましょう。
この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2025年1月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
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