今回は2022年度LPGAツアーで女子プロが、どんな練習器具を使っているかの調査です。
練習器具といってもスイング系で色々な目的で使い分けていて、意外と効果のあるものもあり、さすがプロゴルファーが認めるだけに一理あるなというのが印象です。
スイング系の練習器具といえばバットタイプのアザス、クラブメーカーが作ったトライワンなどが多かったのですが、現在ではアザスがしっかり残っている以外は意外と種類は少なくなった印象です。
まずはスイング練習器具の大手・ダイヤの『ダイヤスイング527』です。
全長が70cmとコンパクトで、ヘッドスピードに応じた調整によってインパクトゾーンでの音(カチッと鳴る)が出ることで、ゆっくり振っても早く振っても、しっかりとしたコッキングとリリースを確認できるため、女子プロに使用率は高くなっています。
また、長さが70cmとコンパクトで、室内での練習に適していることも、ツアープロに人気の一因でしょう。
使用プロは、上田桃子、安田祐香、菅沼菜々、新垣比菜、木村彩子です。
なお、ゆっくり振るウオーミングアップ系の練習器具としては『ダイヤスイングプロツアー』があり、今平修吾プロのアドバイスにより完成させたもので、こちらもプロの実績がある。
上田桃子、藤田さいき、安田佑香が使用。
他メーカーで目立つのは韓国の『べスコン(BESCON)』。
このブランドは2008年と古く、キム・キョンテ、SK・ホの使用でも有名。来日中の韓国勢は、ほぼ全員が子供の頃から知っていて、使用経験があるようです。
長さによってスイングの負荷が変わるようで、多様なカラー展開、インパクト付近での音(カチッと)によりあまり飽きることなく振れるようです。
岩井明愛、岩井千怜、金田久美子、三ヶ島かな、森田遥、若林舞衣子、リ・ハナ、イ・チヒ、イ・ミニョンが使用。
それぞれプロの使用目的が明確で、使っていて「なるほどな」と納得しました。
『べスコン』は、長年にわたり多くの有名プロの使用実績があるように、体力に応じた長さの選定可能で、また、インパクトでの音の出る位置で現在の自分のスイングの調子がわかりやすいとのこと。
ウオーミングアップにもスイング練習にも使える万能タイプとのコメントが多くありました。
『ダイヤスイング527』はスイング練習が主で、コッキングやリリースがうまくできることで音をならせやすくする。
これは硬いシャフトでヘッドスピードをそれほど上げずとも、しならせたりする技術にも通じています。
アプローチからフルスイングを狭い部屋で行える優れた練習器。支持するプロが多いのもうなずけます。
『ダイヤスイングプロツアー』は、あくまでもスイング前のウオーミングアップを主軸に置いたスイング練習器で、ゆったりとしたスイングリズム・スピードでの使用が前提。
スイングの振り急ぎを防ぐ効果が絶大なのです。
この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2022年11月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら