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  • 「大学ゴルフ部の実態」 なぜ他の大学スポーツよりも注目度が低いのか

    小川朗
    山梨県甲府市生まれ。甲府一高→日大芸術卒。82年東スポ入社。「世界一速いゴルフ速報」の海外特派員として男女のメジャー大会など通算300試合以上を取材。同社で運動部長、文化部長、広告局長を歴任後独立。フリージャー...
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    月刊ゴルフ用品界2017年9月号掲載 なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
      「貧乏人はゴルフをするな、というのが大学ゴルフのスタンスです」。 そう吐き捨てるように語ったのは、東京六大学のゴルフ部でヘッドコーチを務める人物だ。また、今春、首都圏の大学ゴルフ部に息子を入部させた父親は「保護者の多くが、500万の出費を覚悟したうえで進学させていた」と証言する。 一体この国の大学ゴルフはどうなっているのか。現場を照らすと、他の競技とは明らかに違う、深刻な問題点が見えてきた。  

    強くなると出費がかさむ現実

    8月7日、鷹之台カンツリー倶楽部(千葉市)。猛暑の中で、関東学生ゴルフ選手権の開幕を翌日に控えた各大学の選手たちが練習ラウンドを行っていた。 バッグ置き場には松山英樹や池田勇太、谷原秀人らを輩出した東北福祉大、卒業生の顔ぶれでは引けを取らない日大のほか、慶応、早稲田、明治、法政、専修など、名前の通った大学の、揃いのチームカラーに彩られたキャディーバッグがズラリと並ぶ。 練習ラウンドを終えた選手たちは、猛暑の中疲れも見せずに練習グリーンでボールを転がしていた。ピンクや白、黄色などのほか、黒のチームカラーでユニホームを統一したチームもある。見ているだけでこちらも暑くなる装いで、老婆心ながら熱中症が心配になる。 練習を切り上げてきたばかりのA君に話を聞いた。A君は東京六大学のあるゴルフ部に在籍する2年生。父親はすでに企業を早期退職していて、今は非正規雇用の立場だが、A君が進学するに当たり、ゴルフの費用として年間60万円のサポートを約束してくれた。 「それでも足りませんから、練習場ではアルバイトする代わりに打たしてもらっています。あとは自宅のある多摩地区のゴルフ場でキャディーもして、足りない分を補っています」。 私立だから授業料も、やはり相当な出費となる。A君は、自嘲気味にこう言った。「でも僕の場合は、実力がないから、そんなにお金がかからないんです」。 一体どういうことなのか。さらに突っ込んでみると、皮肉な現状が浮かび上がってきた。「僕の場合は出られる試合が限られているので、遠征費はそれほどかかりません。でも強くなれば出られる試合も増えて経費がかさみます」。 実際、この関東選手権でもエントリーフィーが5000円、プレーフィーも1ラウンドあたり9754円がかかる。練習ラウンドと4日間の試合分で5万3770円。これに交通費や宿泊費、朝夕食代などの経費がプラスされるのだから、確かに大変だ。 A君は関東選手権にやっと出て来られるレベルだから、年間の出場経費はまだ、なんとかなっている。しかし全国大会に出られるレベルになると、遠方での試合も増える分経費がかさんでしまうというワケだ。伸び盛りの強い選手ほど、経済的に追い込まれる。皮肉な構図だ。 今年、6大学の1校に、長男を進学させた父親のひとりに話を聞くことが出来た。「合宿も年2回あり、交通費もかかる。これから日本アマに出ることになれば、予選からの宿泊費もかかる。本戦は関西で行われることもあるし、そうなると関東からの遠征は1回10万。高校時代、親同士でよく情報交換をしましたが、皆なんだかんだで卒業までに500万円はかかる、と覚悟していましたね」。 