「まだ撮影でしか打っていませんが、飛びますね。今後調整をすれば『G700』を使う可能性はありますね」
そう語るのはピンの記者発表でスペシャルゲストとして登場した鈴木愛プロ。実際に記者発表後のデモンストレーションでは、7番アイアンを試してヘッドスピード33.9m/sで161.8ヤードと『G700アイアン』の飛距離性能を実証して見せた。
ピンは1月16日、都内で記者発表会を開催。飛び系アイアン『G700アイアン』、「G400」シリーズの追加モデル『G400MAXドライバー』、『グライド2.0ステルスウエッジ』、『ヴォルト2.0パター』を発表した。
飛んで飛んで止まる『G700』

特筆すべきは4月5日に発売する『G700アイアン』で、アイアンで飛び系を謳うのは同社初。そのキャッチフレーズは「飛んで、飛んで、止まる」というもの。開発コンセプトは、7番アイアンでロフト角28度と極端なストロングロフトに設定せず、素材、構造、そしてシャフトで飛距離とともに最高到達点の高さを上昇させて、落下角度を鋭角することでグリーンでボールを止めることができるアイアンを目指した。
フェースには高初速につながる前作比2倍の高強度を持つ「マレージングC300」を用いて、初速を向上させることでボールを上昇させ、さらに、中空構造でソールとトップブレードを薄肉化することで、フェースがボディと一体となって前作比で2倍撓む。それによって、飛距離と高い弾道を実現しているという。
また、標準仕様として43gのしなり系シャフト「ピンFUBUKI」と軽量スチール「ZELOS6」を採用。「FUBIKI」では、打ち出し角が1.5度、スピン量が700rpm、落下角度が1.7度増加。ボール初速は3m/s増加したことで、飛距離換算で10から15ヤード伸びるという。
最近市場を賑わせている飛び系アイアンとは一線を画すということを強調しているのだ。
鈴木愛のG700アイアン試打動画
『G400MAX』ドライバー追加で、残り3割をカバー

昨年9月発売以来、大ヒットを記録した『G400』ドライバーに3月8日、460cm3の『G400MAXドライバー』を追加ラインアップする。これまでの『G400』は、速さで飛ばす『G400』(スタンダード)、ドローで飛ばす『G400 SFT』、そして低スピンで飛ばす『G400 LST』の3機種だったが、同社はこの3機種でゴルファーの7割をカバーしたという。しかし、さらにやさしく飛ばせる『G400MAX』で残りの3割をカバーしたい目論見だ。
460cm3の『G400MAX』は、ソール後方に配されたタングステンウエイトを7gから15gに増量。ヘッドの総重量も『G400』より重く203gに設計している。その結果、上下左右の慣性モーメント値も9600g・cm2を超えており、「さらにブレない」と力説。深低重心を実現しており、ロフト角9度でもボールが高く上がるドライバーに仕上がっている。

大型ヘッドを好む鈴木愛プロも、
「昨年の全英OP前までは、ヘッドサイズの大きい『G』を使っていて、その大きさに戻ってきたので大きい(『G400MAX』)方が好きです」――。
デモンストレーションでは、1打目をミスするも2打目には236.6ヤード。3球目には251.2ヤードと、今年1度も練習していない鈴木プロも今年の最長不倒を記録した。
鈴木愛のG400MAXドライバー試打動画
『グライド2.0ステルスウエッジ』『ヴォルト2.0』も発売

同社は発表会で、3月8日発売の『グライド2.0ステルスウエッジ』『ヴォルト2.0』も発表した。『ヴォルト2.0』は5モデル9機種をラインアップ。『グライド2.0ステルスウエッジ』は、前機種までヘッド素材に431ステンレススチールを採用していたが、今回はマイルドな打感を生み出す8620カーボンスチールを採用。精悍でマットなブラックのヘッドには、耐摩耗性に優れるというQPQ仕上げを初採用した。プレー中の反射を防ぎ、集中力を高めるという。
同社は前期で9年連続増収を果たしている。今年で10年連続となるか。そのエンジンが、『G700アイアン』であり、『G400MAX』を追加した『G400』シリーズであることは間違いない。
▼安齋伸広マネージャー(プロダクトマーケティング)に製品特長を伺った。
▼当日の記者発表動画はこちら。