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  • 連載SDGs 第2回 「寄付の楽しみ」も味わえる

    岡島 成行
    学校法人青森山田学園・理事長、(公社)日本環境教育フォーラム・会長、NPO法人自然体験活動推進協議会・会長。1969年読売新聞入社、80年環境庁担当となり環境問題専門記者に。87年東京開催の「環境問題国際ジャー...
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    パタゴニアという会社

    アメリカのアウトドアメーカーにパタゴニアという会社があります。多くの製品は比較的高く、普通のメーカーの倍近い値段です。高いけど品質が良いため売れています。登山やアウトドアのプロが愛好していることもあってパタゴニアを着ていることはちょっとしたステイタスを感じるようです。 パタゴニアの人気の秘密はもうひとつあります。全売り上げの1%を環境保護のために寄付をしていることです。パタゴニアはこの寄付をすることで、世間でいう広告宣伝を行っていると言えます。言い換えれば、一般的な広告宣伝費を使わず、その費用を環境保護に寄付していると考えても良いでしょう。 創業者のイボン・シュイナードさんに話を聞いたことがあります。ずいぶん昔に、パタゴニアが東京の目白に店を出すことになり、アメリカの友人に頼まれて私もお手伝いをしたのです。その時、私はなぜ売り上げを寄付するのか聞いたのですが、シュイナードさんはこう言いました。 「岡島さん、ここにコカコーラとペプシがあります。両方とも1ドルとしましょう。同じような味ですよね。一方が売り上げの1セントを環境保護に回すとします。お客はどちらを選ぶと思いますか。そうです、寄付する方を選ぶでしょう。だって、寄付する方を買ったお客は、飲み物という楽しみと寄付をしたという楽しみの二つの楽しみを得るからです」 なるほど、そんな考えもあるのかと妙に感心した覚えがあります。 実はシュイナードさんは有名な登山家で、私よりいくつか年上です。シュイナードさんとお会いする数年前に韓国で岩登りをしたことがありましたが、そこに「シュイナード・ルート」というかなり難しい岩登りルートがありました。シュイナードさんが初めて切り開いたルートです。私は何度トライしても登れなかった。 シュイナードさんに初めてお会いした時にその話をしたところ、いたずらっぽく笑って「そうだろう。あのルートは私以外には登れないよ」と言ってました。

    環境保護が社是

    パタゴニアは非常にユニークな会社だと思います。一度、日本支社のホームページを見ていただきたいのです。まるで環境保護団体のようです。 まず、「私たちは故郷である地球を救うためにビジネスを営む」という文字が飛び込んできます。そして、環境への取り組みだけでなく、社会的取り組みとして、化学薬品による疾病を防ぐためにオーガニック・コットンの使用やフェアー・トレードの実施。さらには、自社製品の修理を奨励し、購入を減らすよう呼び掛けています。 最近ではアメリカ国内の公有地が開発により破壊されている事実を問題視した映画「パブリックランド」を制作しました。この映画は往年の二枚目スター、ロバート・レッドフォードとシュイナードさんが協力して作ったそうです。 パタゴニアはなぜ、普通の企業と正反対とも言えるビジネスを進めているのでしょうか。 一つは社員全員が共有する「地球環境に対する危機感」があると思います。それと同時に「消費者への信頼」があるようです。パタゴニアの顧客は、自分たちの考えに賛同し、行動する人たちだ、と信じているのでしょう。これまでの売り上げの伸びが、それを証明しているからです。 シュイナードさんの最近の写真を見ると古武士のような鋭い顔をしています。地球を壊す行為には全力で闘う、という信念がにじみ出ています。パタゴニアの方針が世界に信頼される原点は、この顔にあるのではないかと思ってしまうほどです。

    SDGsとの関わり

    SDGsということを考えると、パタゴニアは17項目のすべてを視野に入れているのだとは思いますが、中でも環境保護に関連する7番「エネルギーをクリーンに」及び13、14、15番の「気候変動に具体策を」「海洋資源を守る」「陸上資源を守る」などの課題、さらに10、12、17番の「人や国の不平等をなくす」「作る責任・使う責任」「パートナーシップ」などの社会的課題に特に力を入れているようです。 一般的に、SDGsのすべての項目を一企業が実施することはとても難しいと思います。どの会社でも、どの業界でも、自分たちに直接関係する項目に目が行くのは当然です。 私はそれで良いと思います。自分の会社が関連するSDGsの項目だけでもしっかりやっていけば良いのです。企業が社会に貢献する姿勢を示せば、必ず、パタゴニアのように顧客の信頼を得ることに繋がるはずです。

    ゴルフとSDGs

    今後のビジネスはどうしてもこのSDGsを避けて通れません。消費者の目がそちらに向かっているのも間違いないようです。 最近、サステイナブル・ファッションという言葉が聞かれます。売り捨て、使い捨てのような消費行動に反省が生まれ、ファッション業界は大変な波に洗われています。古くは毛皮コートなどが野生生物の減少の原因だとされ、すっかり姿を消したことがありましたが、現在、第二の大波が来ているようです。 ゴルフを楽しむ人の多くはスコアアップを考えています。ギアを作り、売る人たちもそこに焦点を合わせているわけですが、気が付けば、リサイクルや中古販売が大きな市場になっています。 時代は流れています。パタゴニアのように、地域社会に売り上げを寄付するゴルフ場が出てきてもおかしくありません。修理修繕やアフターケアに力を入れるのも良いでしょう。ゴルフ場に住み着いている里山の動植物を紹介するのも面白い。SDGsの一項目で良いのです。何かを実践すれば、ゴルフを楽しむ人の中からも賛同者が増えてくるはずです。 シュイナードさんではないですが、ゴルファーに、スコア上昇という楽しみとともに「SDGsへの貢献」という楽しみ提供することによって、売り上げアップを試してみてはどうでしょうか。 フェア・トレード=途上国などの安い労働力を買い叩くなど不当な経済活動ではなく、フェアー(正当)な労働条件と賃金を考慮したトレード(商業、貿易)を行うこと。
    この記事は弊誌ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2021年6月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら
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