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  • 第10回・竹生流ゴルフ市場再興策 GEW2022年9月号掲載

    竹生道巨
    慶応大学経済学部卒業。1985年にゴルフ業界へ転身し日東興業で米国ゴルフ場支配人、欧州地区事業部長を歴任後、米国リビエラカントリークラブ副社長兼総支配人。2003年4月よりアコーディア・ゴルフのトップとして「ゴ...
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    この連載のタイトルでもある「ゴルフ界再興」のためには、「ゴルフにハマった人」つまり、コアなゴルファーの人口を増やすことが必要です。 そのためにはゴルフ場、ゴルフ練習場、メーカーなど業界のプレーヤーが連携しなければなりませんが、中でもプロゴルファーの役割は非常に大きいと私は考えています。 日本のプロゴルファーには大きく分けると2種類の資格があります。 ツアートーナメントに出場する「トーナメントプロ(TP)」とゴルフの指導を行う「ティーチングプロ(TCP)」です。どちらも、基本的には、日本プロゴルフ協会(PGA)、日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)のプロテストに合格し会員として認定されます。 その他、プロトーナメントを主催する日本ゴルフツアー機構のQT(クォリファイングトーナメント)の上位に入ると「ツアープロ」としてツアーに参加できます。 現在、日本のPGA会員はTPが約2400名、TCPが約3100名、JLPGA会員はTP、TCPあわせて約1200名が日本国内で活動しています。 まず、トーナメントプロのゴルフ界再興という観点での役割は、ゴルファー、ノンゴルファー問わず、「ゴルフへのあこがれ」を持たせ、ゴルフ人口増加のきっかけを作ること。「きっかけ」と言ったのは、彼らの力だけで持続的にゴルファーが増えることはないからです。宮里藍プロや石川遼プロが活躍していた頃を思い出してください。2009年に石川プロは最年少でプレジデンツカップに選出・出場、2010年には宮里プロが世界ランキング1位となるなど世界的な活躍をしました。彼らは、勝負に強いだけでなく、「明るさ」や「さわやかさ」を持ち合わせ、その人気は社会現象ともなりました。 現在の女子プロゴルフ界で次々と登場している若い有望なゴルファーの多くは、これをきっかけにゴルフを始めたのではないでしょうか。また、最近ゴルフを始めた若者も彼らに関する報道を見て育ったはずです。ふたりの活躍は、この世代に「ゴルフはかっこいい」と思わせてくれ、「おじさんのスポーツ」と言われていたゴルフへの印象を一変させたと思います。 しかし、「かっこいい」だけではゴルファーは増えません。なぜなら、ゴルフへの参入障壁はとても高いからです。最近のゴルフ場の活況も新型コロナ禍によるところが多く、ゴルフ界の努力で生まれたものではないことは業界の誰もがわかっているはずです。2021年の松山英樹プロのマスターズ優勝、稲見萌寧プロの東京オリンピック銀メダル獲得の快挙で、新たにゴルフへの「きっかけ」が生まれたのですから、各団体はもっと戦略的に連携して取り組んでもらいたいと思います。

