「どうせやるなら銀座の一等地に出したかった」――。
全国139のゴルフ場を運営するPGMは10月1日、同社初のインドア施設『PGMゴルフアカデミー銀座』をオープン。冒頭のコメントは、田中耕太郎社長の気合を表している。
地下鉄「東銀座駅」から徒歩1分、銀座松竹スクエアビルの2階フロアをすべて借り切り、面積は約180坪。銀座という土地柄を考えれば思い切った投資だが、
「初年度から赤字にするつもりはありません」
店内は一般用8打席、完全個室のVIPルームが2部屋のほか、最新のシミュレーター10台(ゴルフゾン製)と弾道計測器のトラックマンも1台導入した。休憩ラウンジやプロショップも完備し、将来的にはクラブフィッティングによる物販やゴルフ関連のイベントも行う予定で、総力を傾けた店構えといえそうだ。
まずは、9月26日に開催された先行内覧会の様子をショート動画で。
なぜインドアだったのか?なぜ銀座だったのか?
「周知の通り、新規ゴルファーの創出は業界全体の課題です」
と田中社長。その創出に向けてジュニア・若年層・女性・初心者をターゲットにした都市型のインドアゴルフ施設が『PGMゴルフアカデミー銀座』だという。
ゴルフ場ビジネスは、コースへの来場者数と客単価が生命線。それがなぜ、銀座にインドアを開業することになったのか? 採算を含め、都市型ビジネスへの参入はリスクを伴うはず・・・。次の動画では、田中社長が開業の意義について熱く語る。
動画の話を捕捉すれば、同社の系列139コースのうち会員制は約100コースで、総会員数は19万人。しかし、平均年齢は64歳と還暦を超え、さらに全体の3割超が70歳以上と深刻な高齢化に直面している。そのため、銀座への出店で「待ち」の商売から「攻め」に転じる必要があったもの。
この施設の特徴は、①練習場としての機能(定額打ち放題)、②本格的なレッスン(初級者から上級者まで対応)、③グループラウンドに加えて、フィッティングとイベントの5本柱。インストラクターはイケメン揃いだ。
全打席に導入したシミュレーターはゴルフゾンの『VISIONプラス』と『GDR』をカスタマイズしたもの。150コース以上をラウンドできるほか、本格的な練習もできる特別仕様となっており、HEIWA&PGMチャンピオンシップ開催コース『PGMゴルフリゾート沖縄』も収録されている。
補足すれば、田中社長は既存のゴルフ練習場は収益性の面で再投資が難しく、
「老朽化した施設が多いため、マイナスイメージがあると思います。当社の施設は、これを払拭できると思う」
銀座松竹スクエアは、3~18階がオフィス、19~23階が住居となっており、
「オフィスは17社で従業員2000人以上、住居には富裕層が住んでいるため、ここに効果的なアプローチを仕掛ければ上顧客を獲得できる可能性もあります」
と算盤を弾いている。シミュレーションを利用した入居企業や家族のゴルフ大会、成績上位チームへの副賞として系列コースの無料体験ラウンドなど、様々な青写真が描けるはず。
もうひとつ、銀座ならではのこんな企画はどうだろう? 高級歓楽街として沢山の飲食店が軒を連ねるだけに、「夜の蝶」とその顧客のペアスクランブル大会をシミュレーションゴルフで行うとか。
業界喫緊の課題はレディスゴルファーの開拓だが、現状は遅々として進まない。夜の銀座で働く女性に、その火付け役を担ってもらうことは現実味がありそうだ。これに対して田中社長はどう答える? そのあたりも動画で聞いてみた。
PGMゴルフアカデミー銀座の概要
利用料金(50分)
- 【オープンレンジ(~4名)】
平日:7時~18時 3600円、18時~23時 4200円
土日祝日: 4200円
- 【プライベートレンジ(~4名)】
全日:5400円
- 【VIPルーム(~6名)】
全日:1万円
※1打席当たり最大4名まで利用可能、レンタルクラブ、シューズ無料
レッスンプログラム
パーソナル(1回50分)1万円~1万2000円、グループ(1回50分)3000~4000円
トラックマン(貸出し)
50分3000円