癖がなく、ねじれ、つぶれを制御できる『GC』
今回はドライバーシャフトでシェアを伸ばしているグラファイトデザインについての報告です。グラファイトデザインといえば、JGTOでの使用率を見てもハードなスペックが多いイメージがありますが、LPGAでも今期絶好調で7勝をマークしたメルセデスランキング1位の竹田麗央選手や、今季初優勝し来季のシード権を確定している天本ハルカ選手などが使用しており、『ツアーAD VF』や『CQ』『UB』に加えて、新たに投入された『GC』を使用する選手が増えています。
使用者の多い『VF』が進化系の手元調子と言われるのに対して、『GC』はグラファイトデザインの王道シャフト。つまり往年の『PT』から『MD』『TP』へと続くフラットなシャフトの後継機種として、現代のスイングや各メーカーが推し進める大きな慣性モーメントを持ち、低スピン化に向かうヘッドをコントロールするために開発されたシャフトです。
使用する三ヶ島かな選手は、
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三ヶ島かな選手[/caption]
「『GC』の5Sを使用していますが、従来のシャフトと比べて、インパクトで右サイドを使って押し込んだ時にも左に行かない点が安心して叩けるシャフトという感じで、現時点ではキャロウェイのパラダイム10度とはベストマッチです」
宮田成華選手は、
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宮田成華選手[/caption]
「『GC』の5Sを使用していますが、従来使っていた他社のシャフトより左に行かず、逆玉が出ないことで現在は安心して叩けるシャフトと思っています。キャロウェイのパラダイム9度とは相性がいいですね」
泉田琴菜選手は、
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泉田琴菜選手[/caption]
「多くの選手が試しているので、現在使用している『VF』から『GC』への変更をテスト中です。ヘッドメーカーとの相性があり、実績のある『VF』と『GC』では、まだハッキリとした変化が比較できず思案中です」
グラファイトデザイン大石氏によれば、
「『VF』との比較より他社シャフトからの変更事例が多いと思います。グラファイトの伝統的スタンダードシャフトが、最近のクラブヘッド開発とマッチしていると思います」
キャロウェイゴルフの桜井氏によれば、
「キャロウェイのヘッドでは、確かにグラファイトのシャフトが合うと思います。特に『GC』では癖がなく左に来ないので 使用プロが今後も増えそうです」
三ヶ島選手、宮田選手ともに、従来使っていたメーカーのシャフトより10ヤード前後、飛距離を伸ばせたといっています。ただ、これは安心して叩きに行く、インパクトでボールを押しに行った場合でも左に行かないことで、強く振っていけるからだと思われます。昔と比べてもスイングがよくなったLPGAプロにとっては、ニュートラルなシャフトでなおかつ、ねじれとつぶれをコントロールするシャフトの需要が高まっていると思います。
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この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2024年11月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
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