米国ゴルフ用品市場 2018年第一四半期状況
米国ゴルフ関連調査会社ゴルフデータテック社から、米国ゴルフ市場の第一四半期ラウンド数と、ほぼ同時に用品市場での売上状況が発表されたが、ラウンド数と用具売上状況に大きな違いが生じている。
概要を見ると、第一四半期のゴルフラウンド数は、この間の気象状況、寒気と雨に災いされて前年対比かなり落ち込んでいる(4月も引き続き不振が予想される)が、一方、2018年度新製品売上はかなり好調で、特にクラブ、シューズの売上は大きく前年を上回っている。反面、過去7年間、好調が継続してきたゴルフアパレルは天候不良の影響を受け、2018年度はスロースタートとなっている。
ラウンド数
3月度のラウンド数は前年比3.5%ダウンし、1-3月累計では5.6%のダウンとなっている。米国南東部の悪天候が主たる原因で、低気温と高い降水量がゴルフにとってネガティブな環境を作りだしている。
南大西洋地域のラウンド数は10.5%ダウンし、南中央部では15.2%ダウン、この二つの地域が、今年初めの異常なラウンド数前年比率を代表している。
そして米国北部諸州は冬期間月にあまりゴルフをしない一方、通常はいくらかの頑固者が特に3月にはいるものだが、春の訪れの遅延はそれらの市場をも停滞させてしまった。
第一四半期ゴルフ用品小売状況
ゴルフボール・グローブ
天候不良による悪影響を受けたゴルフボールやゴルフグローブの売上は、昨年同期に対して金額で一桁パーセントダウンしている。
ゴルフバッグ・ゴルフシューズ
第一四半期のゴルフシューズ売上は、数量、金額共に二桁増と前年を大きく上回り、バッグは数量で横這い、金額で前年を4%上回った。
ウッド
ドライバー、フェアウェイウッド、ハイブリッド売上は、2018年第一四半期を通してかなりアップしており、数量では前年をやや下回ったものの、ウッド部門の合計金額は前年を7%上回った。
いくつかの大手ブランドによる新製品発売戦略、タイミング変更に伴う遅めのスタートの結果、ウッド部門売上は3月が好調で、今年上期を通して好調継続が予想されている。
アイアン
第一四半期アイアン売上は、数量で5%アップ、金額で17%アップと大きく伸び、金額ではオンコースでは36%、オフコースで15%と著しく伸びている。特にカスタムフィッティングの売上が伸び、画期的な新製品がアイアンの需要を刺激した。ウッド部門とは異なり、アイアン部門では数量でも伸びて、2018年度の初期アイアン売上の強い基盤を示している。
ウエッジ
第一四半期末までのウェッジ売上は金額で対前年29%アップ、数量売上は31%だった。3月度の新製品発売と旧製品の安値は、第一四半期ウェッジ市場を浮上させ、より長期の成功は高級価格ウェッジの売上継続の支えとなっている。
パター
パター部門売上は、2018年度第一四半期、多くのクラブ製品の中で独自の動きを見せ、数量では2%アップするも金額では横這いだった。タイトリストのスコッティキャメロンパター発売が3月から4月にずれこんだこともその要因だろう。
ゴルフクラブ合計では対前年売上12%アップ、ボール、グローブを加えたゴルフ用品全体では9%アップとなっている。(GolfBiz.net WSG Daily Pulse 5/1 - ゴルフデータテックブログより)
2018年第一四半期の米国ゴルフ市場は、上記のように、ゴルフラウンド数は悪天候の影響で大きく落ち込んだにも関わらず、市場でのゴルフクラブ売上は前年を大きく上回り伸びている。
これは大手クラブメーカーの新製品販売が第一四半期に集中したことが原因だと考えられるが、同時にゴルファーの新製品購買意欲が旺盛であることが明らかになった。今後、ラウンド数の回復と共に、ゴルファーの手元在庫や市場在庫がどう推移するかが業界健全性持続の鍵となってくるだろう。