ゴルフ新年会で主要トップに直撃動画取材 業界の課題浮き彫りに!
ゴルフ関連16団体が加盟する日本ゴルフサミット会議は1月16日、都内のホテルで関係者約750名を集め、恒例の「ゴルフ新年会」を開催した。議長は日本ゴルフ協会の竹田恆正会長が務める。
東京五輪を来年に控えるサミット会議は、今年の活動目標を選手強化や市場活性化策への本腰を掲げ、特に「レディス需要の掘り起こし」に注力することが確認された。
とはいえ「掛け声倒れ」を懸念するムキも多い。卑近な例がゴルフ場利用税撤廃運動の不発である。利用税の撤廃は、サミット会議積年の課題だが、「全廃論」にこだわるあまり捗々しい成果をあげていない。同様に、ゴルフ場来場者の1割程度を占めるレディス需要の開拓についても、具体的施策は今後の課題。
今年1月、ゴルフ規則の大改定でプレー人口の減少に歯止めを掛ける動きが広がっているが、国内主要団体のトップはどのような課題意識を持っているのか? 竹田議長、超党派ゴルフ議員連盟の衛藤征士郎会長ら5名のインタビューを掲載しよう。
消費増税分を代替財源に今度こそ全廃を!
衛藤征士郎氏 超党派ゴルフ議員連盟会長(6分1秒)
平成元年に消費税が導入され、それまでゴルフ場、パチンコ、ボウリング場等に課せられていた「娯楽施設利用税」が廃止されたが、ゴルフについては「担税力がある富裕層のスポーツ」として「ゴルフ場利用税」に衣替え。以来、70歳以上の高齢者や18歳未満、身障者等の部分撤廃はあったものの、それ以外は継続中だ。
利用税額のピークは平成4年度の約1034億円だが、前年度は447億円に激減など、市場の苦戦を物語っている。
業界団体が撤廃を働き掛ける先が超党派ゴルフ議員連盟(名誉会長麻生太郎氏)だ。衛藤会長は、「今秋、消費税率が2%上がる。これを代替財源として、何としても全廃を達成したい」と強調するが、過去の経緯から「期待薄」と見るムキも多い。増税と来年の五輪開催という追い風があるだけに、「絶対やります!」と眦を決する。
選手の活躍をもっと知ってもらいたい!
竹田恆正氏 日本ゴルフ協会会長(5分19秒)
日本ゴルフ協会は、アマチュア競技団体の総本山という位置づけでもある。2015年からガレス・ジョーンズ氏をヘッドコーチに迎え、近代的な強化策を行ってきた。
その成果が昨年、開花した。「アジア競技大会」の男子団体で金メダル、「アジア・パシフィックアマチュア選手権」で金谷拓実(東北福祉大2年)が優勝など、東京五輪の開催に向けて好感触。
ところが、「大半のメディアは活躍を取り上げてくれません」と竹田会長は落胆する。ゴルフ雑誌では報道されたが、テレビ・新聞等ではほとんど触れられず、「どうしたらいいのか」と、PR戦術の練り直しも求められる。
それもあって、竹田会長は動画取材の冒頭、「活躍した選手の名前を読み上げたい」と希望。しばしお付き合い願いたい。
今年から女性会員を募ります
倉本昌弘氏 日本プロゴルフ協会会長(2分42秒)
国内最大のゴルフ指導者団体である日本プロゴルフ協会は今年、大胆な決議を行った。男の世界に「女性会員」を募り、業界の悲願であるレディス需要の開拓に本腰を入れる。「女性目線」の吸い上げに寄与することも一因だ。
一方で、日本女子プロゴルフ協会も女性指導者の育成に注力しているが、両者が競合することはないのだろうか。そのあたりも含めて聞いた。
レディス市場の開拓はできることから着実に
手塚寛氏 日本ゴルフ場経営者協会理事長(2分28秒)
日本ゴルフ場経営者協会は、国内唯一のゴルフ場経営者団体。他のゴルフ場団体とは一線を画し、プレー人口の拡大策や課題を経営者目線で話し合う。
手塚理事長は今年1月、ゴルフ場、用品、練習場など関連5団体が活性化を討議するゴルフ市場活性化委員会(GMAC)の委員長に就任。そのような立場でレディス市場対策を語る。
今年のJGFはレディス企画を充実
馬場宏之氏 日本ゴルフ用品協会会長(2分32秒)
毎年3月にジャパンゴルフフェアを開催するのが日本ゴルフ用品協会。会場を東京から横浜に移転して今年3回目を迎える。今回は女性ゴルファー対策にも注力、会期中に行うセミナーも「レディス需要対策」を主題に掲げる。
「活性化のカギはレディス対策。業界全体で問題意識が絞り込まれるのはいいことです」と馬場会長。その具体策を語る。