「弊社初のソフトタイプを発売します。グリップ市場でどのような動きをするのか未知数ですが、使用率を高めたいですし、他社へ流れていたゴルファーをこの製品で取り込んでいきたい」
ティエムシーエンタープライズのSUSAS事業部長・村松俊志氏は初の挑戦に意欲を見せる。
ゴルフグリップは唯一、ゴルファーと接する部分。一般にはあまり知られていないが、スイングやクラブヘッドの挙動にも影響を与える。手のカサつきに悩む高齢者などは、グリップを吟味する必要がある。
同社は素材開発から金型設計、生産などの全行程を国内で行っており、メイド・イン・ジャパンにこだわっている。同社契約プロの芹澤信雄、藤田寛之の監修を得、競技層からアベレージゴルファーまで全方位で満足度を高めるのが企業方針だ。
そんな同社は8月4日、標準モデルから樹脂硬度を10度抑えた『SUSAS UTM VA』(税込:1980円)を全国の取扱店で発売した。
3年ぶりの新製品について、前出の村松事業部長が舞台裏を語る。
「全国各地でグリップの交換会イベントを行っていると『少し柔らかいタイプが欲しい…』『手荒れで痛くて、上手く持てない…』などの声を多く聞きました。
SUSASブランドは「Grip For Athlete」目線で製品開発しているので若干上級者向けのラインアップが多い傾向にありました。みなさんがそこまで言うなら作ってみるかと思いまして(笑)
軽量かつ握り心地のいいグリップの必要性を実感し、ソフトタイプの開発をはじめたのです」
当初は昨年秋口の発表を予定していたが、1年の延期を余儀なくされた。「コロナ特需」で注文が相次ぐ一方、ご多聞に漏れず業界は、原材料不足に喘いでいた。
「それと、初のソフトタイプなのでなかなか納得できる製品ができなかったのです。樹脂の配合率を変えたり、インジェクション成型による温度や抽出時間を変更したり、多くの試行錯誤を繰り返しました。
その結果、6回目の試作でようやく成功。『SUSASは硬い』と思っているゴルファーに、新たな提案ができると思います」
新規層の開拓につなげる構えである。
色はスカイブルーとグレーの2色で、バックラインの有無を選択できる。
〈お問い合わせ〉
〈会社名〉
ティーエムシィーエンタープライズ
SUSAS