今回のレポートは2024年度から改正されたグリーンリーディング資料についての報告です。具体的には変更になったグリーンリーディング資料について、開幕戦から10試合以上が経過したところで、その状況を報告させていただきます。
資料の写真のように主な変更点はグリーン上の情報で傾斜の表示がなくなっていることです。練習ラウンドなどで得た情報は、自分で書き入れられるものの、昨年度までの出来上がった資料を手に入れることはできなくなりました。筆者はグリーン上の傾斜を含む細かな情報こそがスコアを左右するのではと思い、今シーズンがどのように変わっていくかを注目していました。
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グリーンリーディング資料の変更点について[/caption]
そこで、田淵プロキャディと佐藤心結選手に何が変化したか、話を聞きました。
田淵プロキャディによると、
「開幕戦からどのような影響があるのか心配していましたが、自分たちが細かな情報を書き入れることで、従来と変わりなくできていると思います。ただし、ヤーデージブックに書き入れる情報を集めるために、練習ラウンドはかなり長くなっているのが現状です」
佐藤心結選手は、
「練習ラウンドを通じて自分たちが情報を集める手間はかかりますが、試合に必要な情報を書き込んでしまえば昨年と変わらないですね」
とコメントされていました。
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2023年度使用のヤーデージブック[/caption]
一方でこんなコメントもあります。今シーズンブレイクしている天本ハルカ選手は、
「グリーン上の傾斜を含めた情報量が少なくなったことで、自分のラインの読みと、ラインに対して厚く打つか、薄く打つかといったジャッジがスムーズになってプレーが早くなりました。あまり多くの情報量がありすぎても、プレー中の計算が複雑になっていたので、自分には有利になってきたように思います」
★今シーズンの平均ストロークや優勝スコアが悪くなるのではといった心配をしていましたが、結果はほとんど変化もなく、天本選手のようにプレーのスピードアップと成績が上がった(天本選手は今年4月のパナソニックオープンで優勝)例もあります。
今後はスイング技術の向上、ボディメンテナンスの向上、もちろんクラブやボールの技術向上もあり、ゴルフプレーに対するあらゆる分野での規制が少しずつ強化されていくのではと思います。
この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2024年7月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
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