一目で分かる ゴルフ関連施設における熱中症対策 暑さ指数WBGT監視システム
「温度のチノー」と呼ばれ、赤外線計測や燃料電池評価試験の分野で高いシェアを持つチノーから、ゴルフ場の熱中症対策に寄与する可能性のある製品が発売されている。
1954年にアメリカで提案された指標WBGT(湿球黒球温度:Wet Bulb Globe Temperature)は、熱中症を予防することを目的として、人体と外気との熱のやりとりに着目。1)湿度、2)日射など周辺環境、3)気温の3つを取り入れた指標で単位は(℃)。気温とは異なる値となる。2020年から、気象庁と環境省が熱中症予防のために、「熱中症警戒アラート(試行)」を実施しているが、この基準値にもWBGTが用いられている。
このWBGT値が事業場において基準値を超えると、熱中症にかかる可能性が高くなる。そこで同社では気温、相対湿度、黒球温度を測定し、測定したデータをWBGT基準値と比較して監視する『暑さ指数WBGT監視システム』を展開中だ。
具体的には、無線ロガー『MD8000』や測温抵抗体が接続された黒球などを組み合わせた「計測ユニット」で計測する。計測ユニットは電源不要(電池or専用バッテリーで稼働)のため、屋内外のどこにでも簡単に設置が可能。計測された数値は無線で「収録・監視ユニット」に集約される。収録・監視ユニットはランプで警戒レベルを識別し、グラフィックレコーダーのモニターで暑さ指数を算出して熱中症の予防監視も行える仕組みだ。
さらに設置場所全体の温度、湿度、WBGTを、集録・監視システム「CISAS/V4」(シーザス)で一元管理し社内イントラネットで見える化を実現。施設の電力使用量も監視、抑制することができ、CO2排出量を抑えESGに配慮した取り組みのひとつとしても期待できる。
以上のWBGT計測システムは、例えばアイアンヘッド、シャフト、グリップなどの製造工場はもちろん、ゴルフ場のコース内など、様々なゴルフ関連施設でも活用できそう。特にゴルフ場はコース内に計測ユニットを設置し、クラブハウスでWBGT値を一元管理し、ゴルファーや従業員に熱中症を注意喚起するといった使い方もできるかもしれない。ゴルフ場の熱中症対策に一役買いそうだ。
計測ユニット
収録・監視ユニット