    年収1千万円の指導者は「楽しさ」を教える

    もうひとつのプロ資格であるティーチングプロはゴルフ界の活性化のためにより大きな役割を担っています。彼らは直接的にゴルファーを生み、育てるというプロセスに関与できるからです。この範疇には、TP資格保持者でレッスンを行っている方も含まれます。「人を教える」ことは簡単ではありません。多くのプロは、常に新しいレッスン理論、知識を取り入れているでしょうが、本当に教えなければいけないのは「ゴルフの技術」ではなく、「ゴルフの楽しさ」だということです。ゴルフ技術の向上は「ゴルフの楽しさ」を感じるためのひとつの要素ではありますが、それがすべてではありません。いかにゴルフを楽しんでもらうかをまず考えるべきです。私の経験上、こういった意識を持ったプロは人気が高く、収入も安定しています。メディア等で認知度がなくても、年収1000万円を超える方を何人も見てきました。 「ゴルフの楽しさ」を伝えるためには、「レッスンは接客業」を理解することが基本です。タバコを吹かしながら高圧的に指導するようなプロはさすがにいないとは思いますが、笑顔を絶やさず、生徒さん一人一人の気持ちを理解する、つまり、ゴルフの下手な人を理解することが大切です。 また、ゴルフを楽しんでもらうためには効率的な上達も必要で、そのために、練習場でのレッスンとコースでのラウンドレッスンを組み合わせます。ここでは、プロは営業マンにならなくてはいけません。ゴルフ場にアプローチし、自分のレッスンの場を広げます。ゴルフ場側も、ゴルファーを生み出し育てようとするレッスンプロを快く受け入れるべきでしょう。 逆にゴルフ場側からレッスンプロや練習場にアプローチする姿勢があってもいいくらいです。新規ゴルファー、それもコアゴルファーが増えなければ、ゴルフ場も持続可能な営業はできません。海外では、プロライセンスやツアープロの身分証を呈示すればプレーフィが無料になるゴルフ場が大半です。日本でも、せめてラウンドレッスンをするプロにはある程度の配慮をしてほしいものです。 もちろん、プロもゴルフ場をビジネスパートナーと認識して行動する必要があります。ある男子プロが横柄な態度をとったことが理由で、女子プロはプレーフィ無料なのに男子プロは有料というゴルフ場があるとネットのゴルフメディアで見ました。このようなことは言語道断です。

    米国では「プロ」がゴルフ場を運営する

    一方、ゴルフ場側の立場で考えると、レッスン以外でプロを活用する方法はあります。それは、ゴルフ場運営に関わってもらうことです。プロが支配人というゴルフ場は日本にもいくつかありますが、私も、アコーディア時代に積極的にプロゴルファーの皆さんを支配人に抜擢しました。プロの一番の強みは「ゴルフをわかっている」ことです。人選は、接客に長けており、コース管理を含めてゴルフ場を良くする情熱をもっていること。数値管理の面では苦労される方もおられましたが、サポート体制を整えれば、クラブ運営やプロショップなどで、プロならではの活躍をしてくれました。 私のこの発想は、長年、全米プロゴルフ協会(PGA of America)とお付き合いをしてきて自然と生まれました。彼らは日本と違い、トーナメントに参加する資格はなく、それを管轄するのはPGAツアーという別団体です。PGAツアーは、今秋も開催予定のZOZO CHAMPIONSHIPのようなプロトーナメントを主催し、それに参加できるプロ選手を認定します。 一方のPGAは、会員をゴルフ場のヘッドプロ、支配人にすることが目的です。そのため、PGA会員になるためには、実技テストに合格してアソシエイトになってから、マーケティング、経営学、ホスピタリティ運営、プロショップ運営やコース管理など多岐にわたる分野を学ぶ「PGAプロフェッショナルゴルフマネージメント(PGA PGM)」を修了しなければなりません。PGA PGMは、全米17の大学でもPGAの公認学位として提供され、大学に通いながら学べます。つまり、PGAはゴルフビジネスのプロフェッショナルを育て、会員としているのです。 現在、PGAのWebサイトでは、引退した人も含め約2万4000人の男女の会員が登録されています。その多くはアシスタントプロ、ヘッドプロ、ゼネラルマネージャーとしてゴルフ場で働いており、ショップでのゴルフインストラクターやゴルフメーカーの営業職に就いている人もいます。 アコーディアの創成期に私のカウンターパートナーとして仕事をしたゴールドマン・サックスのアセット管理者の中には、世界最大のゴルフ場運営会社トゥルーンゴルフから出向してきたアメリカ人も何名かいました。彼らはすべてPGA会員、つまりプロゴルファーでした。私はアメリカのゴルフ場で仕事をした経験があったので違和感はありませんでしたが、他の従業員の中にはゴルフプロにそこまでの経営知識があることに驚いた人もいたようです。 私は日本でも、プロに経営やマーケティングを学ぶ機会を与えるべきだと思います。ゴルフ部の活動が盛んな大学でゴルフ業界のプロを育てるような学科を作るのもおもしろいかもしれません。 プロゴルファーはゴルフ界再興にとって、とても重要な存在です。長い間の努力で得たゴルフの実力は何にもかえがたい財産のはず。ツアー、レッスン、ゴルフ場、練習場と活躍の場は違っても、真のゴルフ・プロフェッショナルとなる自覚を持つことが、この財産を活かす道なのだと思います。
    この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2022年9月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら
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