この家庭の場合、大学生になってもコーチは父が務めている。だからレッスン代はかからない。それでも息子は家計を案じ、塾講師や練習場でのアルバイトに精を出しているという。「ウチはレッスン料がタダという特典はあるけど、それでも出費はかなりのものになると思いますね」とため息をつく。 「貧乏人はゴルフをやるな」 選手によってかかる経費は様々だが、大学による格差もある。中堅校でヘッドコーチを務める人物は、苦しい胸の内をこう明かす。「強豪校は練習設備も充実している。学校の敷地内に合宿所やドライビングレンジやアプローチ、バンカー練習場、グリーンがあるところもある。ここで練習する限り、経費はかからない。プレーフィーを負担する大学もあります。しかし、強豪ではないけど全国(大会)に数人が出るウチのような大学には、設備もサポート制度もない」。 ゴルフ部そのものが大学の看板を担っている強豪校には大学側から費用が出るため、練習環境は整っている。提携ゴルフ場や練習場があることも少なくない。しかし、そうでない場合、負担は保護者に大きくのしかかる。「貧乏人はゴルフをするな、というのが大学ゴルフのスタンスです」(前出のヘッドコーチ)。 大学に入ってからゴルフを本格的に始め、最高学年となったB君は、4年間の生活をこう振り返る。「高校まではサッカーをしていましたが、ゴルフをやるようになって、そのお金のかかり方にはびっくりしましたね。サッカーでは試合会場に行く電車代くらいしかかからなかった。ゴルフは4日間の試合で、練習日から毎日お金がかかる。ウチは自営業ですが、自分もいろいろとバイトしました。プロ? いえいえ、親の会社に入ります」。 大学のゴルフ部の場合、4月から11月まで、ほぼ毎月試合がある。概算だが、エントリーフィーとプレーフィーで1試合5万円。宿泊費が安く見積もって1泊5000円×4。計56万円に交通費と食費を足した経費が必要だ。 ゴルフ場が空いていてエントリーフィーやプレーフィーが安い平日に試合が行われるケースが多いが、これにも問題は多い。学業が優先されているとは言えないからだ。 問題は学生だけにとどまらない。指導者であるコーチも、強豪校以外はほとんどがボランティア。平日の試合に顔を出すとなれば、本業にも少なからず影響が出る。ボランティアだから、経費も持ち出しになりがちだ。 学生ゴルフを運営する各団体が、これらの問題を放置して来たことこそが最大の問題だ。関東学生ゴルフ連盟、その上にある日本学生ゴルフ連盟の怠慢は目に余るものがある。 関東学生ゴルフ連盟、日本学生ゴルフ連盟はいずれも法人格すらない団体で、広報活動もほとんどせず、試合に観客を呼び込む努力もほとんどしていない。それどころか、同じゴルフ部員の応援すら、スタートホールと最終グリーンしか許されていないのが現状だ。 当然、大きな大会でも観客はほとんどおらず、スポーツマスコミも取材に来ない。注目度がまったく上がらない。 東京六大学野球や箱根駅伝、甲子園ボウルやラグビー大学選手権などとはエライ違いだ。それぞれの連盟が深く関わるこうしたイベントはテレビ放映やスポーツマスコミへの露出が多く、神宮球場や秩父宮での観客動員もかなりのもの。 大学としては名前を売るいい機会となる。6大学の1校を例に挙げれば、野球、アメリカンフットボール、ラグビー、駅伝が強化指定クラブで、学校側からも手厚い補助金が出る。しかしゴルフ部への評価は低く、サポートの金額は遠く及ばない。注目度が低く、“宣伝効果”が薄いからだ。 大学ゴルフの問題を掘り下げていくと、日本のゴルフ界の根源的な問題に突き当たる。学生は無料でゴルフ場をプレーでき、練習場でも思う存分打てる環境が欲しい。そのための環境づくりが学生ゴルフ連盟にできない以上、これはやはり日本ゴルフ協会(JGA)がやるしかないのだが。
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