2月20日から24日にかけてタイのパタヤで行われた「2023 adidas Golf APAC invitational」に参加した。2022年に国内ゴルフシューズマーケットシェアNo.1となったアディダスゴルフが、2023年の春夏アパレル「ULTIMATE365 TOUR」と、軽さの歴史を変えていく〝限界ZERO〟のゴルフシューズ「ZG23」のローンチを祝して、アジアパシフィックの規模で150名のゲストを招待し、新製品を体感する初のビッグイベントだ。
到着初日は各国の参加者が宿泊ホテルのガーデンに集まり、ウェルカムカクテルパーティが開かれた。長引くコロナ禍もあり、大勢が集まり直接コミュニケーションができたのは久しぶり。通常は職種分野ごとに集まるイベントが多いため、小売り大手、メディア、インフルエンサーなど、普段は交わることの少ないメンバーが一堂に会し、新たな発展への期待が感じられた瞬間だった。
2日目はサイアムカントリークラブウォーターサイドコースへ移動。ラウンド前の「シークレットコンテンツ」では、渋野日向子が、LPGAのトップ選手のコ・ジンヨン、イ・ジョンウン6、パティ・タバタナキットと共に登場し、参加者を驚かせた。昨年、アディダスゴルフとフットウェア契約を締結した渋野は今年の2月に正式にアパレル契約を締結。あらためてアディダスファミリー入りの感想を聞くと、「正直なところ、私でいいのかな?という感想です。夢のまた夢だったので、今でもあまり実感が無いです」とシブコスマイルを振りまいた。
コース貸し切りで、日本ではまだ馴染みの少ないスループレーによるフルショットガンのチーム戦が行われ、ゲーム後はホテルのガーデンでガラディナーが開催された。アディダスオリジナルのカクテルや、タイ料理が振舞われ、チーム戦の表彰に続き、最新アパレルのファッションショーが披露され、パタヤビーチから放たれる大輪の花火でイベントは最高のフィナーレを迎えた。
翌日は各国に分かれてゴルフイベントやディナーを開催。最終日はサイアムカントリークラブオールドコースで開催されている「ホンダLPGA タイランド」の18番ホール脇のアディダスホスピタリティテントで、渋野をはじめとする選手の応援で大いに盛り上がった。
イベントを統括したアディダスジャパン株式会社 アディダスゴルフ本部 ブランドアクティベーションAPAC シニアマネージャーの加瀬友之氏は、
「今まで数多くのイベントをマーケティング担当としてこなしてきましたが、10ヶ国以上もの参加者をまとめるとなると、従来のイベント企画・運営には無い苦労や学びが多々ありました。空港の出迎えからホテル、ゴルフ場のいたるところでの造作・演出・ホスピタリティが必要で、旅行代理店、広告代理店、イベント会社など様々な役割を担わなければいけません。
現地PR会社とのミーティングではお互いネイティブではない言語を話し、30分で終わる話が2時間以上かかることも。細かい打合せを繰り返しても、実際の現場では話が通ってないことも多々あり、そのあたりが一番難しかったと感じます。すべてはゲストに楽しんでもらうために準備をしていたので、参加した方々に楽しかったと言ってもらえて本当に良かったです。オフィシャルのカメラマンに、被写体が終始こんなに笑顔なイベントは初めてだと言ってもらえ感無量です」
昨年「コードカオス22」でスパイクレス市場最高の売上を記録し、存在感を示したアディダスゴルフ。王者の余韻に浸らず矢継ぎ早にマーケットに還元をした形だが、2023年に向けたこのイベントが先手必勝となるかが楽しみだ。
かつてない規模で行われたイベントの主催者や参加者に感想を聞いた。
後藤達也氏(株式会社ヒマラヤ取締役)
「楽しかった」の一言につきます。今まで参加したイベントに比べて、主催メーカーとの距離が非常に近く、フレンドリーさを感じました。ジャパンチームはもちろん、APAC代表のDavidや、アディダスゴルフ代表のJeffがフランクに接してくれたのが嬉しかったです。洗練されたマーケティング手法のレベルの高さに圧倒され、製品への理解が深まりました。自然と一緒に頑張って広げていこうという気持ちになりますね。
水上貴夫氏(EVEN編集長)
私にとって、コロナ禍後の初めての海外出張となったタイ・パタヤ。いわゆる、ご招待による新作シューズとアパレルのイベント取材でしたが、その規模の大きさに終始驚かされました。参加者の数、契約プロを招いたローンチイベントや夜のパーティといった錬りに練られた企画等、アディダスゴルフの圧倒的な勢いが表れています。そして何より嬉しかったのは、彼らの感謝とおもてなしの気持ちを強く感じられたこと。生涯忘れない取材旅行になりましたね。
月本えり氏(フリーランス/クリエィティブディレクター)
チームアディダスゴルフのみなさんに感謝を伝えたいです。あらためて、ゴルフの楽しさを教えてくれるブランドだなと実感しました。中でも渋野日向子選手がハグしてくれて、その笑顔と優しいオーラが印象的で、ますますファンになりました。初めての海外ゴルフ、初めてのタイで不安なところもありましたが、出発から帰国まで何一つストレスなく、一秒も退屈することなく楽しめました。
David Chin氏(アディダスゴルフAPACバイスプレジデント)
このような大規模イベントは初めてでしたが、今後の継続的な成長につながる重要な出来事だったと感じています。最も印象的だったのは、異なる国から一つの場所に一同が会することで、絆が生まれたことです。グローバルなスケールのイベントに参加し、一員となることで、味わったことのない楽しさや刺激を受けたでしょう。長い準備期間で、交通手段、ホテル、ゴルフイベント、食事、契約プロやメディア対応、ファッションショー、花火、試合観戦、そして参加者の安全対策を行ってきたチームメンバーに感謝し、誇りをもっています。
この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2023年4月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
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