今回は近年使用者が増え飛ぶクラブとの認識が増えてきたピンのツアーサービスカーにお邪魔して、クラブとパターについての話を伺いました。
ピンゴルフジャパンのツアーバスは原則としてJGTOとLPGAのほぼ同数の試合に出動しており、そんな話題のクラブをクラブ担当の稲原氏に、パターについてパター担当の岩田氏に話を伺いました。
稲原氏によると、ピンを使用する選手はドライバー、FW、UT、アイアン、ウエッジ、パターと全商品を使用する選手が多いが、契約選手ならともかく、フリーの選手でもすべてのクラブを使用する人がいることに驚く。トータルでの完成度が高いものを提供していることがうかがえた。アイアンでは新製品の『i230』を使用する選手が多く(比嘉真美子、大出瑞月、工藤遥加、前田陽子、上野菜々子)、『i210』を鈴木愛(『i230』がスピンが効くため距離感を合わせづらい為『210』を使用中)が使用。『i230』と『i210』ではスコアラインの数は『230』の方が多く、スピンがより入りやすくなっている。
ウッドでは『G430』シリーズでソールのリブを増やしたことで、打感が柔らかくなり、打音も従来より落ち着いた音に変化して選手からは高評価である。上野プロ、前田プロからは飛距離が伸びたとのコメントも聞かれた。
次にパターの状況を岩田氏に伺った。昨シーズンの終盤から、慣性モーメントが大きく、オートマチックなイメージの強かった大型のネオマレットから、ワイドブレードを試して変更する選手が多くなってきているとのこと。これはキャロウェイのオデッセイ担当者も同じ発言をしていて、非常に興味深い。選手によればブレードパターは巧い選手が使うものとの認識があった。しかし、ワイドタイプのブレードを試すと、オートマチックな部分と自分の感性を生かした操作性も発揮できて非常に良いとの話が多くなってきているとのこと。長さは33インチが主力で、またピンのオリジナルグリップの装着率が高いことです。特に『TP-58ブラックアウト』はタイガーウッズの使用で俄然注目を集め、『ブラックアウトMID』もネオマレット系に装着率が上がっているとのことでした。
★今回の取材の前にベトナム市場の調査に行った際、ドライバーの販売で大手の12店舗が口をそろえてピンがトラックマン計測で一番飛ぶので売れる!! との話を聞いていたので、契約プロからの話も非常に納得できるものだった。パターはやはり強い選手からの流行力があり、ここしばらくはワイドブレードが人気を集めそうだ。
この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2023年10月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
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