栃木県宇都宮市の中心部から少し離れた住宅街。そこで30年以上にわたりゴルファーの面倒を見ているのがヤード・アップの山中敦取締役。御年70歳の同氏は量販店に14年勤務した後、独立して工房を立ち上げた。クラフトマン歴は半世紀に近い。そのベテラン職人を頼ったのが、遥か千葉県幕張市から来た73歳のシニアゴルファーで、悩みはウエッジのザックリとトップ。原因は硬すぎるシャフトに、つかまらないヘッド。薦めたのはキートンのウエッジ『SCREW TYPE R』とターフの『PROTOTYPE』。ザックリは治ったのか?
数値に頼るゴルファー 重要なのは3つの物差し
クラフトマン歴45年。パーシモンから現代のクラブまで、ゴルファーに寄り添いながらクラブを提供してきた山中氏は、計測器の進化に一家言持っている。
「弾道計測器が時代と共に進化して、そのデータに頼り過ぎ、自分自身の中に独自の物差しを持っていないゴルファーが多いと思います」
山中氏のいう「独自の物差し」とは、クラブの長さ、重さ、硬さへの感じ方だという。
「自分が使っているクラブに対して、長く感じるのか、短く感じるのか。重く感じるのか、軽く感じるのか。硬く感じるのか、軟らかく感じるのか。3つの物差しは人それぞれですが、この感覚を失って数値だけに頼ってしまうと、いろんな症状が出るんですよ」
その「3つの物差し」を持ち、ウエッジにボンヤリとした違和感を覚え、山中氏を頼ったのが73歳のベテランゴルファーA氏。ドライバーのHSは35m/s前後とゆったりとしたスイング。週1回のゴルフを欠かさないという。
「ウエッジでザックリとトップが止まらないということでした。原因は硬すぎるカーボンシャフトとアドレス時にボールがつかまらないように見えるヘッドでした」
そこで薦めたのが、キートンのウエッジ『SCREW TYPE R』と、ターフの『PROTOTYPE』だった。ザックリとトップは直ったのか?
つかまるネック形状 軟らかく速いしなり戻り
A氏が使っていたのが、しなりが少ないカーボンシャフトとネックの飛球線側が少し膨らんでいるヘッド。
「まず、しなりが少なく硬く感じるカーボンシャフトですが、しなりが少ないためA氏には少し硬すぎた。A氏のスイングはゆったりとしてシャフトがしならない。ボールに上手く当てようとして身体が浮き上がっていたんです。それがザックリとトップの原因でした」
そこで薦めたのが『PROTOTYPE』。重めのシャフトだが軟らかく、しなり戻りが速い。ゆったりスイングにはその重さと軟らかさ、そして絶妙なしなり戻りで身体が浮き上がらないスイングになったという。
一方のヘッドだ。ウエッジは多くの場合、リーディングエッジが直線に見えず丸みを帯びて見え、それが出っ張りに見える。また、ネックの飛球線側の形状が丸みを帯びたウエッジは、それも出っ張りに見える。出っ張りが2つあると、その2つが直進するように見えて、ボールがつかまりづらく見えるという。
「それでキートンの『SCREW TYPE R』を選びました。このウエッジはネックの側面がストレートに見えて、ネックとフェースの繋がり部分の懐を明確に視認できる。アドレス時にボールがつかまるイメージが出るんです」
この組み合わせでA氏の症状は改善され、60度のウエッジを含め、同じ組み合わせで一気に5本購入したという。