米PGAショーからみた2013年の傾向
「リーマンショック以降、大手クラブメーカーの出展が減り、開催の意義さえ危ぶまれたが、昨年あたりから回復傾向。今年はテーラーメイドを筆頭に、タイトリスト、ナイキ、キャロウェイ、ピン、コブラプーマの大手6社がそれぞれブースに工夫をこらし、集客合戦を繰り広げており、活気が出てきた感じ」
とコメント(動画では同6社のブースを紹介)。そのほか、会場の5割ほどの広さを占めるアパレルブース、アイディア商品でアメリカンドリームをつかもうとする新規企業なども活況。ようやく長かった不況のトンネルから、明るい兆しがみえてきた模様。受注状況においても同様で、ナイキゴルフのプロダクトマネージャーであるジッジ・ムーディー氏によれば、
「新製品『コバート』ですが、かなり順調といえます。詳しい数字はいえませんが、我々が当初予定していた数量を超える受注を現段階でいただいております。すでに追加生産の体制に入っております」――。
明るいといえば、ゴルフ用品のカラー化もそのひとつ。ヘッド、シャフト、グリップ、ボール、シューズ、グローブなど、一昔前では思いもよらなかったようなカラーを採用。特にヘッドに関しては、ロフト調整機能が搭載され、固定ロフトという概念も薄くなっており、ヘッド自体にロフト表示がされないモデルも登場。従来品は、ロフトごとに金型をひとつずつ作る必要があるが、これはその必要もなくなる。メーカーとしては、その分のコストダウンにもつながるため、今後考えられるのは、ヘッドの多色カラー展開。すでにコブラプーマゴルフの新製品は、4色展開を始めているが、今後、これに追随するメーカーが増えてくることは明らかだろう。
ちなみに、今年の干支は「巳」。巳という字は、胎児の形を表した象形文字で、蛇が冬眠から覚めて地上にはい出す姿を表しているとも言われ、「起こる、始まる、定まる」という意味があるのだとか。"コブラ"が始めたヘッドの多色カラー展開。2013年はどうやら面白い年になりそうだ。