1月16日、都内ホテルにてゴルフ業界16団体が主催する「日本ゴルフサミット会議」「ゴルフ新年会」が開催された。今年初めてとなるサミット会議では2019年度の活動方針を発表した。
主な項目は4つで(1)ゴルフの活性化をはかる(2)ゴルフ場利用税廃止を求める運動(3)国家公務員倫理規程における「ゴルフ」の削除(4)暴力団等反社会勢力の排除とした。特に(1)ゴルフの活性化の中には、新たに「女性ゴルファーの創造(開拓)」を活動テーマに盛り込んだ。
そしてサミット会議後には、新春特別企画として「近代化のための新しいゴルフ規則変更」と題した特別講演が企画された。日本ゴルフ協会の山中博史専務理事と市村元規則統括部長が登壇。約1時間にわたり、今年1月1日に施行された新規則の改定の経緯や一部難解なゴルフ規則の解説を行った。
特筆すべきは、今回の規則改定によってゼネラルルールで使用が可能となった距離計測器についてだ。
距離計測機能以外の機能使用に対する疑惑への対応は?
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左:JGA山中博史専務理事、右:市村元規則統括部長[/caption]
講演の中で興味深いのが距離計測器の使用について。JGAには距離計測器の使用についての問い合わせも多く、市村氏は、
「距離計測器に距離計測機能以外のどのような機能が付帯していても、距離計測機器を携帯して2点間の距離計測機能のみを使用することはゼネラルルールで認められています。ただし、競技において2点間距離計測機能以外の高低差機能などを使用した疑いがあるとのクレームが競技委員に寄せられた場合、競技委員は当該競技者に確認する場合もあります。さらに、疑いがあったという事実に関しては、競技委員は当該競技者に注意を促すこともあります」
世界のプロツアーで距離計測器の使用は・・・

そこで気になるのが、世界のプロツアーでの距離計測器の使用だ。市村氏は次のように説明した。
「私の知っている限りでは、世界のほとんどのツアー、USPGAツアー、ヨーロピアンツアー、アジアンツアーのローカルルールでは距離計測器の使用を禁止しています。さらにJGAでも昨年末に競技委員会が開かれまして、日本オープン、日本シニアオープン、日本女子オープンでは、距離計測器の使用を禁止するローカルルールを制定します」--。
一方でJGA競技でも、アマチュアが出場する日本アマ、日本女子アマ、日本ジュニアなど全日本レベルのアマチュア選手権では、距離計測器の使用が認められるという。
2点間距離計測の情報提供はアドバイスにはならない

また、距離計測器による2点間距離の計測情報は、同伴競技者のアドバイスには該当しないとのこと。一組4名でのラウンド中、一人だけが距離計測器を携帯して使用する場合もある。その場合でもアドバイスには該当せずペナルティーはない。カートに搭載されたGPS距離計測の情報を4人のプレーヤーが活用することも距離計測情報の提供という意味では認められている。