ピンゴルフジャパンは、11月15日(土)、16日(日)の2日間、赤羽ゴルフ倶楽部(東京都北区)にて、「PINGジュニアゴルフフェスティバル」を開催した。GEW記者もゴルフ未経験の子供を連れて参加してきたのでその模様をレポートする。
同イベントは子供達へのゴルフの普及と、未来のゴルファーを創造するために同社が手弁当で行っているもの。小学1年生〜6年生とその保護者が対象で、参加費は無料だ。
青空と緑の芝からボールが打てる楽しさを子供達が体験
ゴルフ場のクラブハウス前で受付を済ませると、参加する子供全員にキャップがプレゼントされる。そのままクラブハウスを通り抜けて練習グリーンまで行くと、パターの練習コーナーとパッティングゲームコーナーがある。

パターは、ジュニア専用モデル『プロディG』が用意されており、122cm~157cmまでの子供の身長に合うように、15種類の長さから合うものを同社スタッフが選んでくれる。その後、簡単なレクチャーの元、パターを練習。
ゲームは3球のうち1球でもカップインできれば「PINGパターカップ」とオリジナルステッカーがプレゼントされる。対応する同社スタッフはとても親切で、初めて本物のグリーン上でパッティングをする子供にも笑顔で対応していた。

メイン会場は10番ホール。カート道付近に飲食スペースが用意されている。

受付時に渡されたチケットを使うと、ドリンク、フライドポテト、クレープが無料で楽しめる。付き添いの親の分も無料で、イベントの開始時刻が15時とおやつ時ということもあり、各キッチンカーは大人気。

目の前に広がるコースを見ながら美味しそうにクレープを食べる子供達の姿が印象的だった。
フェアウェイには、テニスボールを使ったストラックアウトとチッピングコーナーがあり、実際のクラブでボールを打つ体験ができる。テニスボールを使うことで当てやすく、初心者の子供でも楽しめる。参加賞としてここでもオリジナルステッカーがプレゼントされる。

そしてメインは事前予約制のラウンド体験会。1組3人の小学生で、ここでも各子供の身長に合った『プロディG』のセットが用意されていた。

同社スタッフがつき、注意事項の説明を行った後に、自分のキャディバッグを担いでフェアウェイ真ん中まで移動。

小学校低学年の参加者にとってキャディバッグはなかなかの重量だが、ゴルフ本来の担ぎを体験できるのも子供にとっては貴重だ。

まずはフェアウェイ真ん中から数球アイアンでショット体験。初めての子供が多く、空振りやゴロなどなかなか苦戦。それでも何球かに1回ボールが上がると子供達から笑顔がこぼれる。
慣れてきたところでそのままボールを打ちながらグリーンまで進んでいく。やっとグリーンに乗せるもカップの周りを行ったり来たりで大苦戦し、やっとの思いでホールアウト。

次のショートホールはスタッフが「本当のラウンドに近い感じでティーショットからホールアウトまでやりましょう」と声がけし、ジャンケンで打つ順番を決めて体験ラウンド開始。安全性を考慮し、ドライバーは使わずティーアップもせずに、アイアンでティーショット。付き添いの親達は時に不安そうに子供のゴルフデビューを見つめる。中には思わず「下りパットだから!」と叫んでしまう親も。

付き添いの同社スタッフも「ナイスショット」と声がけして盛り上げていた。無事にホールアウトした子供達は嬉しそう。記者の子供も「ゴルフって楽しい!」を連発していた。
2日間の総来場人数は143名で、ラウンド体験をした子供は49名。数にすると少なく見えるかもしれないが、ゴルフメーカーが未来のゴルファー創出のために地道に草の根活動をする現場を垣間見た。

ゴルフ業界にとって、若年層のゴルファー創出は喫緊の課題だ。しかし、ゴルフはほかのスポーツと違い「習い事」にしにくい。「野球少年」「サッカー少年」という言葉があるが、「ゴルフ少年」とは言わず、「ジュニアゴルファー」という言葉を使う。その言葉がどこか「競技志向もしくは将来プロゴルファーを目指している子供」という印象を与え、ゴルフへの敷居の高さを作り出す。
本来必要なのは、プロを目指すジュニアゴルファーの創造ではなく、「ゴルフ少年」「ゴルフ少女」を増やし、いかにして未来のゴルファーに繋げるかだ。
以下にピンゴルフジャパンとの一問一答を掲載する。
開催の経緯について
ゴルフ人口が減少傾向にある中で、ゴルフ市場を未来につなげていくためには、まず「ゴルフって楽しい」「またやりたい」と思ってくれる子どもを増やすことが必要だと感じています。
“スポーツとしてのゴルフ”と構えてしまうとハードルが上がってしまいますが、本来ゴルフには難しさだけでなく、芝生の上で身体を動かす楽しさや、ボールが当たった瞬間の爽快感など、気軽に触れられる魅力がたくさんあります。
そうした“ゴルフの楽しさ”に気づくきっかけをつくることは、いちゴルフメーカーとして果たすべき役割だと考え、継続的なジュニアイベントを実施しています。
ゴルフ場側の協力体制について
「子どもたちにゴルフ場を身近に感じてもらいたい」という想いを共有してくださり、快くコースと練習グリーンを解放してくださいました。また、当日の運営がスムーズに行えたのは、ゴルフ場スタッフの皆さまのご理解があってこそだと感じています。
今後の開催予定
具体的な予定は立っていませんが、PINGとしては今後も継続してジュニア向けの体験イベントを行っていきます。また、私たちだけでなく、地域の方々や同業界の企業、ゴルフ場など、こうした取り組みに賛同してくださる組織と一緒になって、もっと大きな輪を広げていきたいと考えています。子どもたちが“楽しい”から自然と続けたくなる、その最初のきっかけを今後もつくり続けていきたいと思います。
以上、イベントの模様をレポートした。今後、業種や競合の壁を越えて同様の取り組みが増えることが期待